2012年09月21日

秋の三日月と春の三日月 

オリンピックに沸いた夏が終わり
この秋は少し落ち着きを取り戻したひと時になりそうです。
流星群や金星食といった派手で目を引く現象が終わり
秋を感じる夜空は静かな雰囲気が広がっています。

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もちろん、静かな中にも美しい天体や面白い現象はたくさんあります。
明けの明星は今月も夜明け空でまぶしく輝いて
朝の清涼感をいっそう引き立ててくれますし
月末30日には中秋の名月が青白く夜空を照らして
秋の空気の透明感を演出してくれます。
夏の大三角や秋の四辺形といった
大きくわかりやすい目印を空に見つければ
そこからさまざまな星の名前を知ったり
星座の形をたどったりできるでしょう。

9月
20日(木)   夕方、細い月と火星が並ぶ(前日とは並び方が変わります)
21日(金)   夕方〜宵、月とアンタレスが接近
22日(土)   秋分の日
23日(日) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
30日(日) 満月。次の満月は10月30日です

三日月地球照

◇秋の三日月と春の三日月

季節によって、欠けた月の傾きは違いがあります。
秋に見える三日月は、縦に立った様に見えています。
春の月は寝そべっている様に見えるので
かなり違っています。
同じ三日月でも,地平線に対する傾き方が
季節や緯度によって異ります。

太陽と月、地球の位置関係や軌道の違いによるものです。
例えば春の三日月は傾きが大きく寝たような状態で
秋の三日月は傾きが小さく立った状態になります。
古人は「春三日月にはお酒がよく入り
秋三日月ではお酒がこぼれる」などと興じていました。

太陽は春分や秋分の頃ほぼ真西に沈みますが
月は春と秋で異なる軌道を描いて沈んでいきます。
そのため、西の空にある太陽から
月が照らされる角度も違ってくるのです。

春の三日月は太陽よりも高い空を通り、地面に対して
垂直に近い角度で西に沈んでいくため
月は下側を太陽に照らされて三日月は寝て見えます。
一方、秋の三日月は太陽よりやや低い空を通り
地面に対して小さい角度で移動しながら沈んでいきます。
そのため月は太陽の光を横から浴び
三日月は立った形になるのです。
 
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春の三日月は、西から少し北寄りのところに見え
水面にうかぶ船のような「寝た形」をしています。
それに対して秋の三日月は西から南によったところで
「立った形」をしています。

この原因は主に太陽の通り道
(月もほぼ太陽と同じ道を通ります)である黄道と
地球の赤道との傾きが原因です。 

1つは「白道(はくどう)」
(星空の中を移動する月の見かけの通り道)の位置が季節ごとに変わること
2つは太陽が星空の中を1年かけて1周するのに見えるのに対して
月は約29.5日で一周することによります。(つまり日によっても高度が異なります) 
春のころは秋に比べて日が沈んだ後でも長い間「三日月」を見ることができます。
(その差は2時間もあるそうです)

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月光天文台

同じように赤道に近いところでは「寝た形」
極に近いところでは「立った形」に見えます。
さらに南半球に行くと、今度は左側の部分が輝く逆さまの三日月になります。

春の三日月は太陽のやや左上方に位置し
南中高度は高くなります。          
秋の三日月は太陽の左方に並ぶように位置するため
南中高度は比較的低くなります。
※南中高度:天体が真南に来たとき(南中)の高度。
太陽・月・惑星などは、地平線からの高度がこのとき最も高くなります。 

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月の欠け際を結んだ線はほぼ黄道と直角になりますから
月のある場所の黄道が地平線とどのような角度で
交差しているかを計算すれば、月の傾きのおよその状態が
計算出来るとの事。

昔は三日月や二十六夜月(または二十七夜月)を
拝む風習がありましたので、こうした月の傾きまで求めて
その傾きを示した暦まで作られていたことがあります。
今と違い、月に対する関心が強かったため
三日月の傾きの違いまで気になったのでしょうか。
今は、なかなかそこまで気が付くことはありませんね。
月に興味がある方は、季節ごとに月を眺めて
この傾きの違いを実際に確かめてみてはいかがでしょうか。 

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また、秋といえばお月見も忘れずに。

秋といえば十五夜、中秋の名月です。
「中秋」という言葉はこの一語だけで
「(いわゆる)旧暦の8月15日」を指しており
これが現在の暦で何月何日にあたるかというのは
地球、太陽、月の位置関係(月齢など)によって毎年変わります。
今年の場合は9月30日で、やや遅めです。

また、十五夜の名月は満月に決まっているように思えますが
これも月の運動の影響などで満月にならないこともあります。
とはいっても、せいぜい1日2日ずれる程度なので
「だいたい満月」と言っても間違いではありません。
今年と来年は満月ですが、2014年の十五夜は
満月になる日の1日前になります。

東京で21時頃ですと、東南東の空の中ほどに見えます。
2012年9月の満月は9月30日12時19分に起こりますから
昨年に続いて今年も満月の中秋の名月になります。
また来年も、中秋の名月と満月が同じ日に起こりますが
2014年からは7年間にわたって、少しだけ欠けた中秋の名月となります。 

普段、星空を見るにはまぶしすぎるために
月(とくに満月)はないほうが嬉しいものですが
たまには月の光を存分に浴びてみるのもいいかもしれませんね。
今年は、アポロ17号の月面着陸から40年
つまり人類が最後に地球以外の天体に降り立ってから40年です。
次に人類が月に行くのはいつの日か、そのとき人は
月面の模様のどこに着陸するのか
そんなことも想像しながら、丸く明るい名月をお楽しみください。

●中秋の名月に関する記事は、後日アップする予定です。 

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「秋風に たなびく雲のたえ間より もれいづる 月のかげのさやけさ」  
左京大夫顕輔
秋風が吹いて、たなびく雲の切れ目から
射しこぼれてくる月の光の、その清らかで鮮明なことよ 



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Posted by sara1116 at 14:52│Comments(0)clip!月の満ち欠け