2018年05月27日

射手座の満月+五月満月祭

520613f92018年5月29日(火)23:20  射手座にて満月を迎えます。

今回の満月は、射手座で起こります。
射手座の満月は、独り善がりのコミュニケーションを改め
双方向のコミュニケーションを心がけること、
また直感に頼りすぎず、事実関係を確認してから
行動に移すことを学ぶチャンスです。

月が星座に滞在している期間、その星座の影響を受ける身体を把握し
上手に付き合っていくことが出来れば、病気との関わりも見えてくるので
必要以上に怖がる必要もなくなります。
星座は決まった身体の部分を支配すると言われていますので
月がどの星座に滞在しているかを見ることで、健康管理にも役立ちます。

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満月は達成、成就の時。様々な結果が出やすい時期なので
新月で決めた夢や目標の進み具合を見つめ直すことに適しています。
満月で、不調和なものや改善点が見つかったら
欠けゆく月の期間で手放していきましょう。

満月は「達成」や「完了」と言われています。
自分の中で手放したいのに、なかなか手放せない感情を持っている人は
その感情を完了し、手放したい感情を解放することが出来る時です。
小さなことでイライラしてしまう自分、人から言われた言葉に傷ついた自分、
そういうマイナスな自分から解放されたいという人も
満月は絶好の機会と言えます。

満月は、吸収力に優れています。
「からだにいいもの」を積極的に体に取り入れるよう心がけてみましょう。
なんでも吸収してしまう時なので、満月の時に口に入れる物には
特に注意を払ったほうが良いと言えます。
満月の日は、お肉など脂肪になりやすいものよりも
ミネラルやビタミンなどを 多く取りたいですね。

満月に近づくにつれて、イライラしたり落ち込みやすくなったり
あるいは気分が高揚したりと、バランスが崩れて
不安定になりやすい時期へと移ります。
深呼吸やストレッチをおこなうのも効果があります。
また、そういう時期なのだと割り切って、無理をしすぎないよう意識して
ストレスを溜めないようにしてください。
『新月』に願ったことを達成できるように、今の迷いを断ち切り
迷わず『満月』に向けてチャレンジしていきましょう。

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射手座の日には、穏やかな行楽日和になることが多く
少し大胆な行動にと心が動かされやすくなります。
しかし射手座の日には双子座の時と同じように
天候は変わりやすくなるので、朝出がけには良いお天気でも
急な天気の変更に気おつける配慮が必要な日でもあります。
そのため慣れない遠出やハイキングなどはこの日を避けた方が無難です。 

射手座の満月は、楽観的な思考を与えてくれる満月です。
満月は、新月から満ち始めた月のゴールでもあります。
気分は高揚し、エネルギーに満ちている時期。
人と会ったりイベントに行くなど、楽しく過ごすことに適しています。

特に射手座満月は人を好きになれる満月です。
哲学的思想や興味のある学問を追い求める射手座パワーが働いているので
普段は敬遠しそうな勉強会や交流会などに参加してみるのがオススメです。
自分の考えを語れたり人の思想に触れたりできると、いい刺激が得られるでしょう。 

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■射手座に関係する象徴キーワード 
「真実の追究」「祈りと天上の導き」「宗教」「自然との結びつき」「直感」
「自由」「冒険」「好奇心」「法律」「楽観主義」「寛大な心」「高次の学び」
「解決策を見つける」などです。

射手座は、冒険心に満ちあふれ自由な行動力で
次々と未知なる世界へのチャレンジを試み
スケールの大きな人生を歩むことを象徴しています。

●射手座の得意分野
「自分の可能性を見出し、信じる力」
「物事の明るい側面を照らし出す力」
「物事を良い方に捉える楽観性」
「何かに没頭する事の快楽を知る力」
「難解な学問、知識に対する理解力」等です。

あなたに自由な探究心や情熱を授けてくれます。
そのプランがうまくいかない場合は軌道修正しましょう。
気分が非常に高揚し、何にでも挑みたくなるとき。
自信過剰になり、周囲とあつれきや摩擦も。
大きく発展するような出来事があるでしょう。
スケールの大きい夢を叶えられそう。
目標の幅も、今以上に広がります。
あきらめていた事でも、楽観的にとらえてチャレンジしてみては。

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■射手座の支配星は『木星』
『木星』は、成功・幸運・拡大・発展・繁栄・援助・を司り
宗教や科学、哲学など深い知性を意味する物事を
拡大し発展させ、成長させる星。
物事を大きく膨らませ、発展させる役目を持ち
社会的な成功を約束してくれる惑星です。

《運気を良くするワンポイントアドバイス》
☆旅行に出かける
☆会議を開く
☆交渉する
☆広告、宣伝
☆アウトドア活動
☆将来の目標を考える
☆カルチャーセンターや大学の公開講座を受講する

《注意すること》
☆やっつけ仕事
☆慌てる
☆不注意と無責任
☆細かいことをおろそかにする
☆不摂生
☆大胆で軽率な行動をとってしまいやすい。

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■射手座に関係する解放テーマ 
「偏見」「差別」「不注意」「無責任」「飽きっぽさ」「ルーズ」「無防備」
「現実逃避」「ひとりよがり」「やりすぎ」「無愛想」「短絡的」などです。 
 
このようなマイナス感情を抱いている人は
これらを解き放つようなお願いをするとよいでしょう。

半年前の『射手座の新月』で立てた目標に対して
努力してきた人にとっては、それなりの成果を得られる時期になりました。
目標が達成している場合は、宇宙の法則や周りの人たちに
感謝を忘れずに前進してみましょう。
そして、目標が実現しなかった場合は、目標の内容に無理がないかどうか
目標を達成するための行動ができているかどうか
その原因を分析したり、代替案を考えたりするとよいでしょう。

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■射手座が支配する身体部分
「腰」「肝臓」「座骨神経痛」「大腿部(足の付け根)」などがあります。
この辺が気になる方は、改善できるように願うとよいでしょう。

探究心旺盛な知的な部分と、アウトドアやスポーツを好む
野生的な部分をもっています。
このバランスが悪くなると坐骨神経痛や大腿に負担がかかります。
自由のない窮屈な環境も影響を及ぼします。登山好きが多いのも特徴。
足腰に負担をかけてしまいがちなので気をつけてください。
この時期に後ろ姿の美しいヒップラインを目指してケアしてあげましょう。
運動だけでは落としにくい場所なのでマッサージも効果的です。

射手座は「おしり」も象徴するので
ヒップラインや下半身を集中的に引き締める、エクササイズや
マッサージケアをおこなってみるのもよい時期です。
 
特に下半身の体幹トレーニングがお勧めです。
ティラピスやヨガなどで、腰椎の周りにある筋肉(体幹)を鍛えると、
腰椎が安定し、腰痛や座骨神経痛の改善や不良姿勢の改善につながります。
ちょっとしたことですが、後ろ姿の美しいボディラインを意識して
普段の歩き方や姿勢に気を配ってみましょう。 
それだけでも、スッキリした美しい下半身のラインがあらわれやすくなります。
年齢に負けない引き締まったヒップラインを目指して
無理なくできることからチャレンジしてみましょう。

射手座の日には、穏やかな行楽日和になることが多く
少し大胆な行動にと心が動かされやすくなります。
身体の影響は、腰から太ももにかけて痛むことが珍しくなく
坐骨神経痛などが起こりやすくなります。
筋肉痛などのマッサージには良い日なので、疲れている腰や
太ももを優しくマッサージすると効果が上がりやすい日です。

暦上では6月1日は大きく運気の流れが変わる隠遁(いんとん)になります。
梅雨に入り、日照時間が徐々に短くなっていきます。
これを境に自然の万物の勢いが弱まっていきます。
この自然界の気の流れを味方につけるには
自分の吉報方向の神社を参拝すると良いでしょう。

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●射手座のボイド時間 5/29(火)02:26 〜 07:30
●山羊座のボイド時間 5/30(水)15:27 〜 18:28

射手座のボイド時間は、深夜から早朝にかけてなので
影響はあまりないと思われますが、夜型のライフスタイルの人にとっては
影響が及ぶかもしれません。いつも以上に気分が高揚し
人の意見を聞かず独善的に振る舞う傾向が強まります。 

現実味のないスケールの空想や、アイデアに酔いしれて
自己陶酔が強くなるかもしれません。
何事にもルーズになりがちで無責任な態度が目立ってしまいそうです。
特に約束事が守れず嘘をついたり相手からの信頼を失う恐れがあります。
また、集中力が散漫になるので物事を完成させる持続力に欠けてしまい
仕事や家事、習い事、恋愛など、全てが中途半端になりそうです。
実際に苦手なことや上手くいかないことがあるとすぐに諦めてしまいそうです。 

山羊座のボイド時間は、視野が狭くなって自分の考えや意見に固執しがちです。
常識や固定概念などが強まり、責任感も増すので
自分にも周囲にも厳しくなる傾向があります。
いつもより緊張が高まり、感情の起伏も激しくなるので
周囲に対して批判的な態度をとりがちです。 

対人関係でのコミュニケーションでは、失言や論破する態度が
目立ちやすいので気をつけましょう。
また、訳がわからず憂うつになったりと情緒が乱れやすくなります。
特に、牡羊座と天秤座の月星座の人は気をつけましょう。


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鞍馬寺では、5月29日19時からウエサク祭が行われます。

ウエサク祭の起源は釈迦の誕生日、さとりを開いた日、入滅の日が全て
インド暦第2月の第1満月の夜であったという伝承です。

インド暦第2月の第1満月の夜は
現在使用されている太陽暦で、だいたい5月の満月の夜となるので
毎年5月の満月の時期には、世界各地でウエサク祭が行われます。

ウエサク(Vesak / Wesak)という言葉は
ヴァイシャーカ(Visakha)が変化したものです。

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五月満月祭 <5月の満月の夜>
新緑の五月の満月の夜は、全てのものの目覚めのために
天界から強いエネルギーが降り注ぐと言われ、満月に清水を供える
五月満月の秘儀が鞍馬山で執り行われていました。
遥かヒマラヤでもこの夜に釈尊の徳を讃えてウエサクの祭りが
敬虔に営まれている事がわかり、戦後、五月満月の秘儀を
「ウエサクさい」 とよんで広く公開し、全ての目覚めと平安を祈ります。

2018年は、5月29日(火)19:00から22:00頃まで行なわれる予定です。

P5260120

ウエサク祭
http://power-spots.jp/Wesak/
https://kyoto-design.jp/event/26675
http://www.jp-spiritual.com/kurama2.htm

zodiac008


op-moon5-6関連記事「射手座の満月」

http://lamoon.doorblog.jp/archives/51898060.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51873437.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51872340.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51844126.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51813936.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51773457.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51717102.html
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51640358.html



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2017年05月01日

五月満月祭 ウエサク祭

ほぼ一定のサイクルで満ち欠けを繰り返す月は、不老不死の象徴です。
水に映して飲み干せば月のパワーを体の中に取り込むことができ
いつまでも若く長生きできると、先人たちは考えたのでしょう。
昔から日本には、盃などに月を映して飲むという風習があります。

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京都の鞍馬寺(鞍馬山)では「ウエサク祭(五月満月祭)」といって
5月の満月の夜に、清水に満月を映し、すべてのものの
「目ざめと平和」を願う儀式が古くから続けられてきました。
1年間でおよそ12回めぐってくる満月のうち、5月の満月は特別なのだとか。
なんでも、天界と地上の間に通路が開け
強いエネルギーが降り注がれると信じられてきたそうです。

ウエサク祭は、月が東の空に現れる頃に始まります。
昇ってくる月に水を捧げ、満月の光を受けた明水をいただいたり
大地に腰を下ろして月に向かって瞑想をしたり、ろうそくに灯をともしたり。
夜通し続く、それは静かで神秘的な祭典です。

カレンダー上で満月になるのは、5月11日(木)の朝6時42分になりますが
11日の夜では満月を過ぎてしまうため、翌朝の満月をお迎えするために
5月10日(水)に行われます。

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五月満月祭 <5月の満月の夜>
新緑の五月の満月の夜は、全てのものの目覚めのために
天界から強い エネルギーが降り注ぐと言われ
満月に清水を供える五月満月の秘儀が鞍馬山で執り行わていました。
遥かヒマラヤでもこの夜に釈尊の徳を讃えて
ウエサクの祭りが敬虔に営まれている事がわかり
戦後、五月満月の秘儀を「ウエサクさい」と呼んで広く公開し
全ての目覚めと平安を祈ります。

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ウエサク祭の起源
ウエサク祭の起源は、釈迦の降誕、悟りを開いた日
入滅の日が、全てヴァイシャーカ (Visakha)月(インド歴第二月)の
第一満月の夜であったという伝承から来ており
占星のカレンダーに従ってウエサク祭の期日は決定されます。

ヴァイシャーカ ( Visakha ) 月の満月は
太陽が雄牛座から登る日(4/21〜5/21頃)であり
旧暦では四月十五日になります。
我々が使用している太陽暦(グレゴリオ暦)では四月から五月頃の
満月にあたるということから、結果的に概ね五月の満月に当たることになります。
また、ウエサク ( Vesak/Wesak ) という言葉は
ヴァイシャーカ ( Visakha ) が変化したものです。

ウエサク祭は仏教がインドから広まったとき、アジア各地
(チベット、タイ、ミャンマー、スリランカほか)など多くの国の文化に伝播し
それぞれの文化特有の方法で行われています。

鞍馬寺の起源
京都市街の北部に位置する鞍馬山は、鞍馬寺や貴船神社、由岐神社などの
有力な社寺を麓に抱え、古くから山岳霊場として知られていました。

鞍馬寺は、奈良時代末の西暦770年に、鑑真の弟子である鑑禎により
草創されたとされる由緒ある寺です。その位置は、平安京の真北に位置することから
平安時代には都(みやこ)の北方守護の寺として信仰を集めていました。
また、源義経が幼少のころ、鞍馬の天狗に剣術を習い、五条大橋で
武蔵坊弁慶をうち負かしたという伝承でも知られている場所です。

鞍馬寺の尊天
鞍馬寺は、鑑真の弟子である鑑禎により草創され
当初は毘沙門天を本尊とするお寺でした。
現在本殿には、
左手:護法魔王尊(力)
中央:毘沙門天(光)
右手:千手観世音菩薩(愛)
の三体が祀られており、三身一体で「尊天」と呼ばれています。

中でも、護法魔王尊は、魔王尊とも呼ばれ、地球の霊王とされ
650万年前に、金星から地球に降り立った、サナトクラマであると言われています。

本殿の秘仏の三像が公開されるのは、60年に一度しかありません。
鞍馬寺は、他の仏教寺とは違い、仏教的なエネルギーではなく
宇宙的なエネルギーを強く感じる場所で、鞍馬寺が言うところの
「尊天」のパワーを特に感じられる場所です。

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祈りのことば
月のように美しく
太陽のように暖かく
大地のように力強く
尊天よあふるるみ恵みを与えたまえ

※鞍馬山入山時に頂く鞍馬山案内書引用

ウエサク祭 2017


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Posted by sara1116 at 13:06Comments(0)clip!月の行事

2014年07月05日

七夕の夜は月明かりの下で針に糸を通す

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間もなく七月七日。七夕です。
元来、中国での行事であったものが奈良時代に日本に伝わり
日本古来の豊作を祖霊に祈る祭(お盆)に習合したものであり
中国では、もともと「乞巧奠(きっこうでん)」という
女性が針仕事の上達を願うための行事でした。

ちょうどこの中国の乞巧奠が行われる時期が旧暦の7月ころだった頃から
同じく7月に行われていた日本の盂蘭盆会(うらぼんえ)・・・
つまりお盆の行事が重なったものであり
古くは、お盆の行事の一環としてこの七夕も行われていました。
従って、地方によっては8月の7日頃に未だに七夕祭りが開催されるところも多く
商店街に七夕の幟が立つところも残っているようです。 

◇乞巧奠とは
乞巧奠は「きこうでん」あるいは「きっこうでん」と読みます。
奠は「てん」と読む文字で、神仏に物を供えて祭るという意味を持ちます。
あまり使う文字ではありませんが「香奠(こうでん)」に使われる文字です。
ただし現在はこの「奠」に替えて「香典」と書かれることが多いので
ほとんど目にすることのない文字です(辞書を引かないと書けません)。
この「奠」がついた乞巧奠はどんな行事かというと、文字通り意味を考えれば  
「巧を乞うて神仏を祭る行事」ということになります。

本来は旧暦のお盆が行われる7月初旬、つまり現代では
8月中旬にこの七夕の儀式も行われるべきところを、この七夕だけはなぜか
旧暦の日時のまま定着し、7月7日の日にその行事が行われるようになりました。

そもそも、七夕とは何ぞやということなのですが、前述のとおり
中国ではそもそも乞巧奠という行事であり、これはかの有名な
織姫と彦星(牽牛)の伝説に由来するものです。
この織姫と牽牛の七夕伝説は、中国史における南北朝時代
つまり、北魏が華北を統一した439年から隋が中国を再び統一する589年まで
中国の南北に王朝が並立していた時期に成立したのではないかといわれています。

このころ書かれた「荊楚歳時記(けいそさいじき)」という本には既に
7月7日が牽牛と織姫が会合する夜であると明記されており
この日の夜に婦人たちが7本の針の穴に美しい彩りの糸を通し
これらの捧げ物を庭に並べて祈ったと書かれています。
つまり、七夕とは本来、中国の女性たちが手習いで作った縫い物を
天上の織姫様に捧げ、針仕事の上達を願う行事だったわけです。 

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巧を乞うとは?

◇七夕の夜には月明かりの下で針に糸を通す
 
乞巧奠行事は中国から伝わった行事で、女性が手芸の上達を願うものでした。
古い時代の中国では七夕の夜には女性たちが外へ出て
月の光の下で針に糸を通したそうです。
月の光は明るく思えますが、実際に試してみると
案外月明かりは頼りない明かりですから、きっとなかなか針に糸は通らなかったと思います。
何度も何度も挑戦することになると思いますが、その挑戦の結果見事に針に糸が通ると
巧みを得た、といって喜んだといいます。
これは七夕の主役、織女と牽牛の織女が手芸の神と考えられていたからです。
織女は牽牛と逢える七夕の日以外は、せっせと機織りしているわけですから
手芸の神と考えられるのは当然といえば当然でしょう。

七夕はその手芸の神様、織女が牽牛と逢えるめでたい日ですから
この日に祈ればきっと願いを叶えてくれると考えられたのでしょう。
この「手芸」はやがて機織りや裁縫といったものだけでなく
文字や和歌といった手習い全般の意味に拡大されて
乞巧奠は、そうした手習事全般の上達を願う行事となりました。
あの笹に飾る短冊も、文字や和歌の上達を願って
自ら書いたものを供えたものであったわけです。

笹に短冊を飾るというのがオーソドックスな作法ですが
このように笹に飾る風習は日本以外ではみられず、中国はもとより
ここから七夕の風習が伝わった台湾や韓国、ベトナムなどでもこうした風習はないそうです。
 
こうした短冊に願い事を書き葉竹に飾るという風習は江戸時代ころから始まったようです。
江戸の昔には夏の暑気を無事に越すための「大祓(おおはらい)」の意味も込めて
茅(かや)で輪をつくり、この両脇を笹竹で囲むように飾っていたそうで
現在よりももう少し手の込んだお飾りでした。

ではなぜ笹の葉だったかというと
これが中国の七夕と日本のお盆が習合したといわれるゆえんです。
日本では、古くから笹は精霊(祖先の霊)が宿る依代(よりしろ)とされてきました。
依代とは、依り代、憑り代、憑代とも書き、つまり神霊が
「依り憑く(よりつく)」という意味であり、その対象物のことです。

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◇七夕は月夜?

乞巧奠行事として、古くは七夕の夜には月明かりの下で
針に糸を通すという行為がなされたと書きました。

ここで一つ問題。
七夕の夜はいつも月が出てくれていたのか?

答えは・・・ 「いつも月夜でした」です。
(もちろん晴れていればですが)
 
これはなぜかといえば、それは皆さんも既にお気付きの通り
暦の仕組みから自明のことなのです。

七夕の行事が生まれ、拡がった時代の暦といえば
月の満ち欠けに基礎をおいた太陰太陽暦でしたから
七月七日の七夕の夜は、新月から数えて 7日目の日。
新月から数えて 7日目というと、上弦の半月の日かその前日となります。
ですから七夕の行事が行われるこの日には、日暮れの時間には上弦の月が
南の空の高いところに輝いていたことになります。

現在の七夕の行事は現在使われている暦(いわゆる新暦、太陽暦)の
7月7日に行われることが一般的になりつつありますから
残念ながら七夕の夜には常に月があるという関係は崩れてしまっています。

今年(2014年)の七夕の夜(新暦の日付での7/7)の月は
どんな具合かと見ると、新月から数えて十一日目。
古式ゆかしい七夕の夜の月に比べると大分太めの明るい月になります。
「月の光の下で針穴に糸を通す」という行事を行おうと思った場合には
少し有利な条件かもしれません。
七夕の夜、ものは試しに月の光の下での針への糸通しに挑戦して見る
というのはいかがでしょうか? 
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「七夕」と書いて「たなばた」と読むことを
不思議だと思ったことはありませんか?

七夕の節供を知らなければ「七夕」と書いて「たなばた」と読むとは難しい
というか不可能でしょう。
 
実は「七夕の節供」は節供の名前としては
「シチセキの節供」と読むのが本来で、「たなばたの節供」という読みは
七夕の節供が中国から日本に伝えられる以前から日本に元々あった古い行事と
この節供が結びついてから生まれた読みなのです。

◇七夕は「棚機(たなばた)」
七夕の節供は他の五節供(人日・上巳・端午・重陽)とともに中国から伝えられた行事です。
ところが、七夕の節供が伝来した時代にはすでに
七夕の節供の行われる七月七日には別の行事があったのです。
それが「たなばた」の語源となったといわれる「棚機都女(たなばたつめ)」の行事です。
棚機都女の行事というのは、祖先崇拝の行事で、水辺(禊ぎのためと思われます)に
小屋を建て、祖先に捧げる布を織ってこの小屋の棚に載せたというのがその内容です。
棚機都女はこの祖先に捧げる布を織る女性のことで
その織物を織る機織り機が棚機だったのです。

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伝統的七夕の日は、必ず半月状の月が輝いていますが
 天の川を楽しむなら月が沈んだ後がおすすめ。 
午後11時半を回ると、空が一層暗くなります。 
その時刻、織姫と彦星は西の空の高さ約50度の付近に輝き
 向かって左に彦星、右に織姫が見え
二つの星が夜空でデートを楽しんでいるようです。 
そしてその間に、淡い光の天の川が見えるでしょう。

最後に、伝統的七夕の日の夕食は、さっぱりと素麺がよいでしょう。 
古くから宮中などでは、七夕に索餅(さくべい)というお菓子を食べて
厄除けをする風習があったそうです。 
索餅は素麺のもとになった食べ物とも言われるので
七夕に素麺を食べて厄払いも忘れずに。
 
2014年の伝統的七夕は8月2日(土) 

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関連記事 
 
「七夕と月と星」
http://lamoon.doorblog.jp/archives/50484303.html
「伝統的七夕の夜空」
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51652305.html
「伝統的七夕(旧暦の七夕)」 
http://lamoon.doorblog.jp/archives/51325796.html 
 
伝統的七夕ライトダウン2014キャンペーン
参考 一部抜粋 『暦のこぼれ話』
七夕 - Wikipedia



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Posted by sara1116 at 13:44Comments(0)clip!月の行事

2013年09月12日

中秋の名月は仏滅名月

今年(2013年) の「中秋の名月」は9月19日(木曜日)

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一年のうちで最も美しいとされる中秋の名月は旧暦の8月15日の月。
2013年は9月19日(木)にあたりますが
この中秋の名月の日は必ず仏滅になるというのはご存知でしょうか。

これまでも、ピックアップして記事にしてきた「中秋の名月」ですが
今回は「中秋の名月」と「仏滅」の関係についてまとめてみました。

中秋の名月は必ずしも満月とは限りませんが
六曜では、中秋の名月(旧暦8月15日)は毎年必ず仏滅になります。
あまり聞かない言葉かもしれませんが【仏滅名月】という言葉があります。
なぜなら…『中秋の名月は必ず仏滅』になるからです。
今年は9月19日。カレンダーの六曜をみてみると…
今年の中秋の名月もやはり「仏滅」です。 

旧暦における秋は7〜9月。その真ん中の月の8月が中秋であり
その真ん中の日、旧暦8月15日に観られる満月が中秋の名月です。
(現在の暦では9月の下旬に観られる)
中秋の名月の日、旧暦8月15日というのは、六曜では必ず仏滅になる。
このことから仏滅名月とも呼ばれます。 

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「六曜」とは、六曜星の略で
大安、友引、先勝、先負、仏滅、赤口の6つを指し、それぞれ意味を持っています。
http://manner-good.com/rokuyou.html  

大安吉日という言葉がありますが
大安とは旧暦の頃に使われていた曜日のひとつです。
現在の曜日は「月・火・水・木・金・土・日」の7曜ですが
旧暦の頃の曜日は「大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅」の6つで六曜になります。
六曜の場合、旧暦で毎月1日の曜日が月ごとに決められていて
旧暦8月の場合の1日は友引とされています。
この順番で行くと、8月15日は必ず仏滅になる訳です。 

六曜の決め方は、旧暦の日付を機械的に割り振った単純なものです。
旧暦の1月1日を先勝、2月1日を友引、3月1日を先負というように
毎月1日を六曜順に決めて2日からは順送りとして割り振り
月が終われば切り捨てるという方法です。

言い換えると、六曜は次の式で求めた余りの数によって決められます。

 (旧暦の月+旧暦の日)÷6=商・・・余り

余りが   0 →  大安
     1 → 赤口
     2 → 先勝
     3 → 友引
     4 → 先負
     5 → 仏滅

したがって、中秋の名月の日は(8+15)÷6=3・・・余り5となり
必ず仏滅となるのです。

つまり、同じ月の同じ日なら、いつの年でも六曜は同じ、ということです。

旧暦さえ分かれば、六曜の簡単な計算法があるそうです。
(旧暦の月+日)÷6で余った数字を以下の表に当てはめれば良いのだそうです。
 
こちらのサイトで新暦を旧暦に変換してくれます。

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六曜のルーツは中国宋時代末の六壬時課(りくじんじか)と言う時刻の
吉凶占いがもとといわれています。( 宋朝は日本では鎌倉頃 )
日の吉凶に取り入れるのは清朝からだそうです。
日本へは時刻占いの六壬時課として、14世紀ごろ入って来たようです。
日本で今のように使われだすのは江戸時代後期からで
ブームになるのは新暦を採用してから後です。
日の吉凶を占うものには日曜・月曜などの七曜があり、平安時代に入ってきました。
もちろん1週間のように、日にちを区切り生活のサイクルとするものではありません。
週となるのは西洋暦を輸入し、サンデー・マンデーにあてはめた明治以後です。

仏滅の日は最も凶の日とされていますが
単なる迷信なのかどうかは定かではありません。
美しい名月と相反する凶とが重なり、より神秘的な日にしているのでしょうか。 

必ず仏滅となる中秋の名月が、なぜ名月と呼ばれるのか・・・
主な理由は、月の高さと、天気。
月は太陽とは逆に、その通り道が夏低く、冬高い位置となります。
そして、見上げるのに適した高さの満月となると、春か秋ということになるわけです。
しかしながら、春は「春がすみ」といわれるように、空がスッキリとしていません。
逆に秋は「秋晴れ」と称されるように、月がクッキリとキレイに
見えるということになりますので、「名月」は秋の季語としても取り扱われいます。
そして、「中秋」は、まさに秋のど真ん中ということで「中秋の名月」となっています。 

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大安の日にお月見がしたいと言う方がおられるかもしれませんが
残念ながら、かなわぬ願いです。(笑)
ですが、名月が見れなかったのは縁起が悪いと思ってしまうとしたら
心を映す、知識という鏡が曇っているのかもしれません。 
このルールを知らなければ、縁起を担ぐことにもなります。 
名月は、秋の収穫を祝うおめでたい行事でもあります。 
仏滅で縁起が悪いから、今年はお祝いを取りやめたという話を聞いたことはありません。 
最も、現代は別な意味でお月見の余裕がなくなっています。 
曇で月は見えないこともありますが、人の心や社会が
嫌な空気に覆われるとどうなるのか、懸命な皆さんはお分かりだと思います。 
六曜の順番のシステムが分れば
縁起の見直しにもなるのではないでしょうか?  

2013年9月19日 20時13分。
東京では、東南東の方角に、少し低い位置で真の満月が見られます。
 
月が雲に隠れたり、雨が降って月がみえなくてもそれはそれで
なんとなくほの明るい風情を楽しむのも中秋の名月の楽しみ方です。 

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秋の丸い月は、高からず低からず
中天のちょうどよい高さにかかりとても見やすくなっています。
また大陸の乾燥した空気が張り出してきて
澄んだ空気になりますので月が美しく見えます。
ススキや花を供えて月を見る風情はよいものです。
是非お月見をしてみましょう。

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2014年の中秋は9月8日(月)
  満月は9月9日。 
 
2015年は9月27日(日)
  満月は9月28日。
 
2016年は9月15日(木)
  満月は9月17日。 
 
2017年は10月4日(水)
  満月は10月6日。 
 
2018年は9月24日(月)
  満月は9月25日。 
 
2019年は9月13日(金)
  満月は9月14日。
 
2020年は10月1日(木)
  満月は10月2日。 

そして、次に中秋の名月が満月となるのが
2021年9月21日となります。 


2003年9月
夜空のカレンダー - てんきとくらす [天気と生活情報
http://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/index.html


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0_0_0_0_0_0_0_0_0_0_0_0_icon_moonsilver 月時館 「月見」「月の行事」 関連記事一覧
http://lamoon.doorblog.jp/archives/cat_50035187.html 

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中秋の名月

Wikipedia(月見)
Wikipedia(旧暦)
Wikipedia(六曜)

六曜・月齢・旧暦カレンダー
【2500円以上送料無料】「和の暦」から見えてくる日本人のしきたりと風習 たとえば、8月15日のお月さんを、なぜ“中秋の名月”というの?/博学こだわり倶楽部
「和の暦」から見えてくる日本人のしきたりと風習 
たとえば、8月15日のお月さんを、なぜ“中秋の名月”というの?

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2012年10月03日

月を愛でる秋の宵

夏空眩しい季節はしだいに和らぎ
秋色を纏った夕暮れが顔を出すようになりました。
朱に染まりゆく群青色のさまは、秋が訪れる足音のよう。
美しい秋の空に想いを馳せます。
秋といえば美しい月。
今も昔も変わらず、闇夜のしじまに輝く月。
月明かりに誘われ、秋の夜長を楽しみたい・・・。

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秋は月の季節。
他の季節に比べてもきれいに見えると言われますが
これはそう感じるだけでなく、科学的な理由があるのでしょうか?
秋の月がきれいな理由は、単に心理的な問題だけではなく
いくつかの科学的にみて正当な理由があるようです。

1つめは、秋の空気が比較的乾いている
もう少し具体的にいうと、空気中の水蒸気量が少ないということです。
これによって、大気がぼやけたりすることがあまりないため
くっきりとした月が見えます。
逆に夏は水蒸気量が多いため、どうしても
少しぼんやりとした月になってしまうことが多いようです。

また、月の高さの問題もあります。
月の通り道の関係で、実は月が見える高さは季節によって異なります。
冬の月は空高く、夏の月は割と低い位置にあります。
月が低い位置にある場合、地表付近のちりや明かりなどに邪魔されて
きれいにみることができません。また大気によって
光が吸収されるため(減光といいます) 低い月はどうしても暗くなってしまいます。
では、高い位置にあれば見やすいかというとそういうわけでもありません。
確かに大気の影響は少なく、くっきりとした月にはなるのですが
「見る」という行為からすると、高い位置にある月は見上げるのに結構大変です。
そもそも冬の寒い時期に、外で長時間月を眺めるのは
かなりつらいことでもあります。

こうしてみると、適度な高さにある春と秋の月が見やすいということになりますが
春はよく「おぼろ月夜」といわれるように、空気中のちりや花粉などが
多い季節でもあります(黄砂なども春に多いですね)。
そのため、年間でいちばんきれいな月が見える季節は
実は秋という結論になるわけです。

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秋を感じさせる夜風が吹くようになると
音色も夏の虫たちから秋の虫たちに変わってきます。
夜空に輝く月の光も冴えてきます。
すすきも立派な穂をつけて、秋はお月見をするには絶好の季節。

秋の月の光が冴えてくるのは、気温が低くなって
大気中の湿度が下がり、透明度が良くなるから。
秋の空は、夏に比べて高く感じるのも、そのせいでしょう。
また、天文学的には月の高度も関係します。
夏の間の満月は南の空に低いのですが
秋になると次第に北の空に動いて行きます。
そのために、日本のような中緯度地方から見ると
夏の満月は南の地平線に近く、大気の影響を受けやすく
鈍い輝きになってしまいがちです。
秋になると満月は空高く上がるようになるので、輝きが増していくわけです。 

もうひとつ、秋の大事なところは「収穫の季節」ということ。
農作物の収穫を手にして、家路につく夕暮れ時
東の地平線からぽっかりとのぼってくるまん丸のお月様を眺めると
なんともいえない感謝の気持ちが芽生えてもおかしくありません。
中秋の名月というのは、もともとお月様に秋の収穫物をお供えして
恵みを感謝する行事なのです。

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昔の暦(旧暦)で、8月15日の満月の時に行う十五夜。 
この中秋の名月のお月見の風習は、もともとは中国が発祥地で
いまでもアジア各地で受け継がれています。
お供えものは、日本ではススキの穂にお団子といった組み合わせがおなじみ。
お団子には必ず新米を使うという地方もあるそうです。
元祖・中国では月餅を供え、サトイモが中心です。

日本では中秋の名月から約1ヶ月後の満月少し前
旧暦9月13日に「十三夜」のお月見を行うところもあります。
十三夜の方を栗名月あるいは後の月といい、中秋の名月の方は
これに対比させて芋名月と呼んでいます。
二回もお月見をする風習は、日本独特のもののようです。 

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ところで、東から上ってくるまん丸の中秋の名月を
「満月」だと思っている人は、案外多いのではないでしょうか。
実は中秋の名月は、必ずしも満月と一致するわけではありません。

月は地球の周りを公転しているのですが、そのスピードは一定ではありません。
時にはややスピードを上げて、またある時にはスピードを緩めたりします。
これは地球の周りを回る月の通り道(軌道)が、正確な円ではなく
ゆがんだ楕円だからです。月と地球の距離は平均的には38万kmなのですが
時には40万kmまで遠ざかることもあれば
あるいはまた36万kmにまで近づくこともあります。
月までの距離は、なんと一割近く違ってしまうのです。
そして、地球に近いときには月はスピードアップし
遠いときにはスピードダウンします。
こうして、新月から満月に至るスピードが遅い時期には
十五夜だとしても満月前の月となり
逆にスピードが早い時期には満月の翌日になるわけです。 

さらにもうひとつ、月齢と日付のタイミングも問題となります。
新月の瞬間から満月の瞬間までに経過する日数は
平均すると約14.76日となります。
中秋は昔の暦で新月のある日を1日として、そこから数えて15日目です。
ですから、新月の瞬間が8月1日の日のうちの
かなり遅い時刻に起こったとすれば、当然8月15日のうちには
満月にならずに16日目が満月となるわけです。
新月になる瞬間が旧暦の1日の、どの時刻に起こるかのタイミングによっても
十五夜が満月になるかどうかに影響するわけです。
この二つの理由によって、十五夜は満月前にも満月後にもなり
天文学的な満月とはかならずしも一致しないのです。
ちなみに今年2012年は満月が9月30日。
中秋の名月も9月30日となり、満月と十五夜が一致しました。

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一年で最もきれいに月を見ることができる中秋の名月。
日頃、月を眺めることがなくても大きな月が空に浮かんでいると
思わず見とれることもあるかもしれません。
月見をするにはいくつかの条件が揃わなければなりません。
まず月が見える天候であること、そして月を遮るものがない場所にいることです。
最低この二つが揃って月を見ることができるようになります。
中秋の名月の頃に夜空に月が上がっていたなら
まずその場で一枚押さえおきましょう。
なぜなら、場所を移動している間に
月が雲に隠れて見えなくなることもあるからです。

月の光を身体いっぱいに浴びながら
遥か彼方の月に想いを寄せてみる。
月を愛でながら、秋の風流を感じて過ごす宵。
秋風と月の光を浴びながら、スローライフな宴
お月見を楽しむ時間。

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空が少しづつ高くなり、青が深まっていく様子に季節の移ろいを感じます。
夜には月がくっきりと、星の瞬きも一層美しく見え見飽きることがありません。
昔からの月にまつわる風習の中に「月待(つきまち)」があります。
十三夜や十九夜、二十三夜など
特定のかたちの月が出てくるのを待つもので
それぞれ数字や月のかたちから意味が異なり
江戸時代には娯楽としてかなり人気があったようです。 

月が暮らしの中のあちこちに登場していた昔は、今よりも身近な存在でした。
そういった歴史があるからこそ、私たちも月を見て自然とほっとしたり
満たされた気持ちになったりするのかも知れません。
月を見ていると、見守ってくれているような
受けとめてくれているような安心感にも似た想いがわいてきます。 
私達が気づいていなくても、月はいつもそっと寄り添っていてくれる・・・
日々の中に月との時間をもつことは、ほっと一息立ち止まってその瞬間の
自分を感じ、楽しむことにつながるかもしれません。
 
tuki
 
十五夜の満月だけがお月見ではありません。
週末の夜など都合のよいときに秋の名月を楽しみましょう。

十五夜の満月は美しいものですが
昔からわが国では、欠けた月も満ちた月も
それぞれに名前をつけて愛でていました。
そうして今宵の美しい月の出を楽しんだのです。
月は一日一日形を変えていきます。
満ちては欠け、欠けては満ちてを繰り返すわけは
月が自分で光らずに、太陽の光を受けて輝いているためです。

月が地球の周りを約1ヶ月かけて一回りする間に
太陽に照らされた部分を地球に全部向けたり半分向けたりするため
満月になったり半月になったりするように見えるわけです。
月が太陽と同じ方向にいるときを「新月」といいます。
新月から2日経った月は「三日月」で月齢は2。

月齢とは、新月から何日たった月かを表す数字です。
7〜8日目の半月は月齢7.5で、「上弦の月」と呼ばれます。
日にちがたつと月は次第に丸く満ちていき、15日目の夕方には
東の空から丸い満月になって昇ります。これが「十五夜」。
満月は、太陽の反対側に月がいるときになるため
太陽が西に沈むとすぐ東の空から昇ってきます。
十五夜だけでなく日々移り変わる月をも愛で
「今宵の月」に名前をつけたのが日本人。
風情ある月の呼び名をどれだけ知っていますか。 

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ススキに限らず、庭の花や身近に咲く草花を「十五夜花」に見立てて飾ったり
旬の野菜を活かしたメニューや、月をモチーフにした飾り付けをしたり
満月や三日月の形に切ったレモンの皮をジュースやお酒に浮かべたり・・・
たまには、室内の照明やテレビをオフにして
闇夜にぽっかりと浮かぶ月や、涼やかな夜の秋風
静かに響く虫の声を感じながら過ごすひとときを。
十五夜花の風情を愛でながら食事や会話をゆっくり楽しんだり
ひとりでも、ゆっくりと過ごす時間を楽しむのもいいものです。
お月見に限らず、季節の行事を取り入れて
日常的に花鳥風月を愛でる暮らしは
四季の情緒をいっそうもたらし、心を豊かにしてくれそうです。

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月や自然に親しみを感じ、そこに息吹を感じることは
自分たちが自然と共にあるという在り方。
人間と自然の間に繋がりや通いを感じます。
満ちては欠けて、欠けては満ちる…日々変わる、その時々の月の美しい姿。
秋の夜長に、ただじっと穏やかに月を眺めてみるのもいいかもしれません。

 ルナーフェイズ 

2012年10月
下弦   8日 7:33 am 
新月 15日 12:02 pm 
上弦 22日 3:32 am 
満月 29日 7:50 pm 

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2012年11月
下弦   7日 12:36 am 
新月 13日 10:08 pm  (皆既日食 オーストラリア、南太平洋)
上弦 20日 2:31 pm 
満月 28日 2:46 pm  
(既に欠けた状態で月の出となる月出帯食 インド、アジア、オーストラリア) 
(月が地球の半影を通過する月食 半影月食)

201211mooncal

十五夜花として利用される主な植物
キク科    シオン、ノコンギク、ユウガギクなど  
キキョウ科 キキョウ 秋の七草
オミナエシ科 オミナエシ 秋の七草
マメ科       ハギ類 秋の七草
バラ科       ワレモコウ  
イネ科      (カルカヤ) 地域により異なる植物をさす

PHOT00000000000B5D10_500  

今月は5日に木星と寄り添って上ってくる月と
13日明け方の東の空で細い月と金星のランデブーが見もの。
そして27日の後の月の月見も楽しみたいですね。
 
pin4 10月 主な天文情報と月の暦

3日(水)・明け方、東の空で金星とレグルス(しし座)が大接近
5日(金)・深夜から翌6日の明け方にかけて、月と木星が大接近 
     ・10:00 月の距離が最遠(1.054、40万5156km、視直径29.5')
6日(土) 05:57 :月が木星の南00゚54.8'を通る ・10:44 ●月が最北(赤緯+21゚01.5')
7日(日) 13:37 月と準惑星ケレスが最接近(00゚55.0')
8日(月)・寒露(太陽黄経195度) ・10月りゅう座流星群の活動がピークの頃 ・16:33 下弦の月
     ・10月りゅう座流星群が極大(旧ジャコビニ流星群、出現期間10月7日〜10月11日)
13日(土) 細い月と金星が並ぶ  ・4:10 :月が金星の南06゚19.3'を通る 
15日(月)・新月
18日(木)・夕方、西の空で月・火星・アンタレス(さそり座)が集合
21日(日)・オリオン座流星群の活動がピークの頃
22日(月)・上弦の月
23日(火)・霜降(太陽黄経210度)
27日(土)・十三夜(旧暦9月13日)


図解 「月夜」の楽しみかた24 (講談社+アルファ文庫 C 123-1)
図解 「月夜」の楽しみかた24 

月で遊ぶ
月で遊ぶ

Birthday Moon―月を見ると、こころが綺麗になる 月が教えてくれる、あなたの過去・現在、そして未来 (マーブルブックス)
Birthday Moon
月が教えてくれる、あなたの過去・現在、そして未来 

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2012年09月24日

中秋の名月を楽しむ「十五夜・十三夜」

秋といえば月。天が澄みきっていく清々しく美しい季節。
清光冴えわたる神秘の月を心で愛でる・・・。 

秋を告げる中秋の名月。
一年のうちで最も月を意識するこの夜。

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古来より風雅の至高、日本の美意識の象徴と称えられてきた「雪月花」。
花といえば「桜」、秋といえば「月」をさすことは
古く万葉の時代から続く日本の美学です。 
かつて、月は風雅の対象として愛でられる以前に
信仰の対象であり、人々の神秘さへの憧れでした。

月は欠けてもまた満ちるでの復活と不死の象徴とされ
子供たちも、月に動物や宮殿があることを信じていました。
科学の進歩による月面着陸以来、かつての月に馳せる
神秘的な想いは色あせましたが
日常の喧騒の中で忙しなく生きる現代だからこそ
月に寄せる風流の心を残していきたいものです。 

2012年の十五夜は9月30日(日)
月の出:17:13 月の入:05:25 (東京) 
旧暦 8/15   月齢:14.03 (正午)    満月・十五夜

2012十五夜
アストロアーツ

照りつける太陽が姿を潜め、虫の音が響く初秋の夜。
だんだんと日が短くなり、人々が涼やかな夜長を楽しむこの季節は
お月さまが一番きれいに見える季節でもあります。
深い闇の中にぽっかりと浮かぶまん丸のお月さま。
照りつける太陽とは対照的な慎ましい月の光に
多くの人が魅了されてきました。

残暑も和らぎ、夕方は肌寒く感じる陰暦八月十五日。
古くから供え物をして月に祈りを捧げてきました。
年に一度の月見の時節「十五夜」の「中秋の名月」
季節によって全く別の表情で上空に静かに昇る月…
人も地球上のいろいろな生き物たちも美しい満月の力を感じ
そして満月に癒される。

旧暦で「8月15日」にあたる日は秋のお月見の「十五夜」の日です。
「十五夜」は必ずしも満月になるわけではありませんが
2012年は昨年に続き、十五夜が満月の日になります。

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「中秋」は旧暦八月十五日のことを指しますが
本来は旧暦の八月をいい、七・八・九月を秋とし
それぞれを初秋・中秋・晩秋と呼んだことに由来しています。
特に中秋十五日の満月の日を、八月節・中秋節と言いました。
もちろん旧暦ですから、必ず9月の特定の日に
中秋節が到来するわけでは在りません。

年  旧暦8月15日  満月の日
2006年 10月07日  10月06日
2007年 09月27日  09月25日
2008年 09月15日  09月14日
2009年 10月04日  10月03日
2010年 09月23日  09月22日
2011年 09月12日  09月12日
2012年 09月30日  09月30日
2013年 09月19日  09月19日

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中秋名月 ( 旧8月15日) 
2012年 9月30日
2013年 9月19日
2014年 9月  8日
2015年 9月27日
2016年  9月15日 
2017年   10月 4日 
2018年  9月24日 
2019年  9月13日 
2020年   10月 1日 

名月を楽しむ

澄み渡る初秋の夜空を照らす、まん丸いお月様。
「十五夜」とは、ほっそりと輝く新月が夜ごとに満ちて満月になる
文字どおり15日目の夜のことです。
満月を鑑賞する習慣は中国から伝わったとされていますが
平安時代の日本では暦の違いから13日目が満月にあたり
「十三夜の名月」として鑑賞していたとか。
暦の数え方が一つになってからは、日本でも15日目が満月になりました。

「花鳥風月」という言葉に集約されるように
日本人は古くから月に惹きつけられ
満ち欠けの様子をも情緒あふれる名前で呼んできました。
例えば、三日月、弓張月、十六夜月、立待月、臥待月、更待月…。
月の形はもちろん、眺める時間帯や所作までもが
呼び名に込められています。
また、分厚い雲に阻まれて姿が見えない時は「無月」と嘆き
雨で隠れていれば「雨月」と言って存在を惜しみ…。
見えない姿にまで名前を付けたわけですから
いかに日本人が、月に慕情を抱いてきたかうかがえるというもの。
これほどまでに、月にしっとりと官能的な呼び名を冠した民族は
他に類を見ないのではないでしょうか。
その風雅な感性を忘れないことは、日本人としてのたしなみともいえます。

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「お月見」の風習は、平安時代初期から貴族の間で行われていたようです。
中秋(旧暦の8月15日)の時期は空気も澄み、最も美しい満月が見られるので
特別に「十五夜」と呼び、区別し「観月宴」もしくは「月の宴」を催しました。
当時のそれは、月を見ながら即興で和歌を読み酒をたしなむという風流なもの。
平安貴族流の月見とは月を直接見上げるのではなく
池に船を浮かべて水面に映った月を船上から愛でるというもの。
京都御所の西・[魯山寺]で過ごした紫式部が、中秋の名月を眺めている時に
物語の着想を得て『源氏物語』を書き上げたというのも有名な話です。

江戸時代になると庶民にもこの風習が広まり、月の見える所にすすきを飾り
お団子をお供えするのが一般的となります。
地域によっては、里芋やサツマイモ(芋名月といわれるゆえん)などの
季節の農作物を盛ることから、お月見は徐々に「秋の収穫祭」としての
性格を持ち併せるようになりました。
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旧暦を使用していた時代は(1872年頃まで)
月の満ち欠けによっておおよその月日を知り農事を行っていました。
一説によると、欠けたところの無い満月は豊穣の象徴だったそうです。
そのため十五夜の満月の夜は豊作を祈る祭の行われる
大切な節目でもあったようです。
一方、中秋の名月を鑑賞するという風習は
中国では唐の時代から知られており
これは後に平安時代の貴族の間に取り入れられ
武士や町民へと次第に広まって行きました。
そして現在の「お月見スタイル」になっていったようです。

「十五夜」は、中秋の名月を鑑賞する他
これから始まる収穫期を前にして、収穫を感謝する
初穂祭としての意味あいがありました。
9月頃に収穫される「芋」をお供えすることから
「芋の名月」とも呼ばれています。
現在では、満月のように丸い月見団子と魔除けの力があるとされた
ススキを伴えるのが一般的な「十五夜スタイル」です。
また、地方によってはこの日だけは、他人の畑の作物を
無断で取っても良いとか、子どもがお月見のお供え物を
盗んで良いとする風習もあるそうです。

日本では平安時代から貴族の間で月を鑑賞するお月見がありました。
その時に池に船を出し、短歌や俳句を読んだりしました。
池に映る月や、杯に映る月を楽しむ遊びだったようです。
直接の月をめでるより、さらに凝った仕方でめでるわけで、遊び心があります。
現在は、月が見える場所にススキや、月見団子、里芋、栗、枝豆などを飾ります。
特に西日本ではこの日に、月が見えるのはなかなか少ないですが
十五夜の夜に雲で隠れて月が見えないことを「無月」と呼びます。
一方雨で月が見えないことを「雨月」と呼びます。

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美しい月を楽しむイベントは各地であります。

「お月見2012」 
2012『中秋の名月』・『月見』リンク集 
中秋の名月 未来館でお月見!2012 
横浜 三渓園 観月会 
「名月 秋を楽しむ」 (京都) 
e京都ねっと | 観月のススメ 

『お月見特集2012』:お天気JAPAN

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十三夜
十五夜に対して旧暦九月十三夜の月見の風習。
旧暦では毎月13日の夜のことを「十三夜」といっていましたが
9月13日は特別で、月を愛でるならわしがありました。 
十五夜を「中秋の名月」と呼ぶのに対し、十三夜は
中秋の名月に対して「後の月(のちのつき)」
この時期に収穫されるものにちなんで「豆名月」「栗名月」ともいいます。

一般に十五夜に月見をしたら、必ず同じ場所で
十三夜にも月見をするものともされていました。
その昔は十五夜と十三夜の片方だけ観月するのは「片見月」と言って
不吉なものとされ忌み嫌われる風がありましたが
これは日本において江戸時代から始まった
特に都市部に多くみられた風俗です。 
十三夜は日本だけの行事であり、お月見が二度あるのも日本特有です。
一説には、秋の収穫祭として古くからお月見がされており
そこに中秋の名月の行事が入ってきたために
お月見が二度になったといいます。

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旧暦の毎月13日の夜を「十三夜」といっていましたが
9月13日の夜は特別で、十五夜についで美しい月とされ
宮中では、古くから宴を催すなど月を鑑賞する風習がありました。
十五夜は中国から伝わったものですが、十三夜は日本固有の風習で
秋の収穫祭の一つではないかと考えられています。
この風習の由来については、菅原道真が9月13日の月を見て
月の光が鏡のようだという詩を読んでから
一般に十三夜の風習が広まったという説や
その他いくつかの説がありがありますが
真偽は定かではないようです。
旧暦13日の月はまん丸の満月ではありませんが
十三夜の頃は、夜にはだいぶ冷え込むようになるので
あえて早目に月が出る9月13日を選んだのかもしれせん。

十三夜
年  旧暦九月十三日  曜日 
2012年 10月27日 土曜日 
2013年 10月17日 木曜日 
2014年 10月6日 月曜日 
2014年 11月5日(閏9月) 水曜日 
2015年 10月25日 日曜日 

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元来「お月見」は、月は満ちては欠け、欠けては満ちを繰り返すことから
「ものごとの結果に感謝するお祝い」として
また月からは生命を連想されることから
「祖先の霊を偲ぶ」といった意味合いをもち
ひいては、ここから「収穫を祝う」日となっていったといわれます。
十五夜はあまりすっきりしない夜空であることが多いのに対し
十三夜の夜は晴れることが多いようで
「十三夜に曇り無し」という言葉もあります。

月見をただのイベントと捉えず
自然環境の力で、美味しい農作物などの食物を
食べさせてもらっているという感謝の気持ちをお供え物にして
お月様に供えてみたら、おおらかで感謝の気持ちを忘れない
昔の日本人のあり様を思い出せるかもしれません。

暑気がひき、空気が澄みわたった秋の夜長。
すすきの穂が空をなでるころ、ひときわ美しさが冴えわたる「月」
あなたなら、秋宵の月をどう愛でますか? 

tukimi01 

◇「月時館」 月見 関連記事
中秋の名月・十五夜 満月
後の月見
秋空の月
3月見 (十五夜、十三夜、十日夜)
秋の夜長に月を見上げて
観月会

◇「月彩Tsukisai」関連記事
秋宵の月見と室礼 
十三夜 
中秋の名月と古都 


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2011年10月05日

後の月見

陰暦九月 十三夜の月見

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十五夜に対して「後の名月」とも呼びます。
「中秋の名月」の次に美しい月といわれ、もうひとつの月見とされています。
「十三夜様」は縁起の良い月とされ「拝むと成功する」といわれています。
 
また「毎月十三夜の月を拝むと、財運に恵まれる」ともいわれています。
十五夜に月見をしたら、必ず十三夜にも月見をするものとされていました。
十五夜だけでは「片月見」といって忌まれていたのです。日本独自の風習。

中秋の名月 ●2011年  9月12日
後の月    ●2011年10月  9日

旧暦8月のことを「月見月」ともいい、逆に雨が多く月が見られない
旧暦5月のことを「月見ず月」ともいいます。
旧暦の8月15日の月は「中秋の名月」と呼ばれ「芋名月」とも言われています。
約1ヵ月後の旧暦の9月13日の月は「後の月」と呼ばれ
豆名月」とか「栗名月」とも言われます。
 
秋は日没が早くなり、日没と同時に上がる満月にも
目が向きやすくなる季節です。
ちょうど農作物の収穫時期に当たり、収穫感謝祭という意味合いで
名月には小机に稲の穂に見立てたススキやお神酒とともに
三方に載せた月見団子あるいはおはぎと里芋などの
収穫物を供える風習があります。日没が早くなると
忙しい農作物の収穫時期には月明かりがありがたいという
直接の感謝の気持ちも込められているようです。 

日本で古来から民間で行われた月見は旧暦9月13日に行われる月見で 
十三夜」と呼ばれています。これは芋を代表とする
秋の実りに感謝する収穫感謝祭の意味合いを持つものでした。 
中秋の名月の浸透とともに「片見月」をするものではないと言われ
「中秋の名月」と「後の月」とも言われるようになった十三夜の
両方のお月見をするように薦められました。

月見の風習は、中国からきたものですが
「後の月見」は日本だけで発達した風習です。
中秋の名月を見たら、必ず九月の十三夜の月も見る。
どちらか一方は「片月見」といって嫌がりました。
しかしこれは吉原で客を呼ぶためのキャンペーンだったとも言われています。
「ぬしさん、片月見は悪うありんす。後の月にもきっと来ておくんなんし。」
・・・なんて言われていたのかもしれません。
後の月は、前と同じ場所で(同じ人と)見ないといけないとも言われていたとか。
この「後の月」は江戸だけの風習とも言われています。 

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月百姿(つきひゃくし)

十三夜の月祭りは日本固有の風習であり
十五夜のように中国由来のものではありません。
醍醐天皇の時代、延書十九年(九百十九)の九月十三日に
観月の宴が催されたのが始めだとも、宇多法皇がこの夜の月を
無双と賞したことによるともいわれますが
はっきりしたことはわかっていません。
九州北部では「女名月」と言い、この日は女性がいばることのできる日としています。
徳島県では中秋の名月に対して十三夜を「姥月」と言って
年をとった女性に見たてる呼び名もあるようです。
長野県では「小麦名月」と言ってこの夜の天気がよければ
次の年の小麦が豊作になるとします。

この日も十五夜とおなじように、子どもたちが団子を盗んだり
もらい歩いたり、他人の畑から無断で作物を取ってきたりしても
とがめられない習慣があります。
長崎県の対馬では、この夜の月を豆名月と呼び
他人の畑から大豆を取ってもよいとされていました。
栃木県には「ぼ−じ棒打ち」という行事があり、子どもたちが大勢で
ワラや芋の茎を束ねて作ったぽ−じ棒で地面をたたき
「ぼ−じばっくり、山芋、大麦あたれ、小麦あたれ、三角ばったのソバあたれ」
と歌いながら、村中を回ってお金や団子やおはぎをもらって歩きます。
また長野県には、この夜の天気で来年の農作物の出来を占う風習も残されています。

ヨーロッパでは、秋分の日に一番近い満月を「収穫月」と呼び
その次に巡ってくる満月を「狩猟月」と呼び祝う風習があるそうです。
日本でも秋分の日に近い旧暦8月15日に「中秋の名月」を祝い
その次の満月の2日前にあたる旧暦9月13日に「後の月」とか「十三夜」と呼ぶ
お月見をしてきたというのはヨーロッパとも共通するわけで興味深いですね。
中国にはなくてヨーロッパにあるというのが
単純に中国渡来説を裏付けなくておもしろいかもしれません。

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三つの月見
月見というと、もっともよく知られているのは旧暦の八月十五日の月(十五夜の月)
中秋の名月の月見でしょう。中秋の名月の月見は有名ですが
これがあまりに有名すぎて少々霞んでしまうのですが
この月見の他にも比較的広く行われていた月見の風習があります。
一つは後の月と呼ばれる九月十三夜(旧暦)の月見で
もう一つは三の月とも呼ばれる十月十日(旧暦)の月の月見です。
知名度で考えると
中秋の名月(十五夜) > 後の月(十三夜) > 三の月(十日夜) でしょうか。
三の月となると、知っている人のほうが珍しいくらい知名度が低いかもしれません。

中秋の名月 ・・・ 旧暦八月十五日  [ 9月12日 (月)]
後の月 ・・・・旧暦九月十三日 [10月9日(日)]
三の月 ・・・・旧暦十月十日 [11月5日(土)]


十五夜は「芋名月」、十三夜は「豆名月
十日夜は「大根の年取り」という別名があり
その時々の畑の作物を備え、畑作物の収穫儀礼の要素を強くもっているそうです。
十日夜(とおかんや)は、お月見がメインではないため
月齢に関係なく新暦の11月10日に祭りを実施する地方が多いようですが
昔から十五夜、十三夜、十日夜の3日間が晴れてお月見ができると
縁起が良いとされています。


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いにしえの日本人の月に寄せる想いは熱くたくさんの美しい言葉を生み出しました。
十五夜への期待がふくらむ前夜は「待宵(まつよい)」
月は「小望 月(こもちづき)」、待ちに待った当夜、雨や雲で見えないことを
雨月(うげつ)」「無月(むげつ)」などと称し
日毎に表情を変える月の風情を愛でてきたのです。
こうした風情は「月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月」
(中秋の名月がすばらしいのは、秋になると空気が乾燥し、月が鮮やかにみえるからだ)
などといって月は古くから詩吟や俳諧の題材にもされてきました。

十五夜、十三夜の間の十四日月は満月(=望:ぼう=望月:もちづき)
直前のため「小望月(こもちづき)」という呼び方もされます。
これらの月は日没と同時かその前に月の出になります。
満月以後の月は月の出がだんだん遅くなり
これをめでることを「月待(つきまち)」といいます。
待ちは祭りに同義で、特定の日に人々が集会し一夜を明かすこと。
満月後の月は次のように呼ばれています。

十六夜:いざよい
いざよいはためらうの意。月の出が満月より遅くためらうようにして出てくる。
十七夜  立待月:たちまちづき
立ったまま月の出を待つ。
十八夜  居待月:いまちづき
居て、座って月の出を待つ。
十九夜  寝待月:ねまちづき
月の出る時刻が遅いので寝て待つ月。臥待(ふしまち)とも言う。
二十夜  更待:ふけまち
さらに夜が更けるのを待って上がる月。
二十三夜:にじゅうさんや
下弦の月。夜半に月の出になり、この月待ちで願い事がかなうとも。
二十六夜 :にじゅうろくや
逆三日月で明け方上がる。この月待ちで願いがかなうとも。

月の呼び方にはこのほかにもたくさんあり
夜明けになっても空に残っている月を「有明月(ありあけづき)」とか
残月(ざんげつ)」と呼ばれています。

2012年 中秋の名月 ( 9月30日) 後の月 (10月27日)
2013年 中秋の名月 ( 9月19日) 後の月 (10月17日)
2014年 中秋の名月 ( 9月 8日) 後の月 (10月 6日)
2015年 中秋の名月 ( 9月27日) 後の月 (10月25日)
2016年 中秋の名月 ( 9月15日) 後の月 (10月13日)
2017年 中秋の名月 (10月 4日) 後の月 (11月 1日)
2018年 中秋の名月 ( 9月24日) 後の月 (10月21日)
2019年 中秋の名月 ( 9月13日) 後の月 (10月11日)
2020年 中秋の名月 (10月 1日) 後の月 (10月29日)
 
※お月見の日は旧暦で作られるため、現在の新暦では毎年日にちが異なります。



月の空
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星と月のコレクション
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2011年09月05日

中秋の名月・十五夜 満月

susukimoon

秋を告げる中秋の名月。天が澄みきって清々しく美しい季節。
一年のうちで最も月を意識するこの夜。
 
中秋の名月(十五夜)は旧暦の8月15日。新暦では今年は9月12日。
一年で最も明るく美しい満月です。
また、旧暦9月13日(新暦10月9日)は十三夜といいます。
この両方の月を愛でることを月見といいます。
十三夜の少し欠けた月を美しいと感じるのは、不完全の美学ならでは。

0_0_0_0_0_0_0_0_0_0_0_0_icon_moonsilver2011年の十五夜は9月12日(月)
 
旧暦 8/15   月齢 14.0   満月・十五夜

旧暦で「8月15日」にあたる日は秋のお月見の「十五夜」の日です。
「十五夜」は必ずしも満月になるわけではありませんが
2011年は6年ぶりに十五夜が満月の日になります。

tsuki2
 
 旧暦の8月15日を「十五夜」「中秋の名月」といいます。
「中秋の名月」とは"秋の真ん中に出る満月"の意味で
旧暦では1月〜3月を春、4月〜6月を夏、7月〜9月を秋、
10月〜12月を冬としていたことから、8月は秋のちょうど真ん中であり
8月15日の夜に出る満月ということで、そう呼ばれるようになりました。 
 
現在用いられている新暦では1ヵ月程度のズレが生じるため
9月7日から10月8日の間に訪れる満月の日を
十五夜・中秋の名月と呼んでいます。

旧暦を使用していた時代は(1872年頃まで)月の満ち欠けによって
おおよその月日を知り農事を行っていました。
一説によると、欠けたところの無い満月は豊穣の象徴だったそうです。
そのため十五夜の満月の夜は豊作を祈る祭が行われる
大切な節目でもあったようです。
一方、中秋の名月を鑑賞するという風習は
中国では唐の時代から知られており
武士や町民へと次第に広まって行きました。
これは後に平安時代の貴族の間に取り入れられ
そして現在の「お月見スタイル」になっていったようです。

旧暦カレンダー

満月の日、地球をはさんで月が太陽のほぼ反対側にあるので
太陽が西に沈む頃に、反対側の東の空に月があらわれます。
東京では、この日の月の出は午後5時29分です。
 
015moon
情報提供元:アストロアーツ

「十五夜」は、中秋の名月を鑑賞する他
これから始まる収穫期を前にして、収穫を感謝する
初穂祭としての意味あいがありました。
9月頃に収穫される「芋」をお供えすることから
「芋の名月」とも呼ばれています。
現在では、満月のように丸い月見団子と魔除けの力があるとされた
ススキを伴えるのが一般的な「十五夜スタイル」です。
また地方によってはこの日だけは、他人の畑の作物を
無断で取っても良いとか、子どもがお月見のお供え物を
盗んで良いとする風習もあるそうです。

日本では平安時代から貴族の間で月を鑑賞するお月見がありました。
その時に池に船を出し、短歌や俳句を読んだりしました。
池に映る月や、杯に映る月を楽しむ遊びだったようです。
直接の月をめでるより、さらに凝った仕方で愛でる訳で遊び心があります。
現在は月が見える場所にススキや月見団子、里芋、栗、枝豆などを飾ります。
 
特に西日本ではこの日に月が見えるのはなかなか少ないですが
十五夜の夜に雲で隠れて月が見えないことを「無月」と呼びます。
一方雨で月が見えないことを「雨月」と呼びます。

中秋の名月と十三夜の今後の予定
   (旧8月15日)         後の月 (旧9月13日)
 
2011年 中秋の名月9月12日 十三夜10月 9日 
2012年 中秋の名月9月30日 十三夜10月27日
2013年 中秋の名月9月19日 十三夜10月17日

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 もうひとつのブログ「月彩 Tsukisai...*」には
別の視点でまとめた月見関連記事があります。


十五夜花
十五夜に供えられるススキは、適当な空きびんか
花瓶にさすのが一般的ですが
かつては 地域によって「ハクチョウ」と呼ばれる
注ぎ口の長い徳利が利用されていました。
ススキの本数は、まれに15本 というところがあるものの
多くは5本(十三夜は3本)というのが一般的です。
ところで、地域によっては、ススキといっしょに
季節の花を供えるところがあり
これは十五夜花とよばれています。 
秋の七草などを月に向かって飾り供えます。
シオンやオミナエシ、ヤマハギ、キキョウなどが用いられますが
利用される花は地域ごとに特徴があるようです。


名月を楽しむ十五夜の飾り
澄み渡る初秋の夜空を照らす、まん丸いお月様。
「十五夜」とは、ほっそりと輝く新月が夜ごとに満ちて満月になる
文字どおり15日目の夜のことです。
満月を鑑賞する習慣は中国から伝わったとされていますが
平安時代の日本では暦の違いから13日目が満月にあたり
「十三夜の名月」として鑑賞していたとか。
暦の数え方が一つになってからは、日本でも15日目が満月になりました。

月見団子とすすきの穂を、テーブルなどにさり気なく飾るのもいいものですが
今年はより風情ある飾り方をしてみませんか。
まず月見団子は、神事に使われる三方の上にピラミッド型に盛りつけ
すすきはできるだけシンプルな花瓶に。
その周りにお神酒や秋に収穫された里芋や栗、果物などをともに飾れば
より風情あるセッティングになります。
できれば月が見える位置に飾りたいものですが
秋の夜空が見える窓際やお部屋のコーナーでも素敵です。


wa2s-2009073010053543292



十五夜を味わうお月見のお菓子
伝統のお月見だんごをはじめ、うさぎをモチーフにしたお菓子など
十五夜をおいしさで楽しむお菓子の数々





喧騒と混沌の巨大都市・東京上空に静かに昇る満月と
雲と東京の夜景が織り成す美しい情景をハイビジョンで捉えた月光浴DVD


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2011年08月02日

伝統的七夕の夜空

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7月7日は「七夕」。これは多くの方がよくご存じでしょう。
しかし「伝統的七夕」となると知っている方はごくわずかではないでしょうか。
伝統的七夕の日の決め方は 年によって日が変わります。
今年(2011年)の「伝統的七夕」にあたる日は8月6日です。

伝統的七夕の日の決め方はこちら。
  http://www.nao.ac.jp/QA/faq/a0309.html

伝統的七夕とは

7月7日は七夕の日としてあまりにも有名ですが
もうひとつ伝統的七夕という七夕があります。
これは旧暦による七夕のことです。
現在の暦での7月7日は、たいてい梅雨のさなかで
なかなか星も見られません。
そこで国立天文台では2001年から
「伝統的七夕」の日を広く報じていくことにしました。

太陰太陽暦は、明治6年に現在の暦が採用されるよりも前の暦で
現在は公には使われていません。このため、伝統的七夕の日は
太陰太陽暦による7月7日に近い日として、以下のように定義します。

二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日か
それよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から
数えて7日目が「伝統的七夕」の日です。 

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伝統的七夕は陰暦の7日。
旧暦七月七日なら8月初旬から下旬にかけて空の澄んだ日も多く
お目当ての牽牛(アルタイル)織女(ベガ)を見るチャンスはがぜん高くなります。
この日は必ず上弦の月が天の川の方向にあります。
上弦の月(半月)に近い月が約束されているので
(上弦の月は夜になれば西に傾き沈んでしまう)
天の川もよく見ることができます。

天の川は空の状態が悪いと見えないほど淡い光の帯。
月の光で天の川は見えませんが、夏の半月は早めに沈みます。
月が沈んでから現れる天の川を待つのもおつなもの。
宵の頃は中空だった二人を隔てる天の川も頭上に・・・★

月時館Tsukijikan 関連記事 
伝説的七夕(旧暦の七夕)
七夕・月の舟
七夕と月と星


20110806アストロアーツ

中国から伝わり、日本で独自の発展を遂げてきた七夕の行事が行われたのは
もともと太陰太陽暦の7月7日でした。この日は半月状の月が浮かび
織姫星(ベガ)や彦星(アルタイル)も空高く昇っていて
織姫が月の舟に乗り彦星に逢いにいくなどという
ロマンティックな想像もできます。
また、深夜に月が沈んだ後は天の川も見られます。
しかし、現在のカレンダーの7月7日では、毎年月の形も違い
さらに梅雨の最中で晴天率も悪く、そもそも星祭りには向いていないのです。
そこで、国立天文台では「伝統的七夕」の日を
以前使われていた暦をもとに 定義し、星空を楽しむことを呼びかけています。
「伝統的七夕」の日は、二十四節気の処暑を含む日か、それよりも前で
処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間 を含む日から数えて7日目です。
つまり今年(2011年)の伝統的七夕は8月6日(土)になります。

また8月6日(土)〜8日(月)には仙台七夕まつり
「復興と鎮魂」をテーマに開催されます。
ぜひ、灯りを消して夏の夜に織姫と彦星の姿を探してみてください。

img_photo

「七夕」と「伝統的七夕」夜空の違い

☆7月7日の夜空
例年、日本の多くの地域が梅雨の最中です。ですからうまいタイミングで
その晴れ間に当たれば七夕の星を眺めることはできます。
また、織姫星と彦星は東の空に見えていますが、夜11時ごろになると
頭の真上に昇ってきます。深夜になれば、天の川も見ることができるでしょう。
しかし、年によってはお月さまが悪影響を及ぼします。
お月さまが煌々と輝いている月夜には、天の川を見ることができません。
天の川は、その明るさが微かなため、街明かりはもちろんのこと
月の光にも負けてしまうのです。そこで、今のカレンダーの7月7日を見てみると
年によってお月さまの形はバラバラです。
今年は半月状の月が輝き、来年は満月3日後の月が出ています。
本来の七夕は、織姫星と彦星と天の川がセットです。
ですから、年によって月明かりの具合が変わるのは、ちょと不都合です。
 
☆伝統的七夕の夜空
今年(2011年)の伝統的七夕は8月6日です。
夜9時には頭上に織姫星と彦星が輝き、南西の空には
沈む前の半月状の月が見えています。
月は夜10時半には沈んでしまい、それ以降は天の川も見られます。
また、天の川も頭上から南の空に続き、年間で一番見ごろとなります。
じつは伝統的七夕は、現在のカレンダーが使われる前から行われていました。
そのころ日本では、太陰太陽暦という月のめぐりをもとにして
つくられた暦が使われていて、それによると1日は新月となり
この日から月の形がふくらみ始めます。
毎月1日が新月ですから、3日月、5日月と、だんだん丸みを帯び
7日には、ほぼ半月の形になるわけです。
ですから、伝統的七夕の日には、いつも半月状の月が輝き深夜に沈みます。
そして織姫星と彦星も、天の川といっしょに頭上に輝き
地上の星祭りを眺めているのです。

※2011 - 伝統的七夕ライトダウン2011推進委員会

伝統的七夕ライトダウン2011キャンペーン
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みんなで明かりを消して星空を見上げよう。
「伝統的七夕」の夜に明かりを消して
夜空に輝く七夕の星たちや天の川を
全国で一斉に
せめて7分間、眺めてみよう。


2011年の伝統的七夕は、8月6日(土)です。
キャンペーン期間 : 2011年7月7日(木)〜8月7日(日)
スローガンはつながろう七夕、よみがえれ天の川

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「伝統的七夕」に明かりを消して夜空を眺めよう
伝統的七夕ライトダウン2011キャンペーン

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「伝統的七夕」という呼びかけを始めて今年で10年目。
伝統的七夕に合わせて開催を続けている
石垣島の「南の島の星まつり」も今年10周年です。
南の島の星まつり2011 in石垣島

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南の島の星まつりでは、星まつり開催期間に
“日本一素敵な星空の宝庫”石垣島の上空をより一層輝かせ
そして、市民や観光客で旧暦の七夕の夜空を見ようと呼びかけます。


すごい夜空の見つけかた (単行本・ムック) / 林完次/写真・文
すごい夜空の見つけかた
 林完次/写真・文

夜空を歩く本
夜空を歩く本

都会で星空ウォッチング
都会で星空ウォッチング

星と月のコレクション
星と月のコレクション

星祭りの伝説 (ART BOX/GALLERYシリーズ) / 辻野三保/作 白樺兎師春/絵
星祭りの伝説 (ART BOX/GALLERYシリーズ)
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2010年09月19日

十五夜・中秋の名月

春の「花」に対して、秋は「月」。
月は秋を代表する季題として、古来、和歌や俳句にさまざまに歌われ
詠まれてきました。
単に「月」といえば、秋の月をさす、というほどです。

その秋の月の中でも、特別な月があります。
旧暦8月15日の夜、十五夜の「中秋の名月」です。
この夜の月は最も明るく美しいとされ、昔からこの夜に月見をする風習が盛んです。

今年2010年の中秋の名月は9月22日(水)

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日本に古くからある「お月見」の風習。
旧暦8月15日の「十五夜(中秋の名月)」
旧暦9月13日の「十三夜」
旧暦10月10日の「十日夜(とおかんや)」のことを「三月見」といって
三夜とも空が晴れてお月見ができると縁起がいいとされています。

今年は
十五夜が9月22日、十三夜が10月20日、十日夜が11月15日です。

古来より日本人は月を愛でてきましたが
やはり満月が一番美しいものとされていました。
その中でも中秋の時期は空気が澄んでいて最も美しい満月が見れるということで
平安時代初期に、月を見ながら宴会をする風習ができたのです。

これは観月宴や月の宴と呼ばれ、当時は月を愛でながら即興で和歌を詠み
その出来をみんなで評価しあって酒を飲んで楽しみました。
この行事が定着し始めると、月の見えるところにすすきを飾り
月見団子、里芋、枝豆などを盛り、御神酒を供えるようになりました。

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中秋の名月とは、旧暦8月15日の夜の月のこと。
旧暦の1カ月は月の満ち欠けの周期によって決められていて
29日か30日で数えられています。
理論上、もっとも遅い十五夜は10月8日、もっとも早い十五夜は9月7日。
来年の2011年は9月12日、その次の2012年は9月30日です。

この日の月は必ずしも満月とは限りません。
むしろ満月であることの方が少ないのです。
これは月と地球の公転軌道の関係で、新月から満月までの日数が
15日とは限らないために起こります。
今年は、中秋の名月より1日遅れて9月23日が満月です。
ちなみに来年2011年から2013年までの3年間は「満月」が拝めます。

日本では古来より太陰暦を利用していましたが
1872年(明治5年)に太陽暦に改暦されて以来
中秋の名月が毎年変化しています。
それまでの太陰太陽暦がある約束事によって
32〜35ヶ月ごとに閏月を加えて一年を13ヶ月としなければならなかった為
現行暦では中秋は早い年で9月上旬から、遅い年では10月まで
ずれ込むことになります。その為、お月見は毎年ずれるのです。

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Posted by sara1116 at 15:13Comments(3)TrackBack(0)clip!月の行事

2010年09月16日

未来館でお月見

中秋の名月 未来館でお月見!2010

e0184pp

未来館では例年に引き続き、9月22日の中秋の名月に合わせ
月にまつわるさまざまなイベントを開催します。
日本の月探査計画を検討する「月探査に関する懇談会」が、9回におよぶ会議を経て
今年まとめた日本の月探査計画の指針を、トークイベントと
特別展示で紹介いたします。また、船外活動服の試着体験など
多数のイベントを取り揃えています。
この機会に是非、ご来館ください。

開催期間 2010年9月15日(水)〜23日(木・祝)
開催場所 日本科学未来館 常設展示ゾーンほか

(常設展示エリアは入場券が必要です)

今年は、有識者による懇談会の報告書として
「我が国の月探査略」がまとめられ
日本が月探査の実現へ向けて大きな一歩を踏み出しました。
本イベントでは、この戦略について参加者と語り合うトークイベントをはじめ
展示や実演で、月を身近に感じる科学トピックスを紹介していきます。

20100915-574098-1-N
球体画面に映し出された「中秋の名月」。
月の高低差を色分けして表示している=中村光一撮影
YOMIURI ONLINE(読売新聞)

シンボル展示Geo-Cosmosが月に変身
22日の中秋の名月に合わせ、東京・お台場の日本科学未来館に
発光ダイオードを使ったハイテクなお月様が登場。
直径6.5メートルの球体の表面に約100万個の発光ダイオードを張り付けた
「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」。
表面に様々な映像が映し出されます。
23日までは、月探査衛星「かぐや」が2年間にわたって撮影した
月の映像が10分おきに再現されます。
普段、地球からは見ることができない月の裏側の様子も見えます。
時間: 10:00〜17:00(10分間に1回上映)
場所: 1階 シンボルゾーン
※3階、5階の常設展示エリアからもご覧いただけます。

20100915_01_02
シンボル展示「Geo-Cosmos」の月(投影画像提供: JAXA)

特別展示「月に移住!暮らしはどうなる?―15のポイントで適応度チェック」
人間が将来、月で暮らす日のために、そろそろ準備をはじめませんか?
地球と月の生活を比べて、何が違うのかチェックしましょう。
15のポイントをすべてクリアすれば、あなたの月適応度が分かるかも?
時間: 10:00〜17:00
場所: 3階・5階 常設展示エリア内

宇宙服を着てみよう! (日時限定)
特別展示の15のポイントをすべてまわった方は、船外活動服の
レプリカをご試着いただけます。
月周回衛星「かぐや」が撮影した月からみた地球のパネルを背景に
月旅行気分で記念写真を撮りませんか?
日時: 9月19日(日)、20日(月・祝) 10:30〜16:30
場所: 3階 サイエンスライブラリ
対象: 身長150cm以下のお子様
※当日の混雑状況により、体験できない場合もございます。

サイエンスミニトーク「Geo-Cosmos実演 お月見バージョン」
シンボル展示「Geo-Cosmos」に映し出された月を背景に
日本の月探査の成果や、未来の月面利用計画について、わかりやすく解説。
時間: 12:00(土日祝のみ)/15:00 (各回 約15分)
場所: 3階 常設展示「技術革新と未来」エリア

geo_cosmos_20091201

特別上映「4D2U〜spacewalk〜 お月見バージョン」
最先端の観測結果やシミュレーションに基づき製作された
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U)による3D映像を
月にクローズアップしたバージョンで上映し
科学コミュニケーターが生解説を行います。
時間: 11:30/13:00/15:00 (各回 約25分)
場所: 5階 VRシアター ※5階インフォメーションにて
当日予約券を配布 (各回30名/先着順)

トークイベント「月に挑む!―世界をリードする日本の月探査ロボット計画」
※要申込
日本の月探査計画を検討する「月探査に関する懇談会」の
最新の報告内容をもとに、月探査計画が実現した未来について
専門家の話を聞きながら一緒に考えるトークイベントです。
日時: 9月23日(木・祝)15:00〜16:30(受付14:30)
場所: 7階 イノベーションホール

Miraikan Shop お月見関連コーナー
月や宇宙に関連したグッズ、書籍、DVDを取り揃えた
「お月見コーナー」をご用意します。
場所: 1階 Miraikan Shop

お月見期間限定 レストラン・カフェ特別メニュー
7階レストラン「LA TERRE」、5階カフェでは
月に関連した特別メニューをご用意します。
場所: 7階レストラン「LA TERRE」、5階カフェ

参加費
入館料のみ ※ただし、7階イノベーションホールでのトークイベントと
1階シンボルゾーンは無料
主催
日本科学未来館
後援
独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
第2回東京国際科学フェスティバル実行委員会(TISF)

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◆問い合わせ先
日本科学未来館 東京都江東区青海2-3-6
Tel: 03-3570-9151(代表)

交通アクセス
■新交通ゆりかもめ(新橋駅〜豊洲駅)
「船の科学館駅」下車、徒歩約5分
「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分
■東京臨海高速鉄道りんかい線(新木場駅〜大崎駅)
「東京テレポート駅」下車、徒歩約15分
■都営バス 「日本科学未来館前」下車、徒歩約1分


top_img

関連リンク
中秋の名月 未来館でお月見!2010 | 日本科学未来館
http://www.miraikan.jst.go.jp/event/100818125011.html

東京国際科学フェスティバル2010
http://tokyo.sci-fest.net/2010/ja/index.php

TISF blog 東京国際科学フェスティバルのブログ
http://tokyo.sci-fest.net/cgi-bin/diarypro/diary.cgi 

 




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2010年09月11日

国際お月見ナイト

国際お月見ナイト(InOMN)〜この秋は月を楽しもう〜

9月18日 世界中で月を見ようと呼びかけられています。

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9月18日、NASAの研究機関や天文台などの呼びかけによる
「国際お月見ナイト」にあわせて世界中で月を眺めるイベントが予定されています。
22日に中秋の名月をむかえる日本でも、有志がウェブページを立ち上げ紹介するなど
盛り上げに一役買っています。

お月見で盛り上がるのは日本だけじゃない! 
NASAの研究機関や天文台などの呼びかけで、9月18日に世界で一斉に月を眺め
楽しみ、学ぼうという「国際お月見ナイト」(InOMN)が行われます。

これは昨年、世界天文年の一環としてアメリカのNASA月探査機関係者らが開催した
月見イベントの成功を受けたもので、同イベントのウェブサイト
(下記関連リンク参照)では、世界地図から自分のいる地域で行われる
イベント情報を探したり、主催するイベントを登録したりすることができ
すでに欧米を中心にネパール、南アフリカからアフガニスタンまで
各国の開催情報が続々と集まっています。
また、情報を登録したいが英語でやり方がよくわからない、という
日本のイベント主催者のために、イベント趣旨や登録方法を
日本語で紹介した有志によるウェブページも開設されています。

0inmoonmap_s

イベントマップでは、世界各地の月見イベント情報が登録されている
(提供:International Observe the Moon Night)

中秋の名月である9月22日直前の週末に、観月会や月に関する講演会など
さまざまな方法で月を楽しんでみるのはいかがですか。

0lnOMNLogo_circleLg


<関連リンク>

International Observe the Moon Night (InOMN): http://observethemoonnight.org/

世界各地のイベント閲覧・登録ページ(英語)

国際お月見ナイト(InOMN): https://sites.google.com/site/inomnjapan/

InOMNイベント登録方法日本語解説

日本天文愛好者連絡会: http://c-moon.s3.xrea.com/jaaa/

アストロアーツ:
星空ガイド
2010年の天文現象ガイド: 2010年9月22日 中秋の名月
天文の基礎知識:

星ナビ.com:
月刊星ナビ 2010年9月号(パオナビ 夏のイベントスペシャル)
パオナビ(全国プラネタリウム&公開天文台情報)
イベントカレンダー: 9月18日〜の情報

 

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Posted by sara1116 at 16:04Comments(0)TrackBack(0)clip!月見

2010年07月05日

七夕・月の舟

七夕

7月7日七夕の夜、天の川を隔てて輝く
わし座 の1等星アルタイル(牽牛星)彦星と
こと座 の1等星べガ(織女星)織姫が
一年に1度だけ逢うことを許された夜...。

このお話は中国で生まれ日本に語り伝えられた伝説です。

060731_vega_s

中国で作られた「七夕伝説」の原作では・・・
「おりひめが、月の船(上弦の月)に乗って天の川を渡る」とあります。

昔は「七夕」を昔の暦で行っていました。
昔の暦とは「旧暦」「太陰暦」
月の満ち欠けをモトにしたカレンダーです。

旧暦7月7日。七夕の日は新月から7日目。
南西の夜空には月齢6の、上弦よりもやや細身の月が
天の川の西岸に輝いています。
上弦とは新月から満月に向かうちょうど真ん中の月で
夕方に見えるほうの半月(朝方に見える半月は下弦)です。
上弦の月は、半月・・・ちょうど「船の形」をしています。

tanabata3

上弦の名前の由来は、月を弓に見立てた呼び方です。
沈むとき(日が変わるころ)にその弓の弦が上を向いているのです。
その月を舟に見立て、上弦の月の笹の舟に乗り
彦星と織り姫は年に一度会いに行くことができる…。

その舟が7日の夜には天の川の西岸にあり
そして一晩か二晩かけて、東岸へと動いていくのです。
まさに天の川の西岸に輝く織姫星をのせて、天の川を渡る舟と解釈できます。
七夕伝説のデートの夜が、旧暦7日に設定されたのは
本来は他の理由だったのかもしれませんが
この月を舟に見立てたという理由もあったのではないでしょうか。
月は、毎日、西から東へ天球上を移動しています。
つまり「天の川」を西から東へ横切っているのです。
月は、毎月、天の川を西から東へ横切っていますが
「上弦の月」の姿で天の川を横切るのは旧暦の7月7日だけ。

天の川の西には「おりひめ」、東には「ひこぼし」がいます。
つまり「船の形をした月に乗って
おりひめが天の川を西から東へと渡って行く」のです。

AstroArts: 【特集】七夕 - 七夕伝説 


tanabata05


pin4「伝統的七夕」

7月7日は七夕の日としてあまりにも有名ですが
もうひとつ伝統的七夕という七夕があります。
これは旧暦による七夕のことです。
現在の暦での7月7日は、たいてい梅雨のさなかで
なかなか星も見られません。
そこで国立天文台では2001年から
「伝統的七夕」の日を広く報じていくことにしました。

太陰太陽暦は、明治6年に現在の暦が採用されるよりも前の暦で
現在は公には使われていません。このため、伝統的七夕の日は
太陰太陽暦による7月7日に近い日として、以下のように定義します。

二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日か
それよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から
数えて7日目が「伝統的七夕」の日です。
 

pin42012年までの伝統的七夕の日は下記の通りです。

2006年  7月31日 月曜日
2007年  8月19日 日曜日
2008年  8月07日 木曜日
2009年  8月26日 水曜日

2010年  8月16日 月曜日
2011年  8月06日 土曜日
2012年  8月24日 金曜日


topics1s

伝統的七夕は陰暦の7日。
旧暦七月七日なら8月初旬から下旬にかけて空の澄んだ日も多く
お目当ての牽牛(アルタイル)織女(ベガ)を見るチャンスはがぜん高くなります。
この日は必ず上弦の月が必ず天の川の方向にあります。
上弦の月(半月)に近い月が約束されているので
(上弦の月は夜になれば西に傾き沈んでしまう)
天の川もよく見ることができます。

天の川は空の状態が悪いと見えないほど淡い光の帯。
月の光で天の川は見えませんが、夏の半月は早めに沈みます。
月が沈んでから現れる天の川を待つのもおつなもの。
宵の頃は中空だった二人を隔てる天の川も頭上に・・・★

amanogawa02

8月16日の伝統的七夕の夜には、船の形をした月を眺め
織姫と彦星に願いを託してみませんか。


月時館 Tsukijikan☆「伝統的七夕」 を含む記事


nb1_14


 こと座 α星 Vega(ベガ)
赤経18h36.9m 赤緯+38゜47′ 光度0.0等 距離25光年

七夕の織姫星(織女星)として知られる、夏の宵の夜空を飾ること座のベガ。
夏の三角形 の中でも一際明るく輝く青白い星で
Arclight of the sky(夜空のアーク灯)
夏の夜の女王星、真夏のダイアモンドなどに例えられる美しい星です。

中国では、「織女」「織女三星」と呼ばれ
日本では、七夕の「織姫、織女星」、「たなばた女(たなばたとは棚機のこと)」
「たきたなばた」「めんたなばた」などと呼ばれていました。
わし座 のアルタイルと合わせて「夫婦星」「天の河星」ともいわれます。

 わし座 α星 Altair(アルタイル)
赤経19h50.8m 赤緯+08゜52′ 光度0.8等 距離17光年

七夕の彦星(牽牛星)として知られる、わし座 のアルタイルです。
この星は、自転が最も早い星の一つで、赤道での自転速度は260km/秒で
大きさは太陽の直径の1.7倍もありながら、 太陽の自転周期は25.4日なのに対し
約6時間半という早さで1回転します。

アルタイルという名前は、アラビア語のアル・ナルス・アル・タイル(飛ぶ鷲)
の後半だけがとられたものです。
古代アラビアでは、わし座 (アルタイルの含まれる星座)と
こと座 のことを、アル・ナスライン(Al Nasrain)2羽の鷲と呼び
これに、はくちょう座 を加えて、3羽の大きな鳥が
砂漠の夜空に舞う様子を想像していました。

日本では、「彦星」「男星」「犬かい星」「牛かい星」
「犬引きどん」「犬飼さん」「牛かいのお供」などの呼び名があります。

img46p

天(あめ)の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎかくる見ゆ(万葉集7)

天の河浮津の波音騒くなりわが待つ君し舟出すらしも (万葉集8-3)

天の川水さへに照る舟競(ふなぎほ)い舟漕ぐ人は妹と見えきや (万葉集9)

天漢(あまのがわ)霧立ち渡る今日今日とわが待つ君し船出(ふなで)すらしも
(万葉集9:1765)


船も舟も、天の川に対している言葉ですが
上弦の月を船にみたてて表現した部分もあるのではないかと思います。

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【下弦期】 6月27日ー7月11日、7月27日ー8月9日 

『生体エネルギーがクールダウンする時期』

★行動テーマ:解毒・休養・理性
心が落ち着きゆったりとリラックスできる時期です。
頑張っている時分にご褒美を。
お風呂にゆっくり入る、睡眠を多くとる、美味しい食事をゆっくり楽しむなど
日常の中に上質な時間を持ちましょう。

moonline


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ディズニー マンスリーコレクション7月【七夕】

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2010年02月06日

月待 

[下弦]   ◆次の新月まであと 8日

月の星座 2010. 2 /5  1: 56〜 蠍座
           2/7  9:04〜 射手座

 MyAstroChart☆ムーンカレンダー 
月の星座(サイン)・満ち欠け・他天体とのアスペクト・ボイドなどを見るムーン・カレンダーです。


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pinmppnb月を待ちながら


日本はその昔、月の満ち欠けによる太陰暦を使っていたのはご存知でしょう。
昔の人たちは、月を生活に直接関わるものとして大切に扱ってきたのです。

月が空に現れる時分を呼び名にした「立待ち月」「居待月(いまちづき)」
「寝待月」「更待月(ふけまちづき)」「有明月」などは
昔の人のセンスの良さを感じます。

毎日、月を見上げて生活する中で生まれた風習が
月齢ごとに集まって月を拝んだ「月待信仰」です。

中秋の名月を愛でるお月見もその一つですが
中でも真夜中に上弦の月が上がるのを待つ「二十三夜講」は全国で盛んになりました。
近隣の人たちが集まって酒を酌み交わしながら月を待ち
そのまま夜明かしをしたといいます。
娯楽の少ない時代の「講(集まり)」は人々の楽しみだったのでしょう。
しかし明治の文明開化とともに廃れ、今では全国各地に残る
二十三夜塔」という碑だけが当時の賑わいを思わせます。
けれど、人が集まろうとそうでなかろうと月は満ち欠けを繰り返しながら
変わらぬ美しさで夜空に輝いています。

下弦の半月は旧暦でいえば二十三日頃
月としては二十三夜の月 (にじゅうさんやのつき) と呼ばれます。

二十三夜の月、すなわち下弦の半月といえば
月の出は日付が変わる午前零時 頃。
月待ちというからにはこの時刻まで起きて月を祀る行事と思われがちですが
そうではなくて、月が出を待つのはもちろんのこと
月が出た後も、夜が明けて日が出るまで夜を徹した行事だったそうです。

夜半過ぎに月待ちをすると願いごとが叶うといわれています。
静岡県富士郡では、二十三夜の月を拝んで寝ると
病気にならないという言い伝えがあるとか。

 俳諧の二十三夜を誰と待たん (景山荀吉)

pinmppnb月待について

十三夜、十五夜、十七夜、十九夜、二十三夜、二十六夜など
特定の月齢の夜、人々が集まって月の出るのを待って供物を供え
飲食を共にすることをいいます。
毎月祀(まつ)る例は少なく、正月、5月、9月の3回、あるいは正月
11月の一定の月を祀る所が多くあります。
月待は、組とか小字(こあざ)を単位とすることが多く、年齢によるもの
性別によるもの、あるいは特定の職業者だけの信仰者によるものなど
さまざまあります。

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2009年08月21日

伝統的七夕(旧暦の七夕)

伝統的七夕

topics1s

万葉の昔から親しまれてきた七夕伝説。

天の川をはさんだ星の恋物語は全国の七夕祭りとなり、江戸時代には
家ごとに笹やお供え物を飾り、一家総出で星と天の川を眺めて
楽しいだんらんのときを過ごしました。

7月7日は七夕の日としてあまりにも有名ですが、もうひとつ
「伝統的七夕」という七夕があります。
これは旧暦による七夕のことです。
旧暦では日付の決め方は月を基準にしているため
旧暦の7月7日は毎年日にちが違ってきます。
今年2009年の場合は8月20日が新月ということで
8月26日が旧暦7日7日にあたります。
よって、この日が伝統的七夕の日となります。

いまも七夕は保育園や学校で盛んです。
けれどカレンダーの7月7日は、日本はほとんど梅雨の中。
竹飾りだけで星は不在の七夕になってはいませんか?

7月7日の七夕の頃は梅雨の時期にあたることや
主役の星たちの高度が低くて見づらいこともあって
旧暦による七夕の方が見やすくて良いと思います。
織姫星のベガや彦星のアルタイル、そしてふたりを隔てる淡い天の川を
安定した夏空の下で今一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

世界天文年の今年、旧暦の七夕に
星と天の川の景色を楽しもうと呼びかけています。

tanabata6

旧暦7月7日はもう梅雨が明け、全国的に天気は良い。
そして太陰太陽暦だからほぼ月齢7日、上弦の月です。

満月だと明るくて星もよく見えませんが、半月なら明るすぎず
宵のうち中天にあって夜半前には沈みます。
あとは満天の星と天の川。
絶好のシチュエーションなのです。

国立天文台では、旧暦七夕を「伝統的七夕」と呼び
できればライトダウンで天の川と星を楽しもう、と呼びかけてきました。
沖縄県石垣市など、大きな年中行事になっているところもあります。

世界天文年の今年、伝統的七夕は8月26日(水)なので
その前の週末22日・23日(土〜日)が、絶好の「伝統的七夕日和」。

ほとんど失われてしまった、暗い夜空に光る星と天の川の美しさ。
子どもたちに見せたいものです。

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太陰太陽暦は、明治6年に現在の暦が採用されるよりも前の暦で
現在は公には使われていません。
このため、伝統的七夕の日は、太陰太陽暦による7月7日に近い日として
以下のように定義します。

二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日か
それよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて
7日目が「伝統的七夕」の日です。

2012年までの伝統的七夕の日は下記の通りです。
2006年  7月31日 月曜日
2007年  8月19日 日曜日
2008年  8月07日 木曜日
2009年  8月26日 水曜日
2010年  8月16日 月曜日
2011年  8月06日 土曜日
2012年  8月24日 金曜日

伝統的七夕の日は梅雨明け後で晴天率は高く、月は夜半前には沈み
その後は天の川がくっきりと見える観察条件となります。
この機会に月や星を見上げてもらうきっかけにしてほしい、そしてできれば
ライトダウンを実施してむだな照明を消し
夜空をよく眺められるようにしてほしい、と願っています。

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◆星空観測会

今月26日は「太陰太陽暦」(旧暦)の七夕に当たることから
各地の天文台なので星空の観察会やイベントが開催されます。
旧暦の七夕の日に合わせ、夜空を眺めてみてはいかがですか。

月の満ち欠けをもとにした太陰暦に、太陽の動きを加味してつくられた
太陰太陽暦では、今年は8月26日が七夕にあたります。
太陽暦の7月7日は梅雨のさなかで星空の観測が難しいことなどから
国立天文台(東京都三鷹市)では、太陰太陽暦による
「伝統的七夕」の日の星空観測を呼びかけています。
国立天文台
〒181-8588 東京都三鷹市大沢2-21-1

群馬県高山村の県立ぐんま天文台では「伝統的七夕」の観測会を
初めて実施します。
午後7時半、8時15分、9時の3回、天文台職員の解説で
天の川などの星空観測を行うそうです。
「『天の川を見てみたい』 『七夕のイベントをしてほしい』といった
要望が寄せられていた。
観測には現在の暦より、旧暦の七夕の方が観察しやすいので
実施を決めた」とのこと。入館料300円。
ぐんま天文台
〒377-0702 群馬県吾妻郡高山村中山6860-86

東京都江東区のガスの科学館でも8月26日に親子向けイベント
「もうひとつの七夕を楽しむ」を初めて開催します。
願い事を書いたり、七夕人形を作ったりする他
屋上での観察会も行います。
参加無料。先着40人。
14:15 受付開始
14:30 お話し会「七夕のお話」 志賀勝
15:00 ワークショップ
「七夕人形作り」・「おすくい網作り」
「願い事書き」・「笹への飾り付け」
17:00 観望会(屋上)
17:30 観望会・演奏会(海側芝生・雨天時屋内)
19:00 終了

ガスの科学館
〒135-0061 東京都江東区豊洲6-1-1

沖縄の石垣島では伝統的七夕の日を前に
8月19~23日に「南の島の星まつり」を実施します。
22日には大規模な観察会を行います。
星空が見えやすくなるよう、同日午後8時半から9時半は
島内の商業施設や家庭に消灯を呼びかける。
石垣島天文台
〒907-0024 沖縄県石垣市新川(あらかわ)1024-1

天の川は、大都市で見るのは難しいですが、天候に恵まれれば
各地で観測できるようです。

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各地のイベント

平成21年度の特別天体観察会|島根県立三瓶自然館サヒメル
〒694-0003 島根県大田市三瓶町多根1121-8

織り姫星、彦星を見る会 http://www.bao.go.jp/
美星天文台 岡山県井原市美星町大倉1723-70
「伝統的七夕」観望会|イベント|井原市

愛知県小牧市イベント情報

天体観察会 所沢市ホームページ

さかもと八竜天文台
〒869-6103 熊本県八代市坂本町中谷は335-2

 

 天文台の電話番

 天文歳時記

 

 星を見よう!

  天文手帳(2009)

 

 続々と、旧暦と暮らす

 

 



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