2月の夜空には色とりどりの1等星が輝き、一年で最も星空が華やかな時期です。
宵の明星の金星や火星のほか、深夜には木星も見え、惑星も楽しめます。
暦の上では春になりますが、実際には一年で最も寒い時期です。
温かい服装で星空ウォッチングを楽しみましょう。
1日(水)
夕方の南西の空で並ぶ金星と火星に、1日に月が接近。
また未明の南東の空で並ぶ木星とスピカには、15〜16日に月が接近します。
下旬には火星と天王星の大接近が起こり、双眼鏡で楽しめます。
万全の防寒で天体観察や星空巡りを楽しみましょう。
2017年2月の主な天文現象今月も、夕空に宵の明星の金星の輝きがひときわ目立ちます。
夕方から宵の西の空には金星の他にも、火星と天王星や
肉眼ではやや難しいもの、少し地味なものもありますが
金星以外の観察にも挑戦してみたいところ。
未明から明け方には本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星が楽しみ。
やはり観察には双眼鏡が必要になりそうですが
約70年前に本田実さんたち3人が発見した歴史ある彗星をぜひ探してみましょう。
冬の大三角やオリオン座が見やすい時期になってきました。
関東以南では全天2位の輝星カノープスも忘れずに見ておきたいですね。
立春を迎えるとはいえ、まだまだ寒い季節万全の防寒で天体観察や星空巡りを楽しみましょう。
1日(水)
このころ、未明〜明け方に木星とスピカが接近
夕方〜宵、細い月と火星が接近
2月1日の夕方から宵、南西から西の空で月齢4の細い月と火星が接近して見える。
月の暗い側がほんのり見える地球照も美しい。
2つの右下に並ぶ宵の明星の金星とあわせ、3天体の共演を
肉眼や双眼鏡で眺めて楽しもう。地上風景を入れて写真にも収めてみたい。 2日(木)
このころ、夕方〜宵に金星と火星が並ぶ
4日(土)
13時19分:上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
立春(こよみの上で春の始まり)(太陽黄経315度)
5日(日)
宵〜翌6日未明、月とアルデバランが接近
11日(土)
09時33分:満月。次の満月は3月12日です
宵〜翌12日明け方、月とレグルスが大接近
15日(水)
2月15日の深夜から16日の明け方、月齢19の月と木星が接近して見える。
3度以内まで近づいているのでよく目立つ。近くに見える明るい星はおとめ座のスピカ。
防寒の準備を整えて、肉眼や双眼鏡で眺めて楽しもう。
次回の接近は3月14日から15日。
次回の接近は3月14日から15日。
17日(金)
金星が最大光度(夕方〜宵の南西の空で眩しく輝いています)
19日(日)
04時33分:下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える)
21日(火)
未明〜明け方、月と土星が接近
2月21日の未明から明け方、南東の空で月齢24のやや細い月と土星が接近して見える。 右にはさそり座のアンタレスも見えていて、すでに夏の星が昇ってきていることがわかる。 早朝は寒さがいっそう強く感じられるが、早起きして観察してみよう。
次回の接近は3月21日。
未明〜明け方、月と土星が接近
2月21日の未明から明け方、南東の空で月齢24のやや細い月と土星が接近して見える。 右にはさそり座のアンタレスも見えていて、すでに夏の星が昇ってきていることがわかる。 早朝は寒さがいっそう強く感じられるが、早起きして観察してみよう。
次回の接近は3月21日。
26日(日)
23時58分:新月(下弦〜新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
南大西洋方面で金環日食
27日(月)
このころ、夕方〜宵に火星と天王星が大接近
1日(水)細い月と火星が接近
昨年の秋ごろから宵の南西の空に見えている宵の明星の金星が
今月もよく目立っています。
冬の冷たい空気の中では、その輝きがいっそう印象深く感じられるでしょう。
天体望遠鏡で観察すると、半円からやや細くなっていることがわかります。
金星の左上には火星も見えています。
金星に比べると暗いものの、1等級なので肉眼でもよく見えます。
そしてさらに、2月1日にはこの2惑星のそばに月齢4の細い月も接近します。
3天体が集まっている美しい光景を、ぜひ眺めてみましょう。
当日だけでなく前日や翌日も観察すると月の並び方と形が変わり、その違いも楽しめます。
双眼鏡では、月の模様や火星の赤っぽい色などが肉眼よりハッキリ見えて面白いでしょう。
地球照(地球で反射した太陽の光が月を照らし、月の暗い部分が
うっすら光って見える現象)にも注目してみてください。
1日以降、月は火星から離れながら太くなっていきます。
そして11日の満月以降は細くなり、15日の深夜から16日の明け方にかけて
満月と半月の中間程度の太さになった月が木星と
「おとめ座」の1等星スピカと接近します。
こちらもやはり、肉眼でも双眼鏡でも美しい光景を楽しめます。
月の形や明るさはもちろんのこと、クリーム色でどっしりと落ち着いた木星の輝き
冷たく青白いスピカの光と、それぞれの印象の違いも感じてみてください。
また、同じ方向に見えている3天体ですが、月までは約40万km、
木星までは約7.3億km(月までの1800倍)、スピカまでは約250光年(木星までの約300万倍)
という距離の違いがあること、つまり宇宙に奥行きがあることも想像してみましょう。
下旬に火星と天王星が大接近
宵空には金星と火星が目立っていますが、この近くにはもう一つ惑星が見えています。
太陽系の第7惑星、天王星です。2月下旬ごろに火星と天王星が大接近するので
天王星の明るさは約6等級で、空が暗いところであれば肉眼でも見つけられますが
実際には肉眼で見るのはかなり大変です。双眼鏡を使うと、多少の町明かりが
あるようなところでも天王星が見えますので、双眼鏡で探してみてください。
拡大図を見ながら火星や周りの星の並びを頼りにすれば
意外と簡単に見つかるでしょう。最接近する27日前後は
低倍率の天体望遠鏡で火星と天王星を同時に見ることもできるので
お持ちの方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
このころの明るさは1等星のおよそ170倍明るい、マイナス4.6等に達します。
早起きして月と惑星の接近を見よう!
月明かりがあると星座を形作る星々は見えにくくなりますが
カノープス 観察のチャンス!
りゅうこつ座の1等星カノープスが見つけやすい時期です。
カノープスは全天で2番目に明るい1等星ですが、日本では南の空の低い位置にあるため
とても見つけにくい星として知られています。
北日本では地平線より上に昇らず、見ることができません。
平地での計算上の北限は北緯約37.9度、おおむね福島県北部付近です。
日本の多くの地域では南中のときでも地平線すれすれの低空にしか見えませんが
カノープスは白色の恒星ですが、空の低い場所に位置するために
地球の大気の影響を受け、本来より暗く赤っぽい色に見えています。
よく晴れた夜に、南の空が開けた場所で、冬の大三角やおおいぬ座のシリウスを目印にして
南の地平線すれすれに姿を現すカノープスを探してみましょう。
夜のはじめのころにカノープスが見られる2月は観察の好機です。
一番星を見つけよう!
このころの明るさは1等星のおよそ170倍明るい、マイナス4.6等に達します。
日の入り後の空に明るく輝いているため、このころ一番星を見つけたら
望遠鏡を使うと、三日月のように欠けている金星を観察することができます。
金星も月と同様、地球や太陽との位置関係によって満ち欠けをするのです。 早起きして月と惑星の接近を見よう!
2月中旬の未明には、南から南西の高い空に木星が、南東の低い空に土星が見えています。
月明かりがあると星座を形作る星々は見えにくくなりますが
マイナス2.2等で輝く木星は、月明かりの中でもたやすく見つけられるでしょう。
木星のそばにはおとめ座の1等星スピカも輝いています。
日が経つにつれて月が細くなりながら東へ移動していくと、スピカが見つけやすくなります。
21日の未明には、下弦過ぎのやや細い月が土星に近づいて見えます。
21日の未明には、下弦過ぎのやや細い月が土星に近づいて見えます。
早起きして、細い月が明るさ0.3等の土星に寄りそう様子を楽しんでみてはいかがでしょう。
離角(りかく)・・・太陽から離れている角度
2017年2月の月の暦 ☾*
上弦 * 4日 13:19
満月の12カ月
夜空と月の物語
星★月・夜空の撮影術
月刊 星ナビ 2017年 02月号
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幸運を呼ぶ夜空と星月の風景
宙富士 月と星、そして富士山
宙の名前新訂版
◆参考サイト
AstroArts : 星空ガイド
星空ガイド
つるちゃんのプラネタリウム
星空入門- Mira House
◎用語解説
極大(きょくだい)・・・条件が最もいいときのこと
矩(く)・・・地球から見て太陽と90°離れた状態
視直径(しちょっけい)・・・地上から見た星までの角度
衝(しょう)・・・地球に一番近い状態
星食(せいしょく)・・・星や惑星が月に隠れる現象
等級(とうきゅう)・・・星の明るさの単位。数字が小さいほど明るい
°(ど) ′(ふん) ″(びょう)・・・角度の単位
2017年2月の月の暦 ☾*
上弦 * 4日 13:19
満月 * 11日 09:33
下弦 * 19日 04:33
新月 * 26日 23:59 "月の満ち欠け"は、地球、太陽、月の相対的な位置関係によって引き起こされます。
太陽は月が地球の影を通過する月食中を除いて
常に太陽に面した側の月の半分を照らします。
常に太陽に面した側の月の半分を照らします。
太陽と月の間に地球があるときは、"満月"となります。
黄道と白道は、約5度傾いているため、日食月食が起るのは太陽と月が
黄道と白道の交わる点の近くにいる時だけです。
地球と太陽の間に月があるときは、"新月"になります。
その中間の状態の時、月の球面にできている影の部分の見え方が
位置関係により満月から新月、新月から満月へと変化していく様を
"月の満ち欠け"と呼んでいます。
月と太陽の視黄経の角度により(新月)朔、上弦、(満月)望、下弦は定義付けされています。
その他の角度については定義はなく、英語では大雑把な名称しかありません。
日本ではそのほとんどの月相に対して命名があり、月相への関心が高かったことが判ります。 満月の12カ月
アメリカ先住民は、各月の満月に様々な名前をつけていました。
その多彩なネーミングに、彼らの想像力の豊かさが表れています。
2月:Snow Moon(雪月)
北アメリカの2月は寒さが厳しく雪が多いため
2月の満月にはSnow Moon(雪月)という名前が付きました。
2月の満月にはSnow Moon(雪月)という名前が付きました。
Storm Moon(嵐月)やHunger Moon (飢餓月)
Blackbearmoon (クロクマ月) Eldermoon (長老月) などもあります。
Full Wolf Moon (オオカミの満月) イギリス中世、アメリカ先住民
英語名では2月の満月の名。
雪と寒さの深い冬の最中、オオカミの群れが餓えて遠吠えをし歩き回ることから。 夜空と月の物語
星★月・夜空の撮影術
月刊 星ナビ 2017年 02月号
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星と月の撮り方入門
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幸運を呼ぶ夜空と星月の風景
宙富士 月と星、そして富士山
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月時館 Tsukijikan*
† 月の神秘と魅力に惹かれ月と戯むる †
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