日暮れ頃に東の空を眺めると冬の星が輝いています。
オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、
こいぬ座のプロキオン、3つの1等星で結ぶのが冬の大三角です。
オリオン座は分かりやすい星の並びなので
晴れていればすぐに見つけることができるでしょう。
2016年の天体観測は、月と木星の接近でスタートです。
まさに2016年へのカウントダウンが終わった直後、0時19分に
月と木星が1.7度まで近づいて、最接近となります(東京の場合)。
初日の出を前にした未明から明け方の空では
南の空の高いところに月と木星が並んでいるのが目に付きます。
さらに南東の空では火星とスピカが並び、金星がまぶしく輝いています。
夜明けが近づくと土星とアンタレスが並んで昇ってきます。
西の空に沈みつつある冬の星座、南の空に広がる
9日の明け方は東の空で金星と土星が非常に近づき
南の空には火星と木星も見えます。
これらの惑星は明るいので望遠鏡がなくても見え
1日から8日にかけては月も一緒に見られます。
お正月は夕方から夜に冬の星を見たら
7日は細い月と金星、土星が接近しますが
別の日の月と惑星の接近もご案内しておきましょう。
別の日の月と惑星の接近もご案内しておきましょう。
いずれも深夜から明け方にかけての現象です。
まず12月31日から1月1日にかけて、月と木星が接近します。
2016年の星見初めにピッタリですので、ぜひ空を見上げてみてください。
次は1月4日の未明で、下弦過ぎの月と火星が大接近して見えます。
近くの「おとめ座」のスピカも合わせた3天体の集合が楽しめます。
その後、7日の月・金星・土星の接近以降は月が夕方から宵空に移るので
当分の間は接近は起こりません。
そして27日から28日に、今月2回目となる月と木星の接近が見られます。
月と惑星の接近現象は肉眼でもよくわかり
町明かりがあるような場所からでも簡単に見ることができます。
深夜から明け方なので気軽に楽しめるとは少し言いがたいですが
2016年に注目したい天文現象として、3月9日の部分日食が挙げられます。
日本全国で観察することができ、南の地域ほど、欠ける部分が大きくなります。
東京では10時12分から12時05分までの約2時間、太陽が欠ける様子が見られます。
最も大きく欠ける11時08分には太陽の15%以上の面積が月に隠されます。
三大流星群の中では、ペルセウス座流星群(8月)は極大の時刻や月齢の条件が良く
多くの流星の出現が期待できます。しぶんぎ座流星群(1月)は極大時刻の条件が悪く
ふたご座流星群(12月)は月が明るいため、観察には適しません。
5月31日には火星が地球に最接近します。
地球と火星は約2年周期で近づきますが、今回ほど近づくのは2005年以来です。
接近時は火星が大きく見えるため、観察の好機です。火星は一晩中見られ
近くにはさそり座の一等星アンタレスや土星も見られます。
2016年も、楽しみな天文現象のある年になるでしょう。
2016年1月の主な天文現象
未明〜明け方、月と木星が接近
30日(土)
月が最遠:18時10分(視直径29分32秒)
次回、月と土星は2月4日に、月と金星は2月6日に接近して見えます。
2016年1月の主な天文現象
宵には冬の華々しい星たちが輝き
深夜から明け方には明るい惑星たちが並び、夜空を彩っています。
暖かくして今年の星見初めをしてみましょう。
未明から明け方の南東の空には
金星・火星・木星・土星と明るい惑星がそろって見えています。
このうち金星と土星は、中旬ごろまで接近して見えています。
ぜひ早起きして観察してみましょう。 1日(金)
元旦
初日の出(日の出:札幌07:06,東京06:51,名古屋07:00,大阪07:05,福岡07:22)
未明〜明け方、月と木星が接近
2日(土)
下弦:14時30分 (夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える)
このころ、未明〜明け方にカタリナ彗星がアルクトゥールスに大接近
3日(日)
未明〜明け方、月とスピカが並ぶ
地球が近日点通過:7時49分
4日(月)
未明〜明け方、月と火星が大接近
このころ、しぶんぎ座流星群が極大(1時間に15個程度)
5日(火)
水星が留
6日(水)
小寒(太陽黄経285度)
7日(木)
未明〜明け方、細い月と金星、土星が接近
9日(土)
このころ、未明〜明け方に金星と土星が大接近
木星が留
10日(日)
新月:10時31分
15日(金)
このころ、深夜〜明け方にカタリナ彗星が北斗七星の柄の星に接近
月が最近:11時14分(視直径32分19秒)
17日(日)
上弦:8時26分 (日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
18日(月)
土用(太陽黄経297度)
20日(水)
未明、月とアルデバランが並ぶ
夕方〜翌21日未明、月とアルデバランが並ぶ(20日未明とは並び方が異なります)
21日(木)
大寒(太陽黄経300度)
24日(日)
満月:10時46分 (次の満月は2月23日)
26日(火)
未明〜明け方、月とレグルスが並ぶ
宵〜翌27日未明、月とレグルスが並ぶ(26日未明とは並び方が異なります)
水星が留
27日(水)
深夜〜翌28日明け方、月と木星が接近
30日(土)
月が最遠:18時10分(視直径29分32秒)
31日(日)
◆1月1日 元旦に月と木星が接近
一年の始まりの朝、初日の出。
夜空を見上げることが多い天文ファンも、この日ばかりは日の出を待ってみましょう。
日の出前の夜空には金星、火星、木星、土星と4つも目立つ惑星があり
時刻はちょうど「ハッピーニューイヤー!」と叫ぶ瞬間、2016年元旦の0時です。
東の方角を見ると、月齢20.2で半月よりも丸みを帯びた月があります。
月は上側が欠けた格好をしています。
その左側へ1.7度離れたところに-2.2等と非常に明るい木星があります。
仲良く並んでいますからぜひご覧になって
◆ しぶんぎ座流星群
2016年しぶんぎ座流星群の見ごろは、1月4日の夜半過ぎから夜明けまで
および1月4日から5日にかけての深夜です。
4日の場合は夜明けが近づくほど流星の数が増えるでしょう。
4日から5日の場合はピークを過ぎていることから
時間がたつほど減少傾向になると思われます。
条件は悪いといえます。例年よりも出現数が少なくなるのは避けられず
1時間当たりに最大で20個見られたら上出来でしょう。
空が明るい場所からだと、観測できる流星の数はさらに減ってしまいます。
12月のふたご座流星群とともに三大流星群と呼ばれています。
毎年安定して多くの流星が出現するペルセウス座流星群、ふたご座流星群と比べて
しぶんぎ座流星群は活動が活発な期間が数時間と短い上に、流星の出現数が
年によって変化することで知られています。
今年のしぶんぎ座流星群の極大は、1月4日17時頃と予想されています。
5日未明の2〜3時間が観察に適した時間帯ですが、極大がこのような時間帯からずれていて
さらに夜半過ぎからは月明かりの影響があります。
流星は、多いときでも1時間あたり15個程度の出現にとどまるでしょう。
(注)流星群の名前に使われている「しぶんぎ座」は、現在では存在しない
「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座に由来しています。
◆月が木星・火星・金星・土星に接近
1月4日は月と火星が1度ちょうどまで近づく大接近が見られます。
最も近づくのは東京の場合で3時28分で、1.0度まで近づきます。
月は左下側が光っており、半月よりもやや細い目です。
両天体の近くには、青白い色をした おとめ座の1等星スピカがあります。
スピカと火星は7度離れていますから接近とはいえませんが
3天体をまとめてご覧になるのも楽しいでしょう。
次回の月と火星の接近は2月2日。
日の出前の空に、惑星がたくさん見えています。次回の月と火星の接近は2月2日。
ひときわ目を引くのが南東の低空でマイナス4等級の明るさで輝く金星です。
金星の近くには土星も見えます。さらに、南の空には赤く輝く火星
南西の空にはマイナス2等級の木星が見えます。
1月1日から7日にかけて、これらの惑星の近くを
月が通り過ぎていくようすを観察することができます。
明るい惑星と月の共演を、早起きして観察してみてください。
7日の早朝、月が金星に接近します。
月齢は26.4と細い月で、左下側が光っています。
金星は月から見て右下にあります。
-4.0等と非常に明るいですからすぐにそれとわかります。
しかし今回はそれだけではありません。
土星が金星の近くに見えるのです。この日の土星と金星の間隔は2.6度と
こちらもかなりな接近状態です。
3つの天体は「く」の字を裏返したような形に並んでいますから
3天体の配列にも注目してください。
なお、2日後の9日に金星と土星が「超がつく」大接近となります。
次回、月と土星は2月4日に、月と金星は2月6日に接近して見えます。
◆日の出前の空で金星と土星が接近
日の出前の南東の低い空には、金星と土星が見えています。
金星と土星は、1月9日13時に見かけの位置が5分角まで接近します。
これは、月の視直径(注)のおよそ6分の1にあたります。
金星と土星が最も近づく時刻は、日本では昼間にあたります。
しかし9日の日の出前でも二つの惑星は、月の視直径よりも近づいて見えます。
また、この日前後数日は、金星と土星の位置関係が
図は、東京での見え方を説明したものですが
日本のどの地域でも日の出1時間前は、図とほぼ同じように見えます。
(注)見かけの直径のこと。角度(度、分、秒)で表す。
月の視直径は、およそ31分角。
月の視直径は、およそ31分角。
惑星同士の接近は毎年起こりますが、間隔が1度を大きく切り
超がつくような大接近はなかなか見られるものではありません。
ところが2016年1月9日には、金星と土星が0度5分という
0.1度を切るところまで近づいて、超大接近となります。
残念ながら両惑星が最も接近するのは13時15分で
日中のため肉眼で観測することはできません。
しかし天体望遠鏡を使えばピッタリ寄り添った
両惑星を観測することができるでしょう。
◆参考サイト
離角(りかく)・・・太陽から離れている角度
2016年1月の月の暦 ☾*
アメリカ先住民は、各月の満月に様々な名前をつけていました。
◆1月28日 月と木星が並ぶ
元旦に続いて1月28日に、月と木星が再び近づきます。
「1ヶ月に2度も同じ天体が近づくの?」と疑問に思われるかもしれません。
しかし、月の公転周期は27.3日と1ヶ月よりも短いですから
1ヶ月の間に2回接近することがあったとしても、不思議ではありません。
今回の接近で両天体が最も近づくのは、1月28日の10時半ごろです。
しかし、日中のうえに地平線下にありますから
実際に条件良く観測できるのは、1月28日の夜明け前となります。 ◆参考サイト
AstroArts : 星空ガイド
星空ガイド
つるちゃんのプラネタリウム
天文現象 - 大崎生涯学習センター
星空情報
◎用語解説
極大(きょくだい)・・・条件が最もいいときのこと
矩(く)・・・地球から見て太陽と90°離れた状態
視直径(しちょっけい)・・・地上から見た星までの角度
衝(しょう)・・・地球に一番近い状態
星食(せいしょく)・・・星や惑星が月に隠れる現象
等級(とうきゅう)・・・星の明るさの単位。数字が小さいほど明るい
°(ど) ′(ふん) ″(びょう)・・・角度の単位
平成28 (2016) 年は閏 (うるう) 年です。
国立天文台暦計算室 2016年の暦要項。
この内容が、暦作成の共通のデータとなります。
平成28 (2016) 年の国民の祝日は次のとおりです。
元日 1月 1日
成人の日 1月11日
建国記念の日 2月11日
春分の日 3月20日
昭和の日 4月29日
憲法記念日 5月 3日
みどりの日 5月 4日
こどもの日 5月 5日
海の日 7月18日
山の日 8月11日
敬老の日 9月19日
秋分の日 9月22日
体育の日 10月10日
文化の日 11月 3日
勤労感謝の日 11月23日
天皇誕生日 12月23日
「国民の祝日に関する法律」が改正され、「山の日」が設けられることにな りました。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は
観測ロケットS-310-44号機を2016年1月12日に打ち上げると発表
2016年1月の月の暦 ☾*
下弦 * 2日 14:30
新月 * 10日 10:30
上弦 * 17日 08:26
満月 * 24日 10:46
アメリカ先住民は、各月の満月に様々な名前をつけていました。
その多彩なネーミングに、彼らの想像力の豊かさが表れています。
1月:Wolf Moon(狼月)
ネイティブアメリカンや中世のヨーロッパ人は、真冬の食糧不足を嘆く
飢えた狼の遠吠えにちなんだ名前を1月の満月に付けました。
1月の満月は、Old Moon(古月)やIce Moon(氷月)などとも呼ばれます。
月暦 (2016年)
新月 上弦 満月 下弦
1月 2日
1月10日 1月17日 1月24日 2月 1日
2月 8日 2月15日 2月23日 3月 2日
3月 9日 3月16日 3月23日 4月 1日
4月 7日 4月14日 4月22日 4月30日
5月 7日 5月14日 5月22日 5月29日
6月 5日 6月12日 6月20日 6月28日
7月 4日 7月12日 7月20日 7月27日
8月 3日 8月11日 8月18日 8月25日
9月 1日 9月 9日 9月17日 9月23日
(9月15日 中秋の名月)
10月 1日 10月 9日 10月16日 10月23日
10月31日 11月 8日 11月14日 11月21日
11月29日 12月 7日 12月14日 12月21日
12月29日
# 最遠の満月 4月22日 14h 地心距離 40.628万km
# 最近の満月 11月14日 23h 地心距離 35.664万km スーパームーン
当ブログにお越しの皆様には心より感謝しております。
これからもBlog&Facebookをマイペースで更新していくつもりです。
月時館 Tsukijikan*
† 月の神秘と魅力に惹かれ月と戯むる †
Facebookページ