2015年03月01日

2015年3月☆星空情報と月見暦 

pinmppnb2015年3月の星空情報

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3月は冬と春が同居する季節。
春の足音は聞こえるのですが、まだ遠くて小さな足音です。
それでも日を追うごとに、少しずつですが大きくなってくるような気がします。
夜空の方も同じで、3月は冬の星座と春の星座の入れ替えの季節です。
まだまだ気温も低くて寒いのですが、少しだけ春の気配を
空の方から感じてみることにしましょう。

宵の西空で金星は5日、火星は12日、相次いで天王星の北に大接近。
しかし薄明の中、6等級の天王星を確認・記録すえるのは困難。
20日に北欧で皆既日食となりますが、日本からは見られません。
皆既となるのはノルウェー海などで、ノルウェーとアイスランドの間の
フェロー諸島(デンマーク)やスバーバル諸島(ノルウェー)を
皆既食帯が通過するため、観測候補地となっています。
6日の満月は、今年13回ある満月の中で最小。
21日は春分で、いよいよ太陽が天球の北半球へと昇ってきます。

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3月上旬、日の入り後の西の空で金星、火星、天王星が並びます
金星と火星は肉眼で見えますが、天王星を見るには双眼鏡が必要。
日々位置が変わるのを確かめてみましょう。

 【3月中旬夜8時頃の星空】
3月星図カラー
 

37

3月13日の未明から明け方、南東の空で月齢22の月と土星が接近します。
その下に輝くさそり座のアンタレスと三角形に並んで見えます。

313

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pin43月の主な天文カレンダー

3日(火)  
夕方〜深夜、月と木星(-2.5等星)が並んで輝く

3月3日は木星に月が近づきます。
月と木星が最も近づくのは14時ごろですが、このときでも
間隔が5.7度開いています。21時ごろですと、間隔は6.7度と
さらに開いてしまいます。両天体は3月30日にも近づきますから
一ヶ月の間に二度近づくことになります。

3-3

木星が、かに座で明るく輝いています。
3月3日、この木星に月齢12.5の明るい月が近づきます。
しし座の1等星レグルスさえ月明かりの影響で目立たなくなりますが
マイナス2.5等の木星の輝きは月明かりに負けず目立っていることでしょう。

4日(水)  
このころ、夕方に金星と天王星が大接近
夕方〜翌5日明け方、月とレグルスが接近

3月4日は金星と天王星が0.1度まで大接近して
超がつくニアミスとなります。今年は1月20日に火星と海王星が
0.2度まで近づいて話題になりましたが
今回は金星と天王星という組み合わせです。
最も近づくのは3月5日の4時ごろですが、日本から観測することはできません。
実際に見られるのは3月4日の夕方となります。

3月4日の19時ごろですと、金星と天王星の間隔は0.4度強まで開いています。
暗くて普段はあまり目にすることがない天王星ですが
この日は近くに金星があるから大丈夫。双眼鏡を使って
金星を視野に入れただけで、すぐ左上に6等級で光る天王星が見つかるでしょう。
難点をいえば金星が明るすぎて、光が邪魔になることです。
天体望遠鏡で100倍くらいの倍率をかけても、両惑星は同一視野におさまります。
天体望遠鏡を通して見た天王星は、独特の青緑色をしていますので確認してください。

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宵の明星 金星の近くに天王星が並んで見えます。
天王星は5.9等ですので、双眼鏡や低倍率の望遠鏡で観察してみてください。
同一視野に捉えることができるでしょう。
この頃の金星は高度が高く、ビルの多い都会でも観測することが可能です。 

6日(金)
6時56分 啓蟄(太陽の黄経が345°になる)
3時5分 満月。次の満月は4月4日(皆既月食)です
今年最小の満月

近年、大きな満月が見られるときはスーパームーンといって話題になります。
しかし3月6日はその逆で、2015年で最も小さな満月となります。
月の大きさが変わって見えるのは、もちろん月の公転軌道が円軌道ではなく
地球の中心と月の中心の距離が変化するからです。
月が近くにあると大きく見えますが、遠くにあると小さく見える理屈は
おわかりいただけるでしょう。
しかしそれだけではありません。月から見て日本(あなた)が
地球の表側にある時と、裏側にある時とでは、月との距離が当然違います。
時刻が進むと地球は自転しますから、あなたと月の距離はたえず変化しているのです。

満月となる日に時刻を21時に固定し、この辺りを考慮に入れたうえで
東京と月の距離を計算してみたところ、最も遠くなって
小さな満月となるのは3月6日というわけです。
反対に、今年最も距離が近くなる満月(スーパームーン)は9月28日です。

7日(土)  
夕方、金星と火星の間に天王星が並ぶ

8日(日)  
深夜〜翌9日明け方、月とスピカが接近

11日(水)  
このころ、夕方に火星と天王星が大接近

13日(金)  

今月も月と土星が近づいて斜めに並びます。
しかし先月2.4度まで近づいたのと比べると今月は少し間隔が開いています。
3月13日1時ごろ、南東の空。両天体が最も近づくのは12日の17時台ですが
このときはまだ地平線下にあります。
それから8時間あまりが経過すると、間隔が5度まで広がってしまいます。
時間がたつほどさらに間隔が広がっていきますから
13日に日付が変わったらなるべく早い時刻に見られた方がよいでしょう。

14日(土)
2時48分 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える)

15日(日)
土星が留

20日(金)
新月(下弦〜新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
北大西洋方面で皆既日食。日本からは見られません

21日(土)  
7時45分 春分(太陽の黄経が0°になる)
このころから、木星と「かに座」のプレセペ星団が並んで見える

22日(日)  

3月22日の夕方は、金星と火星の間に
月齢2.0という細い月が割り込んで、緩やかに並びます。
先月2月21日にこの組み合わせで接近がありましたが
先月よりも間隔は広い目です。
19時ごろ、東京から見た西空。空が完全に暗くなるにはあと20分ほど必要です。
月齢は2.0と非常に細いもので、下側が光っています。
金星と月は肉眼で見えますが、火星は高度が6.8度と低いうえに
1.4等の明るさですから、少し見づらいかもしれません。
月と火星の間隔は5.8度、月と金星の間隔は7.7度と広くなっています。
翌日になると、月は金星よりも左上の方へ移動します。
両天体の間隔は7.0度と相変わらず広いですが
23日もご覧になられてはいかがでしょうか。

20150322

23日(月)  

宵の明星・金星が日の入り後の西の空に明るく輝きとても目立っています。
3月22日には月齢2.0の、23日には月齢3.0の細い月が金星の近くに輝き
宵の空をより一層美しく彩ります。西の空が開けた場所では
低空に光る赤い色の火星も見つけられるかもしれません。

3-23

25日(水)  
夕方〜宵、月とアルデバランが大接近

3月25日の夜、月とアルデバランが接近します。
今年2015年はアルデバランが月に隠されるアルデバラン食が起こりますが
今回はその前哨戦といえるものです。
20時ごろ、西空。東京では空が完全に暗くなった状態です。
月はほぼ真西にあり、半月よりもちょっぴり細い目です。
月の右下方向が光っており、アルデバランは月の下側にあります。
アルデバランといえば、おうし座でオレンジ色に輝く1等星です。
両天体が1.6度まで接近したようすを楽しんでください。

27日(金)
16時43分 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)

30日(月)  
夕方〜翌31日未明、月と木星(-2.3等星)が並んで輝く

3月30日は月と木星が近づきます。3日に続いて今月2度目の接近です。
ある恒星に対して月が一周して戻ってくる周期を恒星月といいますが
恒星月は27日7時間43分と一ヶ月よりも短いので
このようなことが起こるのは当然といえます。
21時における月と木星の間隔は6.2度と広い目で、今回も接近ファンとしては
少々不満かもしれません。しかし夏ごろまでは、間隔が5度を超えるような
広い目の接近しか起こりませんからもう少しガマンが必要なようです。

31日(火)  
夕方〜翌4月1日未明、月とレグルスが接近

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■夕空で金星・火星・天王星が集合
 
2月下旬から3月中旬ごろまで、夕方の西の空に
宵の明星の金星と火星が並んで見えています。
実はここにはもう1つ、天王星もあります。
3つの惑星が接近して見えるのは珍しいことで
ぜひ観察しておきたい現象です。

clip1

なお、4日と5日は金星と天王星が
10〜12日には火星と天王星が、それぞれ天体望遠鏡の
狭い視野で同時に見えるほどの大接近となります。
天体望遠鏡をお持ちであれば、ぜひ向けてみてください。

clip2

3惑星が空に接近して見えるとき、地球を飛び立って
遠く離れたところから太陽系を眺めてみると、地球を含めた4惑星が
だいたい真っ直ぐに並んでいることがわかります。
惑星はそれぞれの周期(金星:0.6年、火星:1.9年、天王星:84年)で
太陽の周りを公転していますから、惑星が並ぶのは
単なる偶然のことであって物理的な意味はないのですが、その偶然のおかげで
珍しい現象が見られるというわけです。西の空を眺めながら
そんなことを考えてみるのも面白いかもしれません。

■細い月と火星、金星の接近
 
金星と火星の間隔は日が進むにつれてどんどん開いていきますが
3月いっぱいは並んでいる光景を楽しめます。
22日と23日にはそこに、細い月も加わります。
1日の間で月の位置が変わったり少し太くなったりする変化にも
気をつけてみましょう。

clip3

clip3b 

3月下旬ともなれば空の透明度もやや落ち
いかにも春らしい空気を感じられるかもしれません。
また、場所によっては桜も咲き始めているでしょうか。
こうした空気や地上風景とともに、美しい夕景をぜひお楽しみください。


3月中旬の深夜1時ごろの星空です。
4月中旬の23時ごろ、5月中旬の21時ごろにも
この星空と同じ星の配置になります
(惑星は少し動きます/月が見えることもあります)。

sky-m


用語解説
極大(きょくだい)・・・条件が最もいいときのこと
矩(く)・・・地球から見て太陽と90°離れた状態
視直径(しちょっけい)・・・地上から見た星までの角度
衝(しょう)・・・地球に一番近い状態
星食(せいしょく)・・・星や惑星が月に隠れる現象
等級(とうきゅう)・・・星の明るさの単位。数字が小さいほど明るい
°(ど) ′(ふん) ″(びょう)・・・角度の単位
離角(りかく)・・・太陽から離れている角度 
 
参考サイト

 
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0387e8e6-s


pin4 2015年3月の月暦 ☾*  

    満月 *  6日 03:05
  下弦 * 14日 02:48
  新月 * 20日 18:36
  上弦 * 27日 16:43

ダウンロード
 
  満月の12カ月

3月:Worm Moon(芋虫月)
ネイティブアメリカンは、冬の終わりを迎える3月の満月に
Worm Moon(芋虫月)という名前を付けました。
雪解けの地面に見られるミミズのはった跡にちなんだ名前です。
ほかには、Chaste Moon(純潔月)、Death Moon(死月)
Crust Moon(堅雪月。
日中に雪が溶け、雪解け水が夜に凍り付いて
表面の固くなった雪を表している)
そしてSap Moon(樹液月。
カエデの樹液採取にちなんだ名前)などがあります。
 

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■今年最小の満月

3月6日未明は、今年最も小さく見える満月となります。
「スーパームーン」という言葉を聞いたことがありますか?
いつもよりも大きく見える満月のことをそう呼んだりしていますが
逆にいつもより小さく見える満月もあるのです。
こちらは特に一般的な名前はないようです。
今年の3月6日が今年最も小さく見える満月です。
月は地球の周りを回っていますが、その通り道(軌道)が円ではなく
楕円のため、地球に近づく時と離れる時があるのです。
3月6日は地球から遠い場所で満月となるので小さく見えるのです。
でも、写真で比べないとわからない程度です。
 
月は地球の周りを回っていますが(公転)、その軌道が楕円形であるため
地球と月の距離は一定ではありません。そのために月の見かけの大きさは
地球との距離が近いときには大きく、遠いときには小さく見えます。
また、月の軌道は太陽や地球などの影響を受けて変化するため
月が地球に最も近づくとき(近地点)、最も遠ざかるとき(遠地点)の
距離が毎回異なります。

3月5日16時33分、月が遠地点を通過し
3月で最も地球から遠くなります(約40万6400キロメートル)(注)。
そして、その翌日の3月6日3時5分に満月となります。
このときの月の視直径は約29.4分角で
これが今年最も小さく見える満月となります。

topics02-m

今年最も大きく見える満月は9月28日です。
この日は、午前10時46分に月が今年最も地球に近づき(約35万6900キロメートル)
そのおよそ1時間後の午前11時51分に満月となります。
このときの月の視直径は約33.5分角です。
図のように並べて大きさを比較すると
だいぶ大きさが違うことが分かるでしょう。

注:今年、月が地球から最も遠ざかるのは9月14日 20時27分(約40万6500キロメートル)

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Posted by sara1116 at 00:00│Comments(0)clip!月の暦