2011年11月17日

月を読む 

日本人は昔から月に合わせた暮らしを送ってきました。
旧暦や月齢など月のリズムをベースとした
生活リズムの捉え方が広まったのも、その表れのひとつです。
暦を読むことを「月を読む」とした日本人。自然から、知恵を読む。


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月・・・
遙かな昔から、私たちは月を見上げてきました。
満ち欠けに移りゆく時を感じたり、柔らかな光に洗われて、ちょっと感傷に浸ったり・・・
万葉の歌人、柿本人麻呂の秀歌・・・
天の海に、雲の波立ち 月の船、星の林に漕ぎ隠る見ゆ
私たちの暮らしに深く係わってきた月・・・
地球がずっと若かった頃、小さな星が衝突し、地球のかけらが切り離されました。
それが月・・・目には見えない引力が、月をいまの場所に引きとどめたのです。
だからでしょうか、月は不思議なチカラを地球に及ぼしています。
私たちの暮らしは、意外なほど、月と深く関わっています。
月を読むことは、自然のリズムと息を合わせること。
灯りを消して、月を探してみませんか。
 
横浜、本牧・・・ 三渓園は、生糸貿易で成功した実業家
原三渓が私財を投じた庭園です。
古い建築物を移築し明治39年から一般公開してきました。
三渓園の一隅に、風情溢れる料亭がありました。
例年、ここ隣花苑では、十五夜のお月見を行っています。
満月を愛でるお月見・・・
今年の十五夜は9月12日でした。
去年は9月22日、おととしは10月3日。
そもそも十五夜は、旧暦、8月15日の夜だったことをご存知ですか。
 
古くは、日本では月の満ち欠けを元にした暦、旧暦が使われていました。
ソレを、明治の初め、太陽の動きに基づく新暦に変えたのです。
その結果、満月の十五夜が毎年ずれてゆくコトになりました。
年賀状に春という言葉を書き添えるのも旧暦の名残・・・
 
隣花苑では、お月見の飾り付けが始まりました。
昔ながらのお団子は、直径10センチあまり。
十五夜だから15個です。
お月見に欠かせないのがススキ。
さらに、蓮池からは枯れたハスを切り出します。
ヤレハスと言われ、ススキと一緒に活けるのが流儀とか観月のしつらい・・・
これで準備は整いました。
 
月光写真家、石川賢治さん・・・  
1984年、広告写真の仕事でサイパンにいたとき石川さんは満月の夜に遭遇しました。
ソレが全ての始まりです。
遊び半分で撮った夜景に衝撃を受けました。
フィルムには、深いブルーのグラデーションが刻まれたのです。
取り憑かれたように月光写真を撮り続け11年前から
「月光浴」と題された一連の写真集を発表してきました。
石川さんの作品は、写真界のみならず、多くの人々の注目を集めています。
この日選んだ被写体は、ひまわり畑でした。
燦燦と降り注ぐ陽射しを浴びて満開を迎えたひまわりたち・・・
満月の光に晒されたとき、彼らがどんな表情を見せるのか。
石川さんにとっても初めての試みです。
太陽が沈むのは、もうそろそろ・・・
石川さんが使う機材は、すでにクラシックカメラの仲間入りをした、フィルムカメラです。
当然、ピント合わせは手探りあまりに暗いので、露出計など使い物になりませんが
経験から編み出した方法があるそうです。
やがて空には、まん丸の月。
満月の夜は生きとし生けるもの全てから、得も言われぬエネルギーが
あふれ出すと石川さんは言います。
ひまわりの、昼間は見せない別の顔・・・
私たちが知らなかった、ひそかな命の輝きです。

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神奈川県葉山町・・・
月の引力が最も強くなる満月と新月のとき、屋外でヨガを行うと
その効果は最も高まる・・・というのです。
海が大潮になるように、月のパワーが地上のものを引き上げようとするのだとか・・・
月光浴とヨガの合わせ技・・・
もし日常にちょっぴり疲れていたら、こんなリフレッシュも、悪くないかも知れません。
 
長野県大町市、美麻(みあさ)・・・
木工作家、柏木圭(けい)さん。
東京造形大学を卒業後、家具のデザインと制作を手がけてきました。
柏木さんは、自ら山に入りますこの時期に切り出した木は普段より水分が少なく
乾燥させるとデンプン質がフェノール成分に変わって、虫やカビなどもつきにくくなるそうです。
ドイツ、フランクフルトで開かれた、「現代日本の意匠」展でも
柏木さんの作品群は高く評価されました。
工房の工具類も多くが柏木さんの自作です。
一日に仕上げられる箸入れは、どんなに頑張っても、7つが限度だとか。
新月の魔法をかけられた道具・・・
そう思うだけで、日々の暮らしが、豊かさを増すような気がします。

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美しい風景に昇る月・・・
遠く富士山を望み、間近に芦ノ湖を見下ろす箱根には
月の眺めをなによりも大切にする宿がありました。
部屋の名前や室内にも、随所に月がありました。
それにしても、いったいなぜ、これほど月にこだわるのでしょう。
食材は、様々な月の器に盛りつけられて、目を楽しませてくれます。
食事のあとは、貸し切りのお風呂。
地下深くから組み上げた天然水の湯船で、ゆったりと疲れを癒したら・・・
夜風に涼みながら、優しげな月を眺めます。
 
月・・・それは私たちを見守る、地球の分身です。
カタチを愛でる、光を浴びる、そして読む・・・ 
きっと月は今夜も囁きかけています。
物語を・・・あなたに。



 
BS 朝日 「エコの作法」
 「読む×月」 より抜粋

 Night Sea


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Posted by sara1116 at 13:10│Comments(0)TrackBack(0)clip!月の癒し


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