11月も東の空では3つの惑星「金星・木星・火星」を楽しむことができます。
3つの惑星はお互いに近い位置に昇り、夜空を賑わせます。
特に明けの明星・金星は−4等台もの明るさで輝き
また木星も約−2等と明るく、ひと目でその姿を探し当てられそうです。
火星は1等台の明るさで、金星や木星と比べて控えめに輝きます。
11月上旬は金星と火星が特に近く、4日(水)に最接近します。
また、6日(金)〜8日(日)の間は細い月が3つの惑星と近く
月と惑星のランデブーを楽しめます。
明るい星が少ないと言われる秋の宵空ですが
天頂付近には「アンドロメダ」「ペガスス」といった
星座たちの2等星が輝いています。
宵空では天頂付近に秋の四辺形(ペガススの大四辺形)が広がり
そこから北東方向にアンドロメダ座、ペルセウス座とつながっています。
さらに北天のカシオペヤ座とケフェウス座、南東のくじら座まで見つければ
神話のエチオピア王家物語に登場する星座が勢ぞろい。
明け方には東の空で金星・火星・木星が集合。
今月も明け方の東の空で3惑星が並んでにぎやかです。
上旬には火星と金星が大接近し、その2つの上に木星が見えます。
7日と8日には細い月も近づき、いっそう美しい光景となるでしょう。
夜明けが遅くなってきており、夜更かしするか早起きするか
難しいところですが、寒さ対策をしっかりとして眺めてみましょう。
■金星と火星が大接近中
■6〜8日、金星・火星・木星と細い月が集合
■金星と火星が大接近中
この秋は明け方の東の空に金星、火星、木星の3惑星が集まって見えています。
惑星が星座の中を動いていく見かけの速さはそれぞれ異なるため
3惑星の間隔は日々変化していきます。
火星と木星は10月18日ごろ、金星と木星は10月26日ごろに最接近しました。
そして残る組み合わせ、金星と火星は、11月3日ごろに最接近となります。
肉眼でももちろん楽しめますが、双眼鏡で眺めると
金星の強烈な輝きをいっそう強く感じたり火星の赤っぽい色合いが
よりはっきりと見えたりして、さらに面白いでしょう。
10月中は木星も双眼鏡の視野内に一緒に見えますが、木星のそばには
ガリレオ衛星も見えるかもしれません。よく観察してみてください。
また、金星と火星が最接近する3日ごろの間隔は
満月の見かけの直径の1.5倍くらいなので、満月がすっぽり入る程度の倍率
■6〜8日、金星・火星・木星と細い月が集合
金星と火星の大接近や木星を含めた3惑星の集合だけでも
面白い明け方の東の空ですが、6〜8日にはここに細い月が近づいてきて
さらに賑やかになります。ぜひ早起きして観察してみましょう。
何時ごろに眺めてみてもいいのですが、時刻が早すぎると天体が低く
遅すぎると空が明るくなり、見づらくなります。
日出1時間前(東京で5時ごろ)ぐらいから、空の色が変わっていく様子と
共に楽しみましょう。広く見渡すと雲の動きなどにも気付き
地球の美しさも感じられるかもしれません。
双眼鏡でクローズアップして観察するのもオススメです。
とくに、細い月の暗い側がほんのりと光る「地球照」がよく見え
惑星だけでなく月の面白さも再発見できそうです。
さらに、写真で記録を残すのも面白いでしょう。
スマートフォンの内蔵カメラやコンパクトデジタルカメラでも
手軽に写せますので、なるべく手振れを抑えるように注意して撮影してみてください。
早朝の寒さが強く感じられる季節になってきましたが
そんな寒さや眠さを我慢して見る価値のある美しい光景です。
今月も朝の天体観察を楽しんでみてはいかがでしょうか。 ■おうし座流星群
「おうし座流星群」は毎年11月上旬ごろに活動が見られる流星群です。
「おうし座南流星群」と「〜北流星群」の2つがあり
それぞれの活動時期や放射点(流れ星が飛ぶ中心となる点)は
少し異なっているのですが、本格的な流星観測でなければあまり区別されません。
このおうし座流星群は、南北両方を合わせても最大で
1時間に10個程度の流れ星しか見えない小規模な流星群です。
見晴らしがよくなかったり、月明かりや町明かりがあったりするような夜空では
1時間当たり数個ほどしか見えない可能性があります。
しかしこの流星群には、火球と呼ばれるとても明るい
流れ星の割合が高いという特徴があります。
一部の予想では、今年はその割合が例年よりもさらに高いとみられています。
当たれば大きい(明るい)とはいえ、寒い夜空の下で
イチかバチかに賭けて流れ星を待ったために
体調を崩してしまっては、元も子もありません。
「もしかしたら火球が見えるかも」と心の片隅に留めおくくらいの
気軽な気持ちで夜空を見上げてみましょう。
運が良ければ、深夜を鮮やかに彩る冬の星座の星々の間や
明け方の東の空に輝く惑星たちのそばを
見事に流れていくかもしれませんね。もし気合いを入れて眺めてみる場合には
真冬並みの身支度をしてご覧ください。時間帯は深夜から明け方にかけて
一方向だけでなく空を広く見渡すと良いでしょう。 3日(火)
下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える)
この頃、未明〜明け方に金星と火星が大接近
4日(水)
4日(水)
金星が火星の南00°41.9′を通る
5日(木)
未明〜明け方、月とレグルスが接近
6日(金)
この頃、おうし座南流星群が活動中
(出現期間10月15日〜11月30日)
7日(土)
未明〜明け方、細い月と木星が接近、火星が並ぶ
8日(日)
立冬(こよみの上で冬の始まり)
未明〜明け方、細い月と金星が接近、火星が並ぶ
10日(火)
明け方、細い月とスピカが接近
11日(水)
16:39 月が水星の北03°14.0′を通る
11日(水)
16:39 月が水星の北03°14.0′を通る
12日(木)
新月(下弦〜新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
13日(金)
この頃、おうし座北流星群が活動中
09:45 月が土星の北03°01.6′を通る
17日(火)
21:59 水星と太陽が最接近(00°14.7′)
18日(水)
しし座流星群が極大
02:34 水星が外合(太陽の南00°16.2′、-1.0等、視直径04.6″)
09:45 月が土星の北03°01.6′を通る
17日(火)
21:59 水星と太陽が最接近(00°14.7′)
18日(水)
しし座流星群が極大
02:34 水星が外合(太陽の南00°16.2′、-1.0等、視直径04.6″)
19日(木)
上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
20日(金)
11:15 月が海王星の北02°51.5′を通る
20日(金)
11:15 月が海王星の北02°51.5′を通る
21日(土)
十日夜 ( 旧暦の10/10 )
22日(日)
00:32 月が赤道通過、北半球へ
22日(日)
00:32 月が赤道通過、北半球へ
23日(月)
00:25 小雪(太陽黄経240°)
03:40 月が天王星の南00°56.7′を通る 00:25 小雪(太陽黄経240°)
24日(火)
05:07 月の距離が最近(0.944、36万2817km、視直径32.9′)
05:07 月の距離が最近(0.944、36万2817km、視直径32.9′)
10:57 水星と土星が最接近(02°41.0′)
25日(水)
21:32 水星が土星の南02°45.5′を通る
25日(水)
21:32 水星が土星の南02°45.5′を通る
26日(木)
満月 (次の満月は12月25日です)
夕方〜翌27日明け方、月とアルデバランが大接近
18:01 アルデバラン(0.9等)の食(東京:暗縁から出現、高度10°)
28日(土)
05:07 月が最北(赤緯+18°23.0′)
28日(土)
05:07 月が最北(赤緯+18°23.0′)
30日(月)
このころ、未明〜明け方に金星とスピカが接近
16:28 土星が合(太陽の北01°39.5′、0.4等、視直径15.1″) このころ、未明〜明け方に金星とスピカが接近
12月でも見えますが、そろそろ見納めですので
明るいベガを目印に探してみましょう。
真上には秋の四辺形があります。
街明かりの中では見つけにくいですが
真四角に近いため、空がやや暗い場所では意外と目立つ存在です。
秋の四辺形はペガススの四辺形とも言います。
四辺形が馬の胴体で、南西に頭、北西に前足が伸びますが
地上に対して逆さまになっているので
天馬の姿はやや想像しにくいかもしれません。
ペガススの頭の位置にある球状星団 M15 は
この時期に 101cm 望遠鏡で観望する天体の一つです。
数十万の恒星が狭い領域にびっしりと集まった様子を
●11月3日(火) 金星と火星の接近明け方東の空に、明けの明星・金星がたいへん明るく輝いています。
そして、11月上旬、このすぐ左側に見られる、オレンジ色の星が火星です。
特に3日の明け方が最も接近して見られますので、ぜひご覧ください。
見やすいのは午前5時ころです。
3日の深夜2時半頃、東の空から赤い「火星」と明るい「金星」がすぐ近くで並んで顔を出します。
その30分前には「木星」が先に昇っており
さらに真上には下弦の月が輝いています。
さらに真上には下弦の月が輝いています。
二つ並んだ金星と火星、その上には木星と月が輝き
見事な光景となることでしょう。
見事な光景となることでしょう。
●11月6日(金) おうし座南流星群
今年は月が深夜3時頃に昇ってきますので、0時〜4時頃までが見ごろです。
11月頃、長期間にわたって出現する流星群で
放射点が「すばる」に近い「おうし座北流星群(11月中旬にピーク)」と
少し南にある「おうし座南流星群(11月上旬にピーク)」に分かれています。
流星の数はあまり多くはありませんが
毎年確実に現れる流星群ですのでぜひ見て下さい。
●11月7日(土) 明け方東の空で、月と金星、火星、木星が並んで輝く
明け方東の空で、金星が明るく見えています。
そして今月は、木星も加わりにぎやかになります。
この中で金星がいちばん明るく、木星がその次に明るく見えます。
そして、6日(金)の明け方は、木星の上に、月が並んで見えるでしょう。
また、7日(土)は木星の下側に月が移動して輝きます。
月の下側に見えるのが、金星となります。
8日(日)は、月の高さが低くなり、惑星達の下側に
火星は、金星や木星に比べるとかなり暗く見えますので
注意して観察してください。天気がよければ、火星と
しし座のレグルスが見つかるかもしれません、
ただ、金星や木星ほど明るくはありませんので注意して探してください。
ところで、11月上旬は、金星、木星、火星は比較的接近して見えますが
しだいに離れていきます。
おおまかにみると、木星は日を追うごとに高さが高くなります。
火星も少しずつ高くなりますが、木星ほどは高くなりません。
●11月13日(金) おうし座北流星群
今年は一晩中月がないので流星を見るのに大変恵まれています。
流星が流れでる放射点が高くなる21時以降が見やすいでしょう。
「火球」と呼ばれる非常に明るい流星が多いのが特徴です。
放射点が「おうし座」の南と北に分かれていて
それぞれ南群、北群と呼ばれています。10月末から11月中旬くらいまで
長いスパンで観測できるのも、この「おうし座流星群」の特徴です。
一時間に流れる流星は数個ですが、たくさん見られることに期待しましょう。
●11月18日(水) しし座流星群
おうし座流星群は、放射点(流星が飛ぶ中心点)が2つあり
それぞれ北群(おうしの肩付近)、南群(おうしの胸付近)と呼ばれています。
両方とも活動期間は、10月中旬から11月下旬までほぼ同じですが
南群のピーク(極大)は11月5〜6日ごろ
北群は12〜13日ごろとなっています。
●11月18日(水) しし座流星群
今年は月もなく、良い条件で流星を観測することが出来きます。
「しし座流星群」は33年ごとに大出現し、流星雨が降ることでも知られています。
2001年には1時間あたり数千個に達する大出現を見せ
天文ファンだけでなく、多くの人を喜ばせました。
次の大出現は2032〜34年になると思われます。
しし座流星群は、しし座方向から全天に向かって流星が流れます。
このため、しし座見えていないと、流星も見えません。
このころ、しし座が昇るのは真夜中ころなので、これ以降になると見え始めます。
そして、しし座が高くなる、明け方には多くなっていきます。 次の大出現は2032〜34年になると思われます。
また、この時期は深夜2時を過ぎると東の空から
「木星」「火星」「金星」と次々に惑星が昇ってきます。
惑星たちと流星の共演も楽しみですね。 ◆参考サイト
国立天文台 | ほしぞら情報
AstroArts : 星空ガイド
Nikon | 星空案内 |
星空ガイド
つるちゃんのプラネタリウム
http://homepage2.nifty.com/turupura/index.htm
パレットおおさき
http://www.palette.furukawa.miyagi.jp/space/astro2014/◎用語解説
極大(きょくだい)・・・条件が最もいいときのこと
矩(く)・・・地球から見て太陽と90°離れた状態
視直径(しちょっけい)・・・地上から見た星までの角度
衝(しょう)・・・地球に一番近い状態
星食(せいしょく)・・・星や惑星が月に隠れる現象
等級(とうきゅう)・・・星の明るさの単位。数字が小さいほど明るい
°(ど) ′(ふん) ″(びょう)・・・角度の単位
離角(りかく)・・・太陽から離れている角度 2014年11月の月暦 ☾*
下弦 * 3日 21:24
新月 * 12日 02:47
上弦 * 19日 15:27
満月 * 26日 07:44
3月見 (十五夜、十三夜、十日夜)
・十五夜 ( 旧暦の8/15 )
・十三夜 ( 旧暦の9/13 )
・十日夜 ( 旧暦の10/10 )
2015年
十五夜 9月27日
十三夜 10月25日
十日夜 11月21日
お月見といえば十五夜が定番ですが
他にも十三夜、十日夜のお月見行事があるのをご存知でしょうか。
十三夜は聞いた事があるけど、十日夜は知らないという方も多いと思いますが
■十日夜(とおかんや)について
十日夜とは旧暦10月10日に行われる収穫祭で東日本を中心に行われています
(西日本では旧暦10月亥の子の日や11月に類似する収穫の行事を行います)。
その内容は地方によって様々ですが、稲の刈り取りが終わって
田の神様が山に帰る日とされているため、稲の収穫を祝って
お餅をついて食べたり
稲の茎をたばねた「わらづと 」や「わら鉄砲」で地面を叩きながら唱えごとをして
地面の神を励まし、作物にいたずらをするモグラを追い払います。
また「かかしあげ」といって田んぼを見守ってくれたかかしにお供えものをし
かかしにお月見をさせてあげる地方もあります。
※案山子(かかし)は田の神様。
案山子にお供えものをしてお月見をしてもらうのは
十日夜に天に帰るからという言い伝えもあるそうです。
十日夜はお月見がメインではないため、月齢に関係なく
新暦の11月10日に祭りを実施する地方が多いようですが
昔から十五夜、十三夜、十日夜の3日間が晴れてお月見ができると
月時館 Tsukijikan*
† 月の神秘と魅力に惹かれ月と戯むる †
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