2016年08月31日

2016年9月 星空情報と月の暦 

9月になると日没時刻が早くなり
夕方早い時間帯から星が見えるようになってきます。
また9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。
黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが
山などへ行く機会があったら黄道に沿って
光の帯が伸びているのを探してみましょう。

今月は15日の「中秋の名月」が一番の楽しみです。
美しく夜空を照らす月を眺めてみましょう。
丸く明るい月だけでなく細い月も見もので、3日には夕空で金星と大接近し
29日には明け方の空で水星と並びます。

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15日は中秋の名月ですが、満月は17日ですので、今年は少し欠けた月になります。
中秋の名月とは秋の真ん中の日、仲秋(陰暦8月)15日の月のことで
必ずしも満月と同日にはならないのです。

中秋の名月は別名芋名月といい、昔から里芋を供える習慣がありました。
日本人の主食が里芋だった名残だとも言われます。
日本では、お月見は中秋の名月と後の名月(十三夜)の両方の名月を見るものとされ
どちらか片方だけ見るのは片見月として忌み嫌われました。
2016年の十三夜は10月13日ですから、中秋の名月を見た方は
忘れずに十三夜も眺めて下さい。

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pin42016年9月の主な天文現象

スライド33


1日
アフリカで金環日食(日本からは見られない) 
新月:18時03分

3日
海王星が衝。 
細い月と金星が大接近、木星も並ぶ

5日  
夕方、月とスピカが並ぶ

7日
月が最遠:3時45分(視直径29分30秒)
火星が東矩:8時0分
白露:13時51分。(太陽黄経165度)

8日
夕方〜宵、月と土星が並ぶ

9日
上弦:20時49分
夕方〜宵、月と土星が並ぶ(前日とは並び方が変わります)
9月 ペルセウス座ε流星群が極大:13時(条件良好)

13日
水星が内合

15日
中秋の名月

17日
満月:4時5分
半影月食(未明〜明け方、満月がわずかに暗くなります)3:54 地平高度18°
月が、薄い半影の中だけを通過する月食です。
目ではよくわからなくて、写真を撮ると月の一部が暗くなっているのが分かります。

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・もう少しで本影月食
9月17日に日付が変わってから深夜に起こります。
月は地球が作る影の南側を通過していきます。
8月18日とは反対に、今回の食分は0.93ということで、本影の近くまで大接近します。

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19日
敬老の日 / 彼岸の入り
月が最近:2時0分(視直径33分00秒)
はくちょう座 χ(3.3-14.2等 408日)が極大光度

21日
深夜〜翌22日明け方、月とアルデバランが大接近
水星が留

22日
秋分の日 / 秋分(太陽黄経180度)
アルデバランの食:8時29分(東京潜入,出現9:19)

23日
下弦:18時56分

26日
木星が合:6時49分

28日 
明け方、細い月とレグルスが大接近

29日
水星が西方最大離角:4時27分(-0.5等,離角17°9)
(明け方の東の低空に見えます)
明け方、細い月と水星が並ぶ
 

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アフリカ大陸やマダガスカルで金環食

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9月1日に金環日食が起こります。
残念ながら日本では見ることができませんが、大西洋の南東部からアフリカ大陸、
マダガスカルやインド洋などで、金環食を見ることができます。

全世界で考えると、前回金環日食が起こったのは2014年4月29日でした。
ただし、金環食は南極のごくわずかな地域で見られただけでした。
また、次回金環日食が起こるのは2017年2月26日です。
残念ですが、このときも日本では日食を見ることはできません。

日本で次に金環食を見ることができるのは、2030年6月1日です。
このときは、北海道のほとんどの地域で金環食を見ることができます。

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参照元:http://tg.tripadvisor.jp/eclips/

皆既日食: 月が太陽を全部隠す日食
金環日食: 月の周りから太陽がはみ出して見える日食
金環皆既日食: 地域によって皆既、金環日食のいずれかが見える日食
部分日食: 月が太陽の一部分のみが隠す日食 

地球と月の公転運動がうまくあった時におきる現象で
太陽−月−地球という順番で一直線に並んだ時に起こります。
この位置関係になった時に、太陽が見える場所に居れば、絶対見えるわけではありません。
月によって、太陽の一部が隠された様子が見えるのが「部分日食」。
太陽の全てが隠されてすべてが見えなくなるのを「皆既日食」。
月が太陽の全てを隠しきれず、太陽が環のように見えるのを「金環日食」と言います。 

9月3日 細い月と金星が大接近、木星も並ぶ

9月3日
 
名月や満月と対極にあるのが、新月前後の細い月です。
とくに今月は3日の細い月と29日の細い月が
それぞれ金星、水星と並んで見え、美しい光景となります。

3日の接近は、夕方の西の空で起こります。
日没(東京で夕方6時過ぎ)の後しばらくしてから西の低空を眺めると
マイナス4等級と明るく輝く宵の明星の金星と月齢2の細い月が
すぐそばに寄り添っているのが見つかるでしょう。
月の暗い部分がうっすらと光る地球照も見えるはずです。

日没間もないころには空が明るいので、月と金星が
なかなか見つけられないかもしれません。
コンパスやスマートフォンのアプリで方角をよく確かめておきましょう。
かなり低いので、見晴らしがよい場所で眺めてみてください。
空が澄んでいれば、右下のほうに木星も見えるでしょう。

9月3日 細い月と金星が大接近

9月3日の夕方、西の低空で月齢2の細い月と金星が大接近。
地球照を伴った幻想的な細い月と金星の共演は、数ある月と惑星の接近の中でも
随一の美しさで、大接近となればさらに見事な光景。
日の入り30分後の高度は5度ほどしかないので、見晴らしが良いところで観察してみよう。
地上風景と共に写真に収めるのも面白い。さらに低いところには木星も並んでいる。
双眼鏡で探してみよう。月と金星の次回の共演は10月4日。

中秋の名月
今年の中秋の名月は9月15日です。

中秋の名月

15日 中秋の名月、満月は2日後。

7月の七夕や8月の伝統的七夕、ペルセウス座流星群が夏の風物詩とすれば
「中秋の名月(十五夜の月)」は秋の風物詩と言えるでしょう。
暑さが和らぎ過ごしやすくなってきた秋の夜空に白く丸い月が浮かぶ光景は
たいへん美しいものです。お供え物をして、お月見を楽しみましょう。

15日の十五夜の(ほぼ真ん丸の)名月や17日の満月だけでなく
半月や細い月も興味深い観察対象です。
月の欠け際部分は太陽光が横から当たることによって
クレーターが立体的に見えるので、とくに面白いでしょう。

中秋の名月(十五夜)
 
満ち欠けだけでなく、月の縁に近い部分の見え方が変わったり
見かけの大きさが変化したりすることも、意識してみるといっそう面白くなります。
縁付近の見え方が変わるのは月がふらつくために
地球に向けている面が微妙に変わるため、大きさが変わるのは
月が楕円軌道を公転しており、地球との距離が変わるからです。
デジタルカメラで大きく撮影すると変化がわかりやすいでしょう。

「中秋の名月」とは、太陰太陽暦(注)で8月15日の夜の月のことをいいます。
農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもあります。
中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。

十五夜
 
今年は中秋の名月が9月15日、その翌々日の9月17日4時5分が満月と
中秋の名月と満月の日が2日ずれています。
中秋の名月は、新月となる日から数えて15日目の夜の月のことを指し
満月は、地球から見て月と太陽が反対方向になった瞬間の月を指します。
このように、それぞれ決め方が違うことから、日付にずれが生じることがあるのです。
前回中秋の名月と満月が2日違いだったのは2007年と、9年も前のことでしたが
次に2日違いとなるのは来年(2017年)です。

また、太陰太陽暦での9月13日の夜を「十三夜」と呼び
日本ではその夜にもお月見をする習慣があります。
十三夜は、「後(のち)の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれます。
今年の十三夜は10月13日です。

注:明治以前の日本で使われていた暦。
月の満ち欠けを元に1か月の日付が決められていた。

月を目印に水星を探そう
水星が日の出前の東の空で見つけやすくなっています。

水星が見頃
 
29日は細い月の下に水星も見つかります。
月や夕空の金星よりはずっと暗いものの、0等級で輝いているので
月を目印にすれば肉眼でも見えるはずです。ぜひ忘れずに探してみてください。
空が明るいので位置をしっかり確かめておくこと、低空まで見晴らしがよいところで
観察することなどは、夕方の細い月と同じポイントです。
地球照が見えるのも同様です。一方で、夕方と明け方では気温や
町の雰囲気などが変わるので、同じような細い月であっても
違った感覚で見えるかもしれません。

水星は、普段は高度が低く見つけづらい惑星です。
しかし、29日に西方最大離角を迎えるため、9月26日から10月2日まで
日の出30分前の高度が東京では10度を超え、たいへん観察しやすくなります。
この機会に、ぜひ水星を見つけてみませんか。

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9月の末頃には、日の出前の東の空に細い月が見えます。
特に29日は月が水星のすぐ右上にありますので、月を目印にして
水星を探すことができる絶好のチャンスです。
日の出の1時間から30分くらい前の、空があまり明るくならないうちに
東側にさえぎるもののない場所で、地平線近くを探してみましょう。
双眼鏡を使うと、肉眼で探すより、水星も月もずっと見つけやすいでしょう。
(ただし、双眼鏡で太陽を見ないよう十分注意してください。)

30日にも月は水星の近くにありますが、位置関係が逆になり
月が水星の下に位置するようになります。
月はさらに細くなり、高度も低くなりますので、29日よりも見るのが難しくなりそうです。 

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参考サイト

国立天文台 | ほしぞら情報
http://www.nao.ac.jp/astro/sky/
Nikon | 星空案内 |  
AstroArts : 星空ガイド
星空ガイド 
つるちゃんのプラネタリウム
天文現象 - 大崎生涯学習センター
星空情報

◎用語解説
極大(きょくだい)・・・条件が最もいいときのこと
(く)・・・地球から見て太陽と90°離れた状態
視直径(しちょっけい)・・・地上から見た星までの角度
(しょう)・・・地球に一番近い状態
星食(せいしょく)・・・星や惑星が月に隠れる現象
等級(とうきゅう)・・・星の明るさの単位。数字が小さいほど明るい
°(ど) ′(ふん) ″(びょう)・・・角度の単位
離角(りかく)・・・太陽から離れている角度  

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pin4 2016年9月の月の暦 ☾*

月暦  

 新月 *   1日 18:03
 上弦 *   9日 20:49
 満月 * 17日 04:05
 下弦 * 23日 18:56

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 満月の12カ月 
アメリカ先住民は、各月の満月に様々な名前をつけていました。
その多彩なネーミングに、彼らの想像力の豊かさが表れています。  

9月:Harvest Moon(収穫月)
最も馴染み深い名前の満月である9月のHarvest Moon(収穫月)は
作物を収穫する秋分後の時期を表しています。
また、夜間の収穫を助けてくれる9月の満月の特別な明るさや
月の出が早いことも表しています。
ほかには、Corn Moon (トウモロコシ月)やBarley Moon (大麦月)
Fruitmoon (果実月)、Spiderweb on the ground at dawnmoon (夜明けの地上の蜘蛛の巣月)
という名前もあります。 


9月の月の見え方

夕方の西の空では、低空ながら宵の明星の金星が目立っています。
とくに3日に細い月と大接近する光景は見逃せません。
見晴らしの良いところで眺めてみましょう。

この細い月はだんだん太くなり、15日には中秋の名月(十五夜)となります。
満月の2日前で、少し欠けているのが肉眼でもわかるかもしれません。
満月の17日は未明に半影月食が起こります。
そして再び細くなっていく月は、29日の明け方に東の低空で水星と並びます。
いろいろな月を楽しんでみましょう。

秋の風物詩「中秋の名月」
月の満ち欠けがきっちり1日単位ではないので
中秋の名月(十五夜)が満月とは限りません。
近場で十五夜が満月だったのは2013年。
次回はなんと・・・2021年です。

昨年は、中秋の名月と満月の日が1日遅れの年でしたが
今年は、9月17日が満月なので、中秋の名月は、2日前になります。
といっても僅か2日程度のことなので、肉眼では、ほぼ真ん丸の
素晴らしい満月を見ることができるでしょう。

ちなみに、これからの中秋の名月と満月の関係は下記のようになります。
 
                   中秋の名月(十五夜)          満月
2014年(平成26年)   9月8日                 9月9日
2015年(平成27年)   9月27日               9月28日
2016年(平成28年)   9月15日               9月17日
2017年(平成29年)   10月4日               10月6日
2018年(平成30年)   9月24日               9月25日
2019年(平成31年)   9月13日               9月14日
2020年(平成32年)   10月1日               10月2日
2021年(平成33年)   9月21日               9月21日

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「中秋の名月」には月を眺めて、供え物をするなどといった習慣がありますが
そもそも「中秋の名月」とはなんでしょう。
「中秋の名月」とは”秋の真ん中に出る満月”の意味で
 
旧暦では
1月〜3月を春
4月〜6月を夏
7月〜9月を秋
10月〜12月を冬
 
としていたことから、8月は秋のちょうど真中であり
8月15日の夜に出る満月ということで、そう呼ばれるようになりました。
現在用いられている新暦では1ヵ月程度のズレが生じるため
9月7日から10月8日の間に訪れる満月の日を十五夜・中秋の名月と呼んでいます。

◇「中秋の名月」と「仲秋の名月」どちらが正しい?

まず「中秋」とか「仲秋」と書いて「ちゅうしゅう」と読みますが
これはどういう意味でその違いはあるのでしょうか。
実は、「中秋の名月」と書いても「仲秋の名月」と書いても正解。
ただ、漢字によって意味が違うのです。

中秋の名月
秋のちょうど真ん中の日を中秋といい、8月15日が中秋にあたります。
そのため、中秋の名月=8月15日の名月という意味になり
十五夜のときは中秋の名月と書く場合が多いのです。

仲秋の名月
旧暦の秋は7月・8月・9月。
7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋といいました。
つまり仲秋とは8月の別称で、仲秋の名月=8月の名月という意味になります。
 
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Posted by sara1116 at 22:00│Comments(0)clip!月の暦