2010年09月19日

十五夜・中秋の名月 

春の「花」に対して、秋は「月」。
月は秋を代表する季題として、古来、和歌や俳句にさまざまに歌われ
詠まれてきました。
単に「月」といえば、秋の月をさす、というほどです。

その秋の月の中でも、特別な月があります。
旧暦8月15日の夜、十五夜の「中秋の名月」です。
この夜の月は最も明るく美しいとされ、昔からこの夜に月見をする風習が盛んです。

今年2010年の中秋の名月は9月22日(水)

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日本に古くからある「お月見」の風習。
旧暦8月15日の「十五夜(中秋の名月)」
旧暦9月13日の「十三夜」
旧暦10月10日の「十日夜(とおかんや)」のことを「三月見」といって
三夜とも空が晴れてお月見ができると縁起がいいとされています。

今年は
十五夜が9月22日、十三夜が10月20日、十日夜が11月15日です。

古来より日本人は月を愛でてきましたが
やはり満月が一番美しいものとされていました。
その中でも中秋の時期は空気が澄んでいて最も美しい満月が見れるということで
平安時代初期に、月を見ながら宴会をする風習ができたのです。

これは観月宴や月の宴と呼ばれ、当時は月を愛でながら即興で和歌を詠み
その出来をみんなで評価しあって酒を飲んで楽しみました。
この行事が定着し始めると、月の見えるところにすすきを飾り
月見団子、里芋、枝豆などを盛り、御神酒を供えるようになりました。

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中秋の名月とは、旧暦8月15日の夜の月のこと。
旧暦の1カ月は月の満ち欠けの周期によって決められていて
29日か30日で数えられています。
理論上、もっとも遅い十五夜は10月8日、もっとも早い十五夜は9月7日。
来年の2011年は9月12日、その次の2012年は9月30日です。

この日の月は必ずしも満月とは限りません。
むしろ満月であることの方が少ないのです。
これは月と地球の公転軌道の関係で、新月から満月までの日数が
15日とは限らないために起こります。
今年は、中秋の名月より1日遅れて9月23日が満月です。
ちなみに来年2011年から2013年までの3年間は「満月」が拝めます。

日本では古来より太陰暦を利用していましたが
1872年(明治5年)に太陽暦に改暦されて以来
中秋の名月が毎年変化しています。
それまでの太陰太陽暦がある約束事によって
32〜35ヶ月ごとに閏月を加えて一年を13ヶ月としなければならなかった為
現行暦では中秋は早い年で9月上旬から、遅い年では10月まで
ずれ込むことになります。その為、お月見は毎年ずれるのです。


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中秋の名月には様々な名称で呼ばれていました。

今宵の月 
「今日の月」とも呼ばれていますが、しばしばこの言葉は中秋の名月を指します。
望月夜   
満月ということですが、やはり特に中秋の名月を指します。
三五の月 
3×5=15で、十五夜。日本人はこういった言葉遊びが好きだったようです。

十五夜の次の夜の月は「十六夜月(いざよいづき)」
月の出が十五夜よりやや遅くなるのを”月がためらっている”として
付けられた呼び名だそうです。(「いざよう」から)

その次の夜は「立待月」。
そして、「居待月」→「臥待月」(「寝待月」)→「更待月」と続きます。
満月を過ぎると、毎夜、次第に月の出る時間が遅くなっていきます。
「立って待っている間に出る月」→「座って待つうちに出る月」
→「月の出るのが遅いので寝て待つ」→ついに夜更けに! という意味の呼び名です。

他にも「名高き月」や「端正の月」とも呼ばれていたようです。
また天候によっても呼び名があり
雲が厚く完璧に見えない場合は「無月」
そして更に雨も降っている場合は「雨月」と言い
その場合は「十六夜」や「十七夜」に期待を掛けました。

その後、鎌倉時代から江戸時代にかけても、宮中では月見の宴が催されていました。
こうしたことから、『源氏物語』に出てくる須磨、明石をはじめ
住吉、難波、信濃の姥捨山、近江石山寺など、歌や俳句によく詠まれる
月の名所が生まれました。
江戸時代になると、江戸のような都市部では
次第に行楽的な意味合いが強くなっていきました。
舟を出したり、小高い丘や海岸のいわゆる月見の名所に集まり
月見を楽しむようになりました。

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庶民の間では、中秋の名月は月に秋の収穫物を供えて五穀豊穣を祝い
実りに感謝する祭りとして発達しました。
8月15日は名月を観賞するだけでなく、別の重要な意味を持つ日でもあったのです。
観月の風習が中国よりもたらされる前から、日本人はこの日の月を大切にしていました。

古来より、日本人は月の満ち欠けによって月日を知り、農作業を進めたり
祭事を行ったりしてきました。月は生活に深く関わっていたのです。
満月の夜は特に重要で、祭りをする大切な節目の日でした。

そしてその中でも、陰暦8月の満月の日は、これから始まる収穫期を前にして
収穫を感謝する「初穂祭」としての意味合いがありました。
この日には、縁側や屋外に設えた台の上に、ススキの穂や
昔は芋の葉にのせて団子や柿、栗、里芋、枝豆などを供えました。

ススキはイネ科の多年草ですが、ススキという言葉はまた
稲積(田んぼにワラを積み重ねたもの)、祭りの山車などのことで
いずれも神を祭るという意味が込められているそうです。
十五夜に飾るススキは、稲穂の代わりと考えられていました。

月見の風習いろいろ

最近は月見といっても、お店で買ったススキと月見団子をお供えするだけの
家庭が多い様ですが、数十年前までは各地で様々な行事が行なわれていました。

● 十五夜のお供え物として全国的に見られるのが、サトイモ等の芋類。
これは、中秋の名月がサトイモの収穫祭の性格を持つことを示しています。

● ススキも全国でお供えされています。
供えたススキを家の軒に吊るしておくと一年間病気をしないという
言い伝えが全国に分布しています。

● 南九州や沖縄などでは、十五夜に綱引きをする風習があります。

● 日本版ハロウィンとも言うべき「お月見どろぼう」という風習が全国にあります。
家々では軒先や玄関に月見団子を縁側にお供えし
それを子どもたちが盗み食いするのです。もちろん本当のどろぼうではなく
各家庭ではあらかじめ玄関先などにお団子を置いておくわけです。
団子は多く盗まれた方が縁起がよいとされました。
最近では、子どもたちにお菓子を配るような場合もあるようです。

● お供えする月見団子の個数は、その年の旧暦の月数というのが一般的で
平年は12個、閏月のある年は13個お供えします。

その他、月見の風習は地域によってかなり異なりますし
またそれぞれには意味もあったようです。
とはいっても、都会を中心にこれらの風習も消える傾向にあり
あまり見かけることも無くなってきました。


涼しい風が心地よく、空気も澄んできて
夜空の月の輝きが美しい季節です。
たとえ何の準備がなくても
美しいこの季節の月を眺めてみませんか・・・

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十五夜の晩に月の宴…秋の実りに感謝して


pin4 月時館 Tsukijikan* 関連記事

秋の夜長に月を見上げて 
観月の夕べ 
三見月 (十五夜、十三夜、十日夜) 


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全国各地で、さまざまな中秋の名月に関する行事、イベント等が行われることでしょう。
そういったものに出かけてみるのも、また一興です。

pin4 

お月見特集2010 
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Posted by sara1116 at 15:13│Comments(3)TrackBack(0)clip!月の行事


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この記事へのコメント
5
ハイサイ〜ジョージです!久しぶりです。
やっと北陸の残暑も和らいで来たこの時期、主役は、やはり《月》
そうですね〜中秋の名月が・・・先人みたいに和歌を即興で詠み合う事が出来れば・・・
なんて、ロマンチックだろう?そう考えながら夜空を仰いでる吾輩です。
22日の名月は、金沢に大好きな『上妻』さんの公演があるんで、秋の夜長、津軽三味線の音色に酔ってみたいと想います。
いつもながら、心の勉強になるこの部屋、頑張って下さい!
Posted by ジョージ at 2010年09月20日 21:39
ジョージさん お久しぶりです。
今年の夏は本当に暑い日が多かったですね。

中秋の名月に歌を詠むのも良いですが
大好きな音色に酔いながら過ごせるとは、何とも素敵な時間♪
羨ましいです。
秋の名月と津軽三味線…和の粋な競演が楽しめそうですね。
Posted by 沙羅 at 2010年09月21日 16:36
5
そうなんですよ〜『和の饗宴』楽しみです。
が?しかし今夜の北陸地方の天気は・・・雲のち雨・・・(>_<)
おまけにゲリラ豪雨に注意?(T_T)
どうにか雲の隙間から顔が観れると良いのですが、
上妻宏光さんの素晴らしいところは、2008年から、日本の伝統楽器、民謡の魅力を伝えるため、
ボランティアで全国の小学校を回っています(素晴らしい)
わたくしジョージは沖縄生まれの島人!
琉球三線を独学で勉強してる身としまして、上妻さんに共感します。
遠い昔、中国から琉球に伝わり、そして日本(本土)へ伝わった三線、
青森で津軽三味線になりました。おそらく北陸地方の北前船に乗って伝わったと吾輩は想います。
Posted by ジョージ at 2010年09月22日 05:09