2016年03月31日

2016年4月 星空情報と月の暦 

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3月9日に衝を迎えた木星が21時前後に南中となり観望好期です。
南の空高く、ひときわ明るく輝いているのが木星ですから見間違うことはありません。
春先は大気の揺らぎも少なく望遠鏡での惑星観測に適する季節で
木星なら月がある夜でも見ることができます。
自分で望遠鏡を持たない方も,公共天文台の観望会などに参加して
木星の縞模様を楽しんでみてください。

木星
 
18日の夕刻西空では水星が東方最大離角を迎えますが
この日の19時の地平線高度は10度で
水星としては異例の見やすい高さとなります。
それでも十分に低い位置ですので
西空がよく開けた場所で双眼鏡など使って捜してみましょう。
 

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520613f92016年4月の主な天文現象

1日(金)
下弦:0時17分(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える)

4日(月)
清明(太陽黄経15度)

7日(木)
新月:20時24分(下弦〜新月は夜空が暗く、星がよく見えます)

10日(日)
天王星が合

11日(月)  
夕方〜宵、細い月とアルデバランが並ぶ

14日(木)
上弦:12時59分(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)

16日(土)  
宵〜翌17日未明、月とレグルスが並ぶ
土用(太陽黄経27度)

17日(日)  
夕方〜宵、月とレグルスが並ぶ
火星が留

18日(月)  
未明、月と木星が並ぶ
水星が東方最大離角:22時59分(+0.1等,離角19°.9)(夕方の西の低空に見えます)
夕方〜翌19日未明、月と木星が接近

20日(水)
穀雨(太陽黄経30度)

21日(木)  
夕方〜翌22日明け方、月とスピカが接近

22日(金)
満月:14時24分   
月が最遠:1時5分。視直径29分24秒
次の満月は5月22日
4月こと座流星群が極大
(見頃は22日未明。1時間に2個程度。月がたいへん明るく条件が悪い)

25日(月)  
明け方、月と火星が並ぶ
深夜〜翌26日明け方、月と土星が接近、火星が並ぶ

27日(水)  
このころ、未明から明け方に火星とアンタレスが接近

29日(金)
水星が留 

30日(土)
下弦:12時29分(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える)


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宵のころに南の空の高いところで輝く木星が圧倒的な存在感を見せています。
18日の月との接近など肉眼でも楽しめますが、観察会に参加するなどして
天体望遠鏡で縞模様やガリレオ衛星を眺めてみましょう。

木星の上にはしし座が広がっており、その尾の星デネボラから
南東方向にアルクトゥールス、スピカを結ぶと春の大三角ができあがる。
アルクトゥールスとスピカは、北東の空高く上った北斗七星から続く
春の大曲線の一部。色の対比も美しい2星は夫婦星とも呼ばれています。

深夜になると、接近中の2つの赤い星、火星とアンタレスが並んで昇ってきます。
近くには土星もあり、3天体の共演が見事です。
25日前後には月も接近し、さらににぎやかさが増すでしょう。
少し夜更かしして、見たり撮ったりしてみませんか。

◆4月18日   一年でもっとも水星が観察しやすい日

水星は太陽からあまり離れないので、観察が難しい星。
この日は水星が太陽から最も離れるので、夕方の空では今年で一番見やすくなります。
日没30分後の水星の高度は約10度のため、双眼鏡を使うとより見つけやすくなります。  


木星が見ごろ

木星が見ごろ
 
宵の頃、南の空の高いところに、ひときわ明るい星が輝いています。
地球の直径の11倍の大きさを持つ太陽系最大の惑星、木星です。
木星は先月上旬に、地球から見て太陽と反対の位置に来る「衝(しょう)」を迎えました。
太陽の反対側ということは一晩中見え、地球からの距離が一番近くなって
明るく大きく見えることになるので、木星観察の絶好機です。
今月も木星の見ごろが続いています。明るさや大きさはほぼ先月と同じで、
宵のころに高くなるという点では先月よりも見やすくなっているので
ぜひ観察してみましょう。

18日には木星と月が並んで見えます。
単に眺めるだけでなく、地上風景も入れて写真撮影してみると面白いでしょう。 

火星とアンタレスの接近

火星とアンタレスの接近
 
先月下旬から、火星と「さそり座」の1等星
アンタレスの共演が目立つようになってきました。
「さそり座」は夏に見やすい星座ですが、深夜にはもう南東の空に見えています。
アンタレスという名前は「火星に対抗するもの」という意味の言葉が語源となっています。
その名のとおり、明るさが似た2つの赤い星が並んでいる様子はとても目を引きます。

火星は5月末に地球と最接近する(見かけではなく、実際の距離が近くなる)ので
現在どんどん明るさを増しているところです。
すでにアンタレスよりも明るく見えていますが、今後さらにその差が開いていきます。
赤い星のどちらが火星か迷ったら「今年の春から夏は、明るいほうが火星」と
覚えておけば間違いありません。また、同じ赤と言っても印象が違って見えるはずなので
注意して眺めてみてください。

火星とアンタレスの左(東)には土星も見えています。
また、ときおり月も近くに並びます(今月は25日と26日)。
こうした天体の接近は肉眼や双眼鏡で気軽に楽しむことができるので
ぜひ眺めてみましょう。 

水星が東方最大離角

水星が東方最大離角
 
日の入り後の西の低空に位置している水星が、18日に東方最大離角となります。
この日の前後数日間は、日の入り後の水星の高度が
今年1年で最も高く、観察しやすい時期です。
10日から26日までは日の入り30分後の高度が10度を超え
この期間の明るさはマイナス0.8等〜1.6等となります。
4月下旬になると徐々に高度が低くなり
見かけ上太陽に近づくため、観察が難しくなります。

月が木星に接近

4月18日は月と木星が並びます。
この日の月齢は11.0で、満月から 4日前という、かなり太った月です。
21時ごろですと、東京ではほぼ真南に見えます。高度が 60度前後と高いですから
思ったよりも上空を見上げるような感じになります。
月と木星の間隔は、21時の場合だと 5.2度です。
両天体が最も近づく時刻は 11時台ということで、早い時間帯に見た方が
より近づいた状態を見ることができます。例えば 1時間早い20時ごろなら
間隔は4.8度ですが、あまり早過ぎると空が明るいですから
接近を楽しむどころではなくなってしまいます。
 
月が木星に接近
 
4月17日から18日にかけて、しし座で輝く木星に
満月前の月が見かけ上近づきます。
木星は日の入り後の南東の空で、ひときわ明るく輝いています。
木星を目印にして、月が空を移動していくようすにも注目しましょう。

今年最小の満月

今年最小の満月
 
2016年には毎月1回満月が訪れます。
4月22日の満月は、今年の満月の中で最も小さく見えます。

月は地球の周りを公転していますが、その軌道が楕円形であるため
地球と月の距離は時々刻々と変化しています。
そのために月の見かけの大きさ(視直径)は、地球との距離が近いときには大きく
遠いときには小さくなります。また、月の軌道は太陽や地球などの
重力を受けてわずかに変化するため、月が地球に最も近づく位置(近地点)や
最も遠ざかる位置(遠地点)での距離は毎回異なります。

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4月22日は月が01時05分に遠地点(地心距離 約40万6千キロメートル)を通過し
14時24分に満月となります。満月の瞬間の月の視直径は約29分24秒角で
これが今年最も小さく見える満月です。
今年最大の満月は11月14日22時52分に見られ、視直径は約33分30秒角です。
近地点(地心距離 約35万7千キロメートル)を通過するのは11月14日20時21分です。

4月こと座流星群   2016年4月22日

 4月こと座流星群

今年の「こと座流星群」で流星が一番よく流れるのは22日の昼14時頃になります。
そして夜には満月が昇るため、流星のピークを観測することは残念ながら難しいです。
しかし、この流星群は明るい流星が多いので、22日の夜半から明け方にかけて
(満月が南の空に昇っていますが)眺めてみてはいかがでしょうか。
夜空のどこかで流れ星に出会えるかも知れません。
「こと座流星群」は最も古くから知られた流星群で
紀元前687年に中国で観測されていたことが記録されています。 

http://www.amro-net.jp/meteor-info/04_lyrids_j.htm 

月と土星が接近 2016年4月26日

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4月26日の夜明け前、月と土星が接近します。
今月は最接近が朝の5時過ぎごろということで、夜明け前に最も条件が良くなります。
3時の場合ですと、東京では 2.7度まで接近しています。
東京では薄明が 3時22分から始まりますから、見られる範囲での
最接近状態と思っていただいてよいでしょう。
これだけでも見ごたえがありそうですが、土星の右側へ 7.3度離れたところに
-1.3等まで明るくなった赤い火星が見えます。さらにその下側へ 4.9度離れて
さそり座の 1等星アンタレスもあり、とてもにぎやかです。
これら 4天体をまとめてご覧になるのが楽しいでしょう。 

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参考サイト

国立天文台 | ほしぞら情報
http://www.nao.ac.jp/astro/sky/
Nikon | 星空案内 |  
AstroArts : 星空ガイド
星空ガイド 
つるちゃんのプラネタリウム
天文現象 - 大崎生涯学習センター
星空情報

◎用語解説
極大(きょくだい)・・・条件が最もいいときのこと
(く)・・・地球から見て太陽と90°離れた状態
視直径(しちょっけい)・・・地上から見た星までの角度
(しょう)・・・地球に一番近い状態
星食(せいしょく)・・・星や惑星が月に隠れる現象
等級(とうきゅう)・・・星の明るさの単位。数字が小さいほど明るい
°(ど) ′(ふん) ″(びょう)・・・角度の単位
離角(りかく)・・・太陽から離れている角度 

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 pin4 2016年4月の月の暦 ☾*

月暦 

   下弦 *   1日 00:17
   新月 *   7日 20:24
   上弦 * 14日 13:00
   満月 * 22日 14:24
   下弦 * 30日 12:29

 
FireShot Capture - 月相カレンダー

moon_sepia4月:Pink Moon(桃色月)
北部のネイティブアメリカンは、開花の早い野花にちなんで
4月の満月をPink Moon(桃色月)と呼んでいます。
 
ほかの文化では
Sprouting Grass Moon(萌芽月)
Egg Moon(卵月)
Fish Moon(魚月)と呼ばれています。
他に、Seedmoon(種月)、Bigwindmoon(大風月)など。

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Posted by sara1116 at 22:00│Comments(0)clip!月の暦