一年でもっとも夜が長い時期がやってきました。
日が短く寒いのはつらいですが、星空を一番長く楽しめるのは嬉しいところです。
夕空には宵の明星の金星が西の空に見え、その金星が沈むころには
東の空に木星や冬の星座たちが登場します。
町のイルミネーションにも引けを取らない、美しい星々を見上げてみてください。
2013年12月 天体情報と月見暦
6日 三日月と金星が並ぶ。
太陽が沈むと、南東の空に目を引く星が宵の明星、金星です。
7日には最大光度、−4.7等級となり、最も明るく見える日。
7日には最大光度、−4.7等級となり、最も明るく見える日。
5日、6日の日の入り後には
細い月が金星の近くで輝き、美しい光景となります。 12月7日は金星が最も明るく見える日です。
夕方、空を見上げると肉眼でも確認できるくらいの眩い輝きを放ちます。
14日には三大流星群の一つ、ふたご座流星群が極大を迎えます。晴れていれば青空の中にも探し出せるかもしれません。
毎年安定した活動を示すのですが、今年は残念ながら月明かりがあります。
月から離れた場所を見て、流れ星を探して下さい。
流れ星が見える可能性があります。
12月22日こぐま座流星群が極大。
明るくゆっくり流れるのが特徴で 、比較的小規模で気まぐれな流星群です。
2013年は下弦前の月光があり観測条件としてはあまり良くありませんが
夜半前の23時頃が見ごろです。 夕方、南西の空に金星が輝きます。
視界が開けた場所では夏ごろから目立っていましたが
12月下旬には太陽との見かけの角度が小さくなり見つけにくくなってしまいます。
夜の早いうちは西の空に夏の大三角が見えます。
夏の大三角が沈むころ、東の空からは冬の大三角が昇ってきます。
冬の大三角の一つ、おおいぬ座のシリウスは
全天で一番明るく見える恒星ですが、今年はふたご座にある
木星に目を奪われがちです。
木星に目を奪われがちです。
マイナス1.5等級のシリウスに対して、木星はマイナス2.7等級で
街の中であっても十分に確認できます。
101cm望遠鏡でも20時前後から木星を見ることができ、表面の縞模様が見えます。
今年のふたご座流星群は残念ながら月が明るく、観察条件としてはよくありません。
しかし快晴で透明度がよければ、一時間に数個〜10個程度の流れ星が見える可能性があります。
2013年12月の天文現象
12月01日(日)18:55 月が土星の南01゚15.8'を通る
12月02日(月)05:29 水星(-0.6等)の食(東京:明縁から潜入、高度1゚)
12月02日(月)07:26 月が水星の南00゚25.8'を通る
12月03日(火)09:22 新月
12月04日(水)01:35 月が最南(赤緯-19゚33.2')
12月04日(水)19:09 月の距離が最近(0.937、36万0067km、視直径33.2')
12月06日(金)09:03 月が金星の北07゚40.0'を通る
12月07日(土)08:09 大雪(太陽黄経255゚)
12月07日(土)10:52 金星が最大光度(光度-4.7等、視直径41.1")
12月08日(日)00:41 月と小惑星ジュノーが最接近(03゚23.1')
12月09日(月)01:45 月が海王星の北05゚38.5'を通る
12月10日(火)00:12 上弦
12月10日(火)06:43 月が赤道通過、北半球へ
12月10日(火)20:50 木星とふたご座δ星ワサト(3.5等)が接近(00゚14.9')
12月11日(水)16:09 月が天王星の北03゚20.0'を通る
12月14日(土)14:xx ふたご座流星群が極大(出現期間12月5日〜12月20日)
12月17日(火)09:57 月が最北(赤緯+19゚34.2')
12月17日(火)18:28 満月
12月18日(水)10:34 天王星が留(赤経00h32.7m)
12月19日(木)XX:xx 月と木星が並ぶ
12月19日(木)16:20 月が木星の南04゚58.8'を通る
12月20日(金)08:48 月の距離が最遠(1.057、40万6268km、視直径29.4')
12月21日(土)04:38 金星が留(赤経20h04.5m)
12月22日(日)02:11 冬至(太陽黄経270゚、東京日出:06時47分、日入:16時32分)
12月22日(日)23:xx こぐま座流星群が極大(出現期間12月18日〜12月24日)
12月24日(火)23:21 月が赤道通過、南半球へ
12月25日(水)22:48 下弦
12月26日(木)11:46 月が火星の南04゚38.6'を通る
12月29日(日)XX:xx 細い月と土星が接近
12月29日(日)07:16 水星と太陽が最接近(01゚40.8')
12月29日(日)10:24 月が土星の南00゚55.2'を通る
12月29日(日)11:30 水星が外合(太陽の南01゚41.0'、光度-1.2等、視直径04.7")
12月29日(日)11:53 天王星が東矩(うお座、光度5.8等、視直径03.5")
12月31日(火)13:47 月が最南(赤緯-19゚32.2')
◆アイソン彗星
アイソン彗星は、11月13日頃に1等級(明るさが約2.5倍)ほど増光し
どうにか肉眼でも見える明るさになりました。その後も順調に増光を続け
11月23日には2等級まで明るくなっていました。しかし翌日の11月24日早朝は
前日よりも見え方が弱々しくなり、太陽から無事に生還できるか心配されていました。
11月29日の近日点通過の際は、アイソン彗星が崩壊・消滅したという報道がありました。
当時は彗星らしき姿が写っていましたが、核は崩壊しており
破片や気化した物質が見えているだけとのことです。
今後夜明け前に姿を見せてくれるといいのですが、拡散して天の川よりも淡くなった姿を
肉眼で確認するのは難しそうです。
11月29日の太陽最接近の様子をとらえた太陽観測衛星の画像から
熱や潮汐力の影響で核がほぼ消滅したとみられる
今後肉眼で明るく見える大彗星として現われる可能性はなくなった。
近日点通過直後には分裂した破片または塵らしき集合体となって
移動していく様子が見られたが、彗星活動の兆候はない(国立天文台)。
◆ラブジョイ彗星
2013年9月に発見されたラブジョイ彗星(C/2013 R1)が
先月に引き続き12月も明け方の空に見えています。
明るさは4等級ほどと予想されている。双眼鏡で探してみましょう。
ラブジョイ彗星といえば、2011年12月に太陽へ大接近し
その後、南半球で立派な尾が見られたラブジョイ彗星
(C/2011 W3)を思い出しますが、今回は、これとは別ものです。
ラブジョイ彗星はオーストラリアのラブジョイさんが
2013年9月7日に14.4等で発見した新しい彗星です。
11月後半から12月前半にかけて4等台から5等台で観測でき
双眼鏡なら確実に観測することができます。
うまくすれば肉眼でも存在を確認できるかもしれません。
12月5日
ひと頃と比べてラブジョイ彗星の動きがずいぶんと緩やかになりました。
3日前と比べると位置が少し下がり、うしかい座が作る「のし」の左側先端に位置する
3.5等星(β星)から少し下側に位置しています。β星を目印にして
視野を下へ移動すれば、比較的簡単に見つけられるでしょう。
http://homepage2.nifty.com/turupura/comet/2013lovejoy/menu.html
http://www.stargaze.co.jp/news/C2012S1.html#latest
◆12月7日 金星が最大光度(-4.7等)
http://www.stargaze.co.jp/news/C2012S1.html#latest
◆宵の明星・金星が最大光度
日の入り後の南西の空で、宵の明星・金星が目をひく存在となっています。
12月5日、6日の日の入り後には、細い月が金星の近くで輝き、美しい光景となります。
金星は12月7日に最大光度となり、12月上旬はマイナス4.7等で輝きます。
その後、金星はしだいに見かけ上太陽に近づきその高度を下げ
年末近くには西の低空で輝くようになります。
◆12月7日 金星が最大光度(-4.7等)
西の夕空低く輝く金星が-4.7等級の最大光度となります。
7日前後には日中でも観測することができるでしょう。
惑星が最も明るく見える等級を「最大光度」といいます。
この時期、金星は-4.7等星の明るさで輝いていて、1等星の160倍の明るさとなります。
晴れていれば青空の中にも探し出せるかもしれません。
◆12月14日 ふたご座流星群が極大
毎年12月14日ごろに見られるふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、
8月のペルセウス座流星群と並ぶ三大流星群のひとつ。
小惑星ファエトンの通り道を毎年この時期に地球が通過し
そこに残されていたちりが地球の大気にとびこんで、上空100km前後で発光して見えます。
今年の活動のピークは14日14時ごろと予想されているので
14日から15日にかけての夜が見ごろ。
流れ星の中心となるふたご座は、木星をともなって宵のころに現れる。
月齢12の月があり条件はあまりよくないが、その反対の方向を中心に
空を広く見わたしてみましょう。防寒の準備を万全に。
【1時間に約50個。観察条件:良くない】
三大流星群のひとつです。
12月の上旬から出現し始め中旬に入って流星数が増加しますが
極大日(流星群が活動する期間中で最も多く流星が現れる日)を過ぎると
急に減る傾向にあります。
ふたご座を中心に四方八方に流れますが、空全体を見るとよいでしょう。
やや速い流星が多いのが特徴です。2013年は、満月前の月明かりが邪魔をします。
◆12月19日 月と木星が並ぶ
12月19日から翌20日にかけての夜、マイナス3等級で輝く木星と月齢16の月が並ぶ。
木星は宵のころ南東の空に見え、一晩中見やすい時期。
◆12月22日 こぐま座流星群が極大
12月22日の23時ごろ、こぐま座流星群の活動がピークに。
タットル彗星の通り道を毎年この時期に地球が通過し、そこに残されていたちりが
地球の大気にとびこんで、上空100km前後で発光して見えます。
北極星を含むこぐま座の背中のあたりにある放射点から、1時間あたり
数個程度の流星が見られる小規模な流星群。ただし、時に突発的に出現することも。
深夜には月齢20の月が昇ってくるので、あまり期待しすぎず
◆12月29日 細い月と土星が接近
12月29日の明け方、月齢26の細い月と土星がすぐそばに寄りそって南東の空に現れます。
空の高いところには左(北)側にうしかい座のアルクトゥールス、右(西)側に火星があり
2つの赤っぽい星とちょうど正三角形になる位置にあります。
火星の下にはおとめ座のスピカが見えています。
色とりどりの星が輝く冬の星空。
その中で圧倒的に目立っているのは「ふたご座」にある木星です。
南の空の高いところで光る姿は、星空を支配しているようにも感じられます。
このほかにも「冬の大三角」や「オリオン座」、東の空から上ってきた火星など
見どころがいっぱいです。
夜明けが近づくと、ラブジョイ彗星や土星も見えるようになります。
寒さ対策を万全にして星空観察を楽しみましょう。
この空の様子は、ちょうど新年を迎えるころ・・・
つまり2014年1月1日の0時とほぼ同じです。
除夜の鐘を聞きながら夜空を見上げれば、こんな星々が見えるというわけです。
2014年も美しい星空や素敵な天文現象に出会えるよう願いながら
よい新年をお迎えください。
12月10日:上弦の月(真昼月がのぼり、真夜中に沈みます)
12月14日:「ふたご座流星群」の流れ星があらわれます
12月17日:満月(夕方に月がのぼり、明け方に沈みます)
12月19日:月が「木星」とならびます
12月22日:冬至の日
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