書物を読むと「沈む時に弦が上向きの半月を上弦の月」
「沈む時に弦が下向きの半月を下弦の月と呼ぶ」と書かれていますが
これも「あれ、昇る時だっけ? 沈む時だっけ?」とあやふやになり
右半分が上弦、左半分が下弦、という覚え方ではどうも曖昧になりやすい。
新月から数えて月齢八日めの半月「上弦の月」。
半月の形を弓と見做し、弓の弦が上向きであると意味される。
しかし、月が昇る時と沈む時とでは、弓の弦の上下は逆になります。
「上弦の月」の場合、昇り始めは弦が下で弧が上
正中した時に弦が垂直になり
その後沈むまでは弦が上で弧が下になります。
従って、単に弦が上の半月は上弦の月、と覚えていると
月を見た時間により、呼称がとり違えられることがあるのです。
「上弦」は地球から見たとき太陽と90度をなす月であり
月齢としては6〜8ぐらいの値をとります。
[ 上に弦 ]と書きますが、欠け際(弦)が上に見えるか下に見えるかは
観察する時間帯、地平線との関係で変わってしまうので
混乱を招きやすいのです。
「上弦」は沈む時は確かに" 弦 "が上に見えますが
東の空に上ってくるときは" 弦 "が下になっています。
反対に「下弦」も沈む時には" 弦 "が下ですが昇ってくる時は" 弦 "が上です。
ちなみに、南中(正中)時には、上弦の" 弦 "は東(西側が明るい)
下弦の" 弦 "は西(東側が明るい)になっています。
「上」「下」の区別は、上か下かという空間的なものではなく
満月の「前」か「後」か という" 時間的 "なものと覚えておきましょう
(「上旬⇔下旬」、「上半期⇔下半期」、などと同じ使い方です)
「上弦」は満月より" 前 "の半月、「下弦」は満月より" 後 "の半月です。
旧暦では月の満ち欠けを「一月(ひとつき)」の基準とし
新月が1日、満月が中日でしたから、まさに上弦は「月」の前半「上旬」に
下弦は「月」の後半「下旬」にあったわけです。
上弦の月は、弦の部分が上に来るためといわれていますが
実際には中国において「上中下」は月の旬を、弦は半月で
上弦の月は月の始め頃に見られる半円形の月の形だという説があるようです。
本当はどうなのでしょう?
上弦の月、下弦の月の見分け方としてしばしば登場するのが
月の明暗境界の(弓に模した場合の弦の)部分が、西の空に沈むときに
地平線に対して上にあるか、下にあるかという判断です。
しかしながらこれは後世に便宜的に導入された一種の覚え方で
もともとの意味とは全く違います。
かつては月を基準とした太陰暦という暦を使っていました。
その当時、たとえば3月3日というのは、月が新月から数えて三日目であり
かならず西空には三日月が見えていました。
十五夜というのはまさに15日目であり、満月が東から上ってきます。
ですから、月そのものが暦の「月」の起源になっています。
こういった暦では、その月の前半を上、半ばを中、後半を下と言っていました。
現代で言う上旬、中旬、下旬です。
また、ちょうど上旬に当たる7日頃と、満月を過ぎた下旬に当たる21日頃には
月の形が半月形になり、いわゆる弓を張ったような形という意味で
「弦」と呼ばれることになります。
(といっても、弦という言葉はかなり古くから、それだけで半月を意味しますので
弓が先なのか、月が先なのかわかりませんが…)
いずれにしろこれらの二つが結びついて
上弦の月、下弦の月と命名されたと考えられています。
弦の上下ではなく
新月から満月の間・・・ひと月の上半期の半月を上弦
満月から新月の間・・・ひと月の下半期の半月を下弦、と覚える。
つまり…
●新月 〜 半月(上弦) 〜 満月 〜 半月(下弦) 〜 ●新月
「上弦の月」はお昼頃に昇り・日没の頃に正中・真夜中頃に沈みます。
反対に
「下弦の月」は真夜中頃に昇り・明け方頃に正中・お昼頃に沈みます。
「半月を描いて下さい」と言われたら
殆どの人は右側が膨らんだ月を描くことが多いのは何故か?
朝起きて夜寝るという普通の生活をしている人が
夕方や夜半の帰り道などに見ている半月は
必ず右半分の半月=上弦の月という訳。
月は夕方〜夜見えるもの、と思いがちですが
下弦前後の月は午前中の西空に見えることがあります。
下弦の月はやっと昇り切った頃には夜が白々と明けてくるので
滅多に拝めませんし、はっきりと眺められる時間自体も少ない。
月も自分で光を出しているわけではなく
太陽の光が当たったところだけが明るく見えているのです。
夜更かしした深夜か早起きした朝にしか見ることが出来ない下弦の月は、
二十三夜様として信仰の対象にもなっています。
青空の中に見える月・・・
夜に冴え冴えとした光を放つ月とはまた一味違う趣があります。
☆.。.:*・゜ ☆.。.:*・゜ ☆.。.:*・゜
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